1.《ネタバレ》 敵陣から距離離れて戦う塹壕戦という形態上、敵陣であるドイツ兵の姿は最初映らない。だが、そのせめぎ合いの末に記録フィルムに登場してくるドイツ兵の姿とは、丸腰でまるで狂気さなど感じえないただの人間で、英軍に捕まり捕虜となり捉えられた身分であるというのに、まるで普通の青年たちの表情であり姿であり、武器を手に持たない人間、または武器を降ろした英軍とが交わるショットのほがらかさに何と言おうか、やはり人間、お互いに殺意を抱く相手でなくなった時、面と向かって会話を交わせれば、お互いに真人間同士に戻れるんだなという思いがいたしました。
驚いた事としましては、自軍の負傷者たちを自軍の手当所まで運ぶ際、捕虜となったドイツ兵を使い運ばせていたことでした。
ピーター・ジャクソンの作品歴を追ってみますと、ブレインデッドとかロード・オブ・ザとかキングコングとか、うわ すげーなと思わされる事しきりなんですが、それで今回、亡き先祖たちを偲んでという意味合いも含めて第一次世界大戦時の記録フィルムに色付けして味付けして意味付けして公開なされた訳であるんでしょうが、いっそ出来る事ならこの手法で構いませんから、第二次世界大戦の様子なんぞ(あちら側から見た日本人兵の様子等)も再現していただけないかな等と、ちょいと夢見てみたりなんぞしてみました。お忙しいことでしょうが、よろしくお願いいたしますなどと言ってみたくなりました。