12.久しぶりにベニシオ・デル・トロを見ました、相変わらず怖い。
そこにいるだけで怖い俳優のひとりで、その存在感も相変わらず凄いです。
ビーサン履きのジョシュ・ブローリンにデル・トロだもの、ペンタゴンでもCIAでも元検察官でも胡散臭さは満載で、
普通に対麻薬カルテルの話じゃないことはわかるんですけど、私もケイトと同様
「真実はなんだ」「何が目的なんだ」これで引っ張られました。
現場での経験も豊富で優秀なケイトがまるで新人、駆け出し捜査官のように見えてしまうくらいの
メキシコの現状というのがよく伝わりましたねぇ、緊張感が途切れることのない見ごたえある映画。
エミリー・ブラントは「ガール・オン・ザ・トレイン」でもそうでしたけど
化粧っけなし、髪ボサボサ、傷だらけで苦悩する戦う女がよく似合うという貴重な女優さんだと思います。
ところでデル・トロってプエルトリコ出身で、両親兄弟は弁護士だの医者だのという知的で裕福な家柄であり、
実母が亡くなって父が再婚したのが理由かどうかわからないんですが、
思春期の頃に荒れてアメリカの寄宿学校に入れられたとか、「アクターズスタジオ」で語っていたと思う。
新藤兼人監督を敬愛してて、自身で監督にインタビューもしてる。
ニコッとよく笑うし、その笑顔が非常に愛嬌があり、映画の役柄とはかなり落差を感じる人で
それが魅力的で増々好きになりましたね。