14.観ている間、まるで鈍器でアタマを殴られ続けるような感じにさせてくれる映画。
ヘンリーだけでなく観客にとっても正に悪夢と言ってもよいかもしれない。
あまりに耐えられない悪夢なので、自分の妄想のなかで自分のアタマを消しゴムにして粉々に吹き飛ばしてみたくなる衝動もなんとか分からんでもな。
悲惨なオトコの現実逃避を描いた作品なのかもしれない。
そして途中でラジエーターの女性が歌った歌がこの映画を言い表したようなものでしょうか。
頭が変になることもなく、全て上手くいき、悩みなんてない世界、それが天国。
子どもを殺して、最後は自分を天国に行かせてしまったような感じがする。
リンチ以外に作ることは出来ない正にある意味では傑作と言って良い世界観をもった映画。モノクロもいい効果が出ている
個人的には「工場で何してるんだ?」「ただの工員です。」の後に全く動かなくなったオヤジとベッド脇に盛られた土に刺さった草のようなモノが特に気に入りました。
それにしてもあの赤ん坊は作り物としてもリアル過ぎる、特にあの眼の動きは説明することは難しい。
そしてあの口や舌の動き方はなんなんだろう、切ろうとしたチキンが足をばたつかせることの比ではなく説明困難だ。