《改行表示》13.《ネタバレ》 カーク・ダグラスなので3人の処刑回避とアドルフ・マンジューをぶちのめすのを期待したけれど、そんな安い話ではありませんでした。観るに堪えない将軍二人の言動は絵空事であって欲しいと心底願うのですが、実話であって1975年迄フランスでは上映禁止だったそうで。ドン引きです。短い尺に収めきった不条理な人間模様、生死紙一重の突撃模様。当時29歳スタンリー・キューブリックの仕事ぶりに脱帽です。 そして彼に活躍の場を与えたカーク・ダグラスにも感心するところです。 |
12.《ネタバレ》 こんな士官の元で兵隊やらされて、無駄に殺されて、生き残ったら理不尽にも軍法会議にかけられて銃殺。やってらんねーよ!こういうリスクが戦争にはあるわけで、むしろ戦闘よりも恐ろしいのかもしれません。インパール作戦みたいな無残な戦闘に参加させられたら…日本軍は補給を重視していなかったようですから、処刑前にごちそうなんて食べられなかっただろうし、本当に怖い。…という感想を持ったわけですけど、キューブリックが本当に伝えたかったメッセージは少女の歌声に涙を流す兵士たちの姿を通して語られているのでしょうね。作中のようなむごたらしい出来事があって、士気が下がっている兵士たち。暴力的な欲望に駆られ、舞台上の少女に対し獣のような視線をぶつける。でも、少女が泣きながらドイツ語で歌を歌い出すと、言葉の意味はわからなくてもなぜか泣けてくる。「軍隊にいる奴はろくでなしばっかりだ!」という物語の最後にこのシーンがあることの意味は大きいと思います。つまり、兵士は全員兵士として生まれてきたわけじゃない。一般人だったんです。処刑される前に「もう二度と妻に会えない」とむせび泣いていた髭面の兵士も、部下を見殺しにして目撃者を抹殺しようとしたクズも、普通の人間なんです。だから、クズは自らが処刑に立ち会うことをためらった。この映画は決して反戦映画ではありません。 【カニばさみ】さん [レーザーディスク(字幕)] 7点(2015-04-21 20:17:37) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 選ばれた三人の処遇を予定調和の中に置かない。今となっては何も珍しくもないが、無表情ながら若干の狂気も垣間見せるK・ダグラスの演技と共にしびれた。 |
《改行表示》10.《ネタバレ》 軍隊という理不尽組織の真髄を見せられるなあ。あの3人の敵前逃亡罪による処刑はもろに見せしめ。クジで選ばれるとか、もう戦時の狂気の極み。さらに見せしめだと軍にいる全員が解っているのがオソロシイというか、救いが無いというか。 で、カーク・ダグラス大佐はその処刑役に、小隊の隊長を指名するわけだ。同胞を殺して逃げ出し、頬かむりをしている奴に。まあ仕返しというか、罰ですよねこれは。しかし大佐のこの意地悪など可愛いもの。まさか大佐も三人を救うべく自分の流した情報が、将軍自らの弾除けに使われるとは夢にも思ってなかっただろうな。カーク・ダグラスのびっくり顔ったら。 狸将軍の上に大狸アリ。温厚そうな外見は百戦錬磨の狸の為せる業ということか。 フランスの地だけあって軍が接収した建物が瀟洒で美しい。優美な曲線の中で行われる軍法会議。このミスマッチな画面、強烈な印象を残します。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-05 00:07:59) |
9.《ネタバレ》 runtimeが短いのによくまとめたなぁ。キューブリック映画らしい異様な雰囲気のモノクロ映像と鋭い心理を突いた脚本。戦争を皮肉った反戦映画でなんとまぁ、ムカつく上層部で(笑)カーク・ダグラスのポーカーフェイス的な顔が何とも言えず、反抗すれば死が待つという戦争を皮肉ったストーリーは見事。ラスト5分の酒場のシーンはその象徴的なシーンですね、心に響きすぎてなんか複雑な気分になりました。 |
《改行表示》8.《ネタバレ》 重々しい処刑シーンがきつかったです。そりゃ何で俺がと思うでしょう。 歌のシーンはしんみりきますが、キューブリック監督こういうシーンも入れるんですね。何か意外だった。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-04-19 23:39:26) |
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7.3回目の鑑賞?(2007/5月)。高校時代に観た時の印象はむなしい突撃の恐怖と怒りだった。今観ても同じだ。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-09-03 18:57:18) |
6.5%が味方の放火で死ぬ。最後の仕事に残るのが65%。そのうちの25%がアリ塚を取る。人の命をまるでテレビゲームをやってるかのような感覚に思っていることに衝撃。戦争の不条理さを描いた、素晴らしい反戦映画。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-03-06 22:12:16) |
5.戦場の酷さがよく伝わってきた。でもこれでも、第二次大戦や現代に比べると戦闘のやり方がどこか牧歌的なわけで、現在も世界各地で戦争が行われているという現実がつくづく残念。 キューブリックはこういう正攻法の撮り方ができる人なんですね。若い頃のピカソは精緻なデッサンを多数していたけど、それと通じるのかな。 【じゃん++】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-06-11 17:05:24) |
4.キューブリックの作品はほとんど観賞していますが、確かにみなさんがレビューされているように人間らしさを描いたキューブリックにしては珍しい作品のような気がしますね。短い作品ながらしっかりと心の中に伝わってくるなかなか良い作品でした。 【MINI1000】さん [地上波(字幕)] 7点(2006-07-08 23:17:17) |
【ボバン】さん 7点(2004-01-28 00:15:13) |
2.この映画、キューブリックの(せっかくの)毒気をカーク・ダグラスらしさが消しているようでやや残念でもあるが、決してベタなヒロイズムや浅はかな感動モノになっていない。その独特のカメラワークと冷ややかな視点はこの頃から異彩を放っている。軍法裁判のシーンでは怒りで体が震えた。 【poppo】さん 7点(2003-06-08 12:51:32) |
1.前半の戦闘シーンはすごい迫力でした。戦争の負の面を徹底的にリアルに描くところは『フルメタル・ジャケット』にも通じるところがあると思います。しかしマイケル・ダグラスは本当にお父さんとよく似てますね。 【マーチェンカ】さん 7点(2002-03-30 18:08:19) |