1.《ネタバレ》 原作未読なので比較できませんが、映画として見て割と面白かったと思います。
見た目も人当りも良くて、優しくて押しに弱くて流されやすい大伴。
浮気しながら妻も好きだし愛の形が違うとか臆面もなく言える。
多分何でもそつなくこなせて、人から好意を持たれるのが当然だと思って生きてきたんだろうな。
優しいというより心が無くて中身空っぽそう。
こんな人好きになったら地獄だなぁ、と思いながら見てた導入部分。
そんな地獄にどっぷりハマってる人がいましたよ。
大学の後輩今ケ瀬。
大伴の元カノに「粘着質なゲイ」って言われるほど、大伴にハマってしまって、もう気の毒なくらい。
ドストレートに気持ちをぶつけてくる今ケ瀬に、段々空っぽな心が埋められていく大伴。
それにしても、クズってわかってても、どんな酷い仕打ちを受けても、好きになっちゃったらどうしようもないんですよね。
頭では理解してるけど、どうにもならない。だって好きなんだから。
そんな今ケ瀬がいじらしいし、可愛そう。
でも、もし1ミリも彼に好意を感じてなければ怖い、勘弁してほしいほどの情熱。
二人の関係性や気持ちの揺れ動きが、主に成田凌の熱演によって伝わってきます。
大倉さんの演技は初めて見ましたが、ベッドシーンも多く、ジャニーズでもここまでやっていいんだとそっちに驚きました。
演技に関しては、心境の変化や今ケ瀬への愛しさがいまいちわかりにくかったです。
でもビジュアルや雰囲気は大伴役に合ってたと思います。
ラストは原作と違うようですが、これはこれで良かったです。
今ケ瀬が捨てていった灰皿を綺麗に洗ってテーブルに置いて、いつか彼が戻ってくるのを信じて待つと決めた大伴の、清々しく満足そうな姿。
今ケ瀬は、別の男に身を任せながら、途中で号泣。
だからきっと、今ケ瀬は帰ってくるし、人の気持ちがわかるようになった大伴と、二人で暮らしていけるんじゃないかなと思えました。
BLぽいけど、性別関係なく、人を好きになるってどういうことか、恋愛も含め人との関係性を自分に問い直せる作品だと思います。