《改行表示》80.《ネタバレ》 “Artificial Intelligence”『人工知能』。今さらだけどそのまんまだったんだ。 スピルバーグの代表作“E.T.”を彷彿とさせるタイトルから、相当な意気込みで制作された作品だったんじゃないだろうか? キューブリック原案の作品とのことで、もしキューブリックが監督していたなら、ブルー・フェアリーに祈るデイビッドのその後がバッサリ無かったんじゃないか?とも言われているけど、もしかしたら常人には理解不能な2000年後が描写されて、頭ん中“???”状態のエンディングになってたかも? でもスピルバーグだから、常人が納得できる『めでたし、めでたし』なエンディングを用意出来たようにも思える。 食事中急にツボに入って大笑い。モニカをママと呼び方を変えたのに、ヘンリー(父)はヘンリーのまま。自分じゃ靴紐も結べない子供。純粋に母の愛情を求めるデイビッドって、もう人間の子供じゃないですか。ちなみに私は劇場で観た時、テディが髪の毛を一房出した時、ボロ泣きしてしまいました。 髪の毛に残るモニカ記憶は、まだデイビッドに危険を感じる前の記憶。だからモニカはデイビッドに無条件に優しかったんだと思う。 神が人間を造ったように、人間がロボットを造った。 未来のロボット(スペシャリストだって)は人間を観たことがなく、かつて人間と接していた最後のロボット=デイビッドを通して、初めて人間を観る。 人類はとっくに滅んでいるけど、クローン技術で人間を作り出すことは出来るけど、彼らスペシャリストにとっては、クローンよりデイビッドの記憶こそが、貴重な人類最後の足跡だったんだろう。 スピルバーグ作品だけに、クローンのT・レックスよりヴェロキラプトルの鉤爪の化石のほうに価値を感じる博士のよう。 クローンのモニカを眠らせ、デイビッドも人間として眠り、ここで人類の歴史が終わる。 この映画がどこか物悲しい最後なのは、この先、ロボット達からは何も産まれないからかもしれない。 【K&K】さん [映画館(字幕)] 7点(2023-10-16 21:59:50) |
79.《ネタバレ》 中心テーマは最後の最後で明かされる「存在とは何か」「その意味を解釈できるのは魂のある人間だけである」でしょう。という意味ではある種の「人間賛歌」とも言えるわけで、それは逆に言うと「死」があるからこその裏返しでもある。人間とロボットの差異と共存、親子の愛、地球環境の変化等々色々とテーマを詰め込み過ぎてしまって、それがわかりにくくなってしまったし、感動とか泣けるようなテーマでもないのに、そういう要素や描写で視聴者を勘違いさせてしまったのは失敗。現在TVKで「銀河鉄道999」をやっていて毎週みているのだが、そこでは永遠の命を求めてロボットに憧れる人間が描かれている。他方本作では、ロボットは人間に憧れるが、人間はロボットには憧れずに軽蔑すらしているというのがなんとも興味深く、「死」の恐怖を描かかずに人間の存在を全肯定するのは可能なのかという疑問も湧いてくる。という点においては色々と問いや示唆に富む作品ではあるとは思う。 |
《改行表示》78.こういった世界感がこのあとちょっと話題になってきた記憶がある。 丁寧な作りで、興味深い、ちょっとだけ悲しい映画。 【simple】さん [映画館(字幕)] 7点(2017-01-19 22:49:11) |
77.母親に対して永遠の愛を持つよう設定しておきながら、自分の子供が帰ってくるととたんに疎ましく思いついには捨ててしまう人間のエゴ。不思議なことにこの作品に出てくる人間には全く愛着が持てない。人間よりも情緒的理解に劣る?はずの様々なロボット達の方が、(最後に出てくる未来のロボットも含めて)断然人間らしさを感じることができ、応援したくなる。前半はデイビッドに感情移入しすぎてつい泣いてしまったが、後半の展開はかなり予想とは異なっており、さすがキューブリックが原案に絡んでいると言うだけあるストーリーだった。「さすが」とは言ったがそれは別に褒めているわけではなく、もう少し分かりやすい展開でも良かったのではないかな、と思う。それでも最後には母親の愛に包まれることができて、デイビッドの幸せそうな顔を見たらなんとなく安心して映画を見終えることができた。好み40/50、演出10/15、脚本8/15、演技8/10、技術8/10、合計74/100→7/10点 |
76.《ネタバレ》 結構評価低いんですね。確かにスト-リーは微妙で、最後に感動!となれた人は少ないんじゃないかな、と思います。それに、母への愛をインプットされた子供のロボットが主役、人間になりたくてピノキオに出てくる青い妖精を探しにいく、そういう一見ファンタジーなストーリーなのに、この毒→寂しさは何事かと。私も子供に見せるかどうかって考えると躊躇しますね。あの「破壊フェア」は相当残酷だし、性的描写はほとんど無いけど「Lover Robot」も説明しがたいし、最後の物悲しさで感動できるかは微妙だし。でも映画としての完成度は高いと思います。ストーリーは(中身は微妙でも)破綻なく完結してるし、世界観(未来・超未来)がきっちり作り上げられてるし、やっぱりオスメント君の演技は流石です。捨てられるシーンで泣き叫ぶとこなんか、思わずもらい泣きしそうになりました。ジュード・ロウの絶妙なロボットっぽさもいいですね。彫刻的なイケメンがよくいきてました。人の絶滅したさらに未来…2000年後?え?と思う設定でしたが、あの世界観はひたすら寂しかったです。あの世界の住人である超未来ロボットの造形もなんか見てて悲しくなるし、彼らが人の再生を試みても1日しかもたないなんて語るのも、物悲しい。「最高に幸せな1日」の描写もとことん寂しかった。それも感動できる寂しさ、悲しさでないので、あまり↓な時には観たくない感じの映画です。点はオスメント君、ジュード、テディに免じて甘め。 【あっかっか】さん [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2009-04-15 13:46:50) (良:1票) |
75.《ネタバレ》 前半は説明的なシーンが多い上に、こじつけに近い設定が感じられ、駄作の雰囲気があった。なにしろ冒頭から子供が不治の病を理由に「身代わり」が“最適だ”と言ってしまう設定は、いかにも現実離れしている。どう考えても不妊あるいは妊娠許可のない夫婦を選ぶべきだろう。それじゃ映画にならなかったのかもしれないけれど。食べ物を詰まらせるシーンもあんな設計するとは思えないとか、終盤にさしかかっても、あんな水没した地域で人が働いていたり、“商品”が置かれているというところに興ざめしてしまっていた。そして、この話をどうまとめていくんだろうと思っていたその先の展開が、意外によかった。ご都合主義な展開ではあるのだけれど、親を慕う子供の夢をかなえたという、悲しいハッピーエンドで救われた映画だと思う。 【mohno】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-11-04 00:53:36) |
74.《ネタバレ》 ロボたちかわいそうロボたちかわいそう ノд`)こういうの弱いんだよなあ…憂鬱だ…。ラストで物凄い時間が経ってて吹きました。いったい地上ではどんな進化があったんだ!! 【えむぁっ。】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-10-25 04:29:09) |
73.《ネタバレ》 スピルバーグが頑張ろうとしているのは良く伝わったのですが、やはり「手ぬるい」「中途半端」というイメージを抱いてしまいました。やはりキューブリック自身が監督したA.I.を観てみたかったという気持ちは拭えません。 |
72.《ネタバレ》 改めてこの映画を見直したら、素晴らしいストーリーだと思う。特にラスト・シークエンス。よくよく考えてみると、この部分には生きている人間が一人として登場していないのだ。いるのはロボットとクローンだけ。一人として人類がいないのに、そこでは人類にとって最も原初的で本能的な感情、つまり母親に対する幼児の想いが成就される様を描いている。そういった意味では「市民ケーン」を連想した。またその願いが実現される助けをするのが人間でなく、人間が造った熊のロボットだというのが皮肉だ。つまり現実の世界では、その欲求は叶えられることはないという意味なのか? 【元】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-10-07 02:13:19) |
《改行表示》71.悲しすぎて本当は点数などつけたくないのですが、映画としては悪くありませんでした。ただあまりにも悲しすぎる…。 途中ミニストリーがライブやっててびっくりしましたが、全体的にやはり悲壮感漂うテーマでしたね。 熊の人形が最後までかわいくてよかったです、そしてセッ○スロボットがどんなセッ○スをするのか期待してたのですが、そこまではさすがにやらなかったみたいです(笑) 【坊主13】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-11-01 05:36:09) |
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70.ヘンリーの言っていた「愛することができるなら、憎むことだってできるはずだ」というセリフが心に残ります。ジュード・ロウの最後はもう少し長くてよかったような気も。"I am,I was"たったの四文字のセリフだけれども深く考えさせられました。あと、最後出てきたのは宇宙人じゃなくてロボットやったんやぁ・・・と二回目みて初めて気がついた 【ALEC】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-10-16 23:47:09) |
《改行表示》69.《ネタバレ》 号泣しました。 ラストシーンには賛否両論あると思いますが、私はあの終わり方でよかった。 じゃないと救いようがない。 いくら彼がロボットだからといって、人を愛するというシステムを持ってしまった以上、愛を求めるのも不思議ではない。 それに「こども」ロボットなので、「ママ」を求めるのも当然だし、最後の最後でちゃんとママに甘えることが出来てよかったねって思いました。 ハーレイくんは、ロボットの演技中一度もまばたきをしないことで「ロボットらしさ」を出していたようですが、本当にまばたきしないんですよね。 表情や行動、セリフは「人間」なのに、そういう細かいところで「ロボット」であることを表現する彼の演技力に脱帽です。 ロボットだろうが人間だろうが動物だろうが、全てのこどもに愛を。 【みさえ】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-10 12:14:05) |
68.これだけ長い作品でも三部構成になってるとそう長く感じない。正解だと思います。ですがやはりラストは終わりそうで終わらないなぁ~と思ったのでちょっとダルかった。ラストで感動してる人はそうでもないんだろうけど、俺はなんとも思わなかった。でも楽しめた。これはどうしてか?と後で考えてみると、やっぱり画で楽しんでいたのではないかと思います。出てくるボロボロのロボット達のインパクトはもちろんですが、随所に現れる映像美みたいなのが凄かった。でもこの作品を2回観たけどやっぱり感動のしようがなかった。何故だろう。 【フージー】さん 7点(2005-01-21 23:58:18) |
【鈴都丸子】さん 7点(2005-01-16 18:12:16) |
66.どこが良いのかと問われると困る。監督が何が言いたいのか分からない。しかし、私は映画監督の説教を聞きたいわけではない。この映画は、女性の方には理解しがたい映画だと思う。大抵の母親は子供ができるとマザコンにしようと一生懸命だ。それに気付いていない女性に見せるには、良い点をついているのではないだろうか。 |
65.ハーレイ君が一度もまばたきをしなかった。すごいな。 【くまさん】さん 7点(2005-01-12 23:45:19) |
64.《ネタバレ》 最後が微妙だ、とか話の流れがいまいち、という人が多かったけれど、これはそういう表面的なものよりも、撮影をしていない、いわゆる映像に出てきていないデヴィッドや母親の感情なりやりとりなりを、私たちに考えさせるために作っているのだと思う。この作品をいいという人は決して多くはないけれど、いろんな人が見て、この映画についていろいろ論じてから、やっと真のA.I.が見えてくるのでは?だから最後も意味深なところで終わっているし、こんなにも多くの人が見続けているのだと思う。勝手な解釈だけど・・・ 【トナカイ】さん 7点(2004-07-01 14:01:00) |
63.これは泣いてしまいました。でもラストで冷めちゃった。あの終わり方はちょっと・・・ってのはあるけど、泣ける映画ってやっぱいいよ。 【rainbow】さん 7点(2004-07-01 11:29:34) |
62.《ネタバレ》 直感的に、これは神の沈黙を扱った映画だ!と思った。スピルバーグは意識してるかどうか知らないけれど、水底に沈んだコニーアイランドの張りぼての青い妖精は、人間がどんなに救いを求めても永遠に沈黙し続ける神のメタファーになってる。少年ロボットのハーレイ・オスメントは、愛に突き動かされて、人類が死に絶えた後まで張りぼての妖精に祈り続ける。でも、答えは返ってこない。で、まあ、このテーマで神を簡単に出すと拍子抜けだから、当然、ストーリーを終わらせるのが困難になる。スピルバーグも、最後は苦しまぎれに異星人でケリをつけた。うーむ、まあ、手練れの監督でもデウス・エクス・マキーナに頼るしかなかった、と。それから、昇天するジュード・ロウの哀切な映像も、キリスト教世界の図像の一つと思う。その他随所にキリスト教の暗喩がひそんでいる感じ。愛されたい!どうしたらいいの!という切実なメッセージは残るけれど、この仕掛けじゃあなかなか伝わりにくいなあ。 【哲学者】さん 7点(2004-06-26 02:35:32) (良:2票) |
《改行表示》61.《ネタバレ》 やはり元はキューブリックの作品だからだろうか。とても独創的な描写がいくつもうかがうことができた。はっきり言って「うわ、なにこれ?」って言ってしまいそうなシーンがいくつもある。でもそこで表現したい気味の悪さ、そういうのが本当に表現したいものが今回改めて観たときにはよく見えた気がする。それに最初の方でのデイビット(ハーレイ・ジョエル・オスメント)が食卓でいきなり笑うシーンとかも同様の気持ち悪さがある。オレはというと、仮に理解が出来たとしてもそういった表現の仕方に共感できる方じゃないので、あまり気持ちよくは観れなかった。でも前述のように、独創的で、いい悪いにかかわらず印象に残ったシーンがいくつもある。人工知能を持っているがあくまでそれは機械の子供。そういったところが絶妙に表されている。演技そのものに関して言うなら、ハーレイはちょっと演技が大人っぽすぎる。もうちょっと子供らしく演技すればいいのに、やりすぎな感がしないでもない。映像の技術にも驚かされた。一番驚嘆したのはジョー(ジュード・ロウ)と一緒にヘリでマンハッタンへ来た時の、下半分沈んだビル郡の映像。 設定としてなかなかなっとくいかなかったのが、デイビットが海中でブルー・フェアリーに願い事をしながら2000年が経った後に全人類が死に絶えていた事。そんなに簡単に人間は滅びないよ。少なくとも2000年程度じゃ。それに2000年も経った後のわりにはデイビットとテディの劣化具合が少なすぎる。ほうれん草で壊れる程度の強度の機械なら2000年も経てばもう原型を留めていないと思うんだが。 と、ここまで批判してるのになんでだろう。けっこういい作品と思えてしまう。何回も見たい類のものでないことは確かだが。観るたびに色んなシーンに嫌悪感を覚えるので。そうはいってもキューブリックの独創性には舌を巻きます。もうその奇抜なアイデアが見れないかと思うとさすがに残念ですね。 【TANTO】さん 7点(2004-05-12 03:08:49) |