1.《ネタバレ》 「パブリック・エネミーズ」から早や6年その間映画を監督していなかったとは知らなかった。「マイアミ・バイス」「パブリック・エネミーズ」はあまり好みではなかったが…。
中盤までは少々退屈に感じた。が、やはり銃撃戦で目が覚める。音や着弾の描写などこだわりを感じさせる銃撃戦描写はさすがだ。
この構図は何かやばいと感じた直後に訪れる轟音。親友が乗っていた車が吹き飛び、銃弾の雨が主人公たちに襲いかかる。9.11で夫を亡くしたバレットが倒れ、NSAに不正侵入した主人公に連行命令が下った時「命令に従う」と言ったジェサップが冷静に五人仕留めた後崩れ落ちる。バレットの視界が霞み彼女の命も消える。ハッカー同士の頭脳戦の様相がその瞬間変わり始め静かに熱いマイケル・マンが帰って来た気がした。
クリス・ヘムズワースが天才ハッカー?どちらかというと直情的な肉体派、熱血漢というイメージのある彼をなぜその役に据えたのか。それは終盤を観ればなんとなく分かる。復讐心を胸に一か八かの戦いをしかけるのに典型的な柔なハッカーでは絵にならない。そういう点で彼の熱は必要だったのだろう。本国では評価が伸び悩んだ本作だが個人的には今後のマイケル・マンを期待させる一作となった。