1.「見てから読むか、読んでから見るか」。フォーサイス作品に限っては、読んでから見ているせいか、映画はどうしても大味に感じてしまうんだけれど、衛星放送で久し振りに見て、どうも、公開当時、同じ頃に公開された「ワイルド・ギース」とゴチャゴチャになっていたらしいと気付いた。本作の醍醐味は、ドンパチそのものより、その下準備と駆け引きとか裏工作で、戦争っていうのは、こうして起こっていくものだというプロセスは、ちょうど今の、世界規模の戦争への駆け引きに符号するものかもしれない。クリストファー・ウォーケンの突き放したようなシニカルさは、シャノンのイメージを際立たせている。最後の、「買い戻せ」って冷たく言い放つところは、好きだなぁ。