《改行表示》17.《ネタバレ》 唯一無二の世界観に初っ端から引き込まれる。 のどかでノスタルジックで、しかし独裁政治と内戦が影を落とす時代。 純粋無垢なアナが次第に闇を覗き込んでいくさまに見入ってしまう。 脱走兵の血痕から現実の死を実感してしまう描写といい、 少しずつ大人になっていく歪な通過儀礼に、 子供の頃の過去を追体験している錯覚に陥る。 |
《改行表示》16.《ネタバレ》 映画館で子供達が「フランケンシュタイン」を観るシーン。普通子供ならば、フランケンシュタインの姿に恐怖する事が想像できる。 しかし、この映画においての子供達の映画を観る眼差しは真剣である。そして、アナはイザベルに何故フランケンシュタインは少女を殺し、自死を遂げたのか尋ねる。 フランケンシュタインとは自らの実存を問い苦悩する存在であり、そんな彼にアナは恐怖ではなく本能的に思いを馳せ、境遇に共感をしていたのではないか。 小さな子供ですら、無意識のうちに実存を問わなければならない状況。子供が子供として生きられない世界。 それが置かれている状況を全て物語っている。 そして作品全編にまとわり続ける、死の匂い。日常と常に寄り添い続ける死。 ベッドで寝る母を執拗に捉え続ける長回しは、愛の不在と疲弊も映している。 戦場ではなく、日常を淡々と映すことで状況の異常性を映像で語り、何も語らない子供の目線は他の何よりも多くを語り身に迫る。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-06-30 18:45:07) |
《改行表示》15.確かに良い映画らしく流れているが、幼子の純粋な心の中と大人たちの詩作との融合において 映画の脚本が作りきれていないのか、観た人にゆだねるのか。観たときは、なるほどとも 思うが、5年後心に残るものがあるだろうか疑問だ。 【cogito】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-11-15 23:34:12) |
14.映像・音楽・演出と、すっごい静かで綺麗な雰囲気が出ていますね。全てが奇跡的に撮れたんだろうなぁ・・。全編動く絵画を観ているかのよう・・。主人公アナの瞳もとても澄んでいて吸い込まれそう。まだ現実と空想の区別が曖昧な年頃の女の子を、子供の視点から見た世界で見事に描き切り、素晴らしいです。 【けんおう】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2013-12-24 13:46:41) |
《改行表示》13.いや~、笑っちゃうほど70年代ですね。フィルムの質感とか(予算がなくていいものが使えなかったのかも)。室内で照明を使わず、できるだけ自然光で撮っているところとか。セリフを抑えて妙に難解なところとか。以前から名前を出している、佐々木昭一郎のドラマに通じるところがあります。当時はこういう撮り方がイケてたんですね。 まあいろいろと論じられているようですが、フィルムを見ているだけで引き込まれますし、難解(意味不明)であっても、こちらを引きつける力を持った映画だと思います。とりあえずは、それだけでも十分でしょうか。 映像で語っているものに対し、言葉で(後付けの)説明をする。ましてや言葉を重ねてダラダラと書き連ねるのが、なんだかみっともなく思えてきます。そういうものに点数をつけるのもどうかと思いますが、一応無難な点で。 言語化も数値化もできないものを持っているということでは、すぐれた「映画」作品でしょう。好き嫌いはまた別の話ですが(私はまったく好きになれません)。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-30 11:00:15) |
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【Michael.K】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-01-23 23:35:23) |
10.自分は、幼いときは些細なことを疑問に思ったり、些細なことに悲しくなったり感傷的になったりすることがあった。しかし次第に忙しくなったり、大人ぶってすれたりしてこういう感覚は疎まれ失われていってしまう。これは姉との関係に示されているように思う。淡々としてるけど、淋しいような切ないような気持ちが映画につまってて心に残った。 【こまごま】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-25 17:22:04) |
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9.観る人を選ぶ映画のひとつ。とはいえ、DVDのパッケージを手に取った時点でその人はこの作品を見る資格あり、と思う。私は映画館で「マルメロの陽光」と2本立てで観ましたが、こっちの方が好きです。フランケンシュタインも幻想的で美しく哀しくて○。 |
8.映像が綺麗で、2人の子供がとても良かった。個人的にはアナが1人で小屋に歩いていくシーンが好き。私も小さい頃はあのくらい純粋だったのかな。 【アンナ】さん 7点(2004-08-08 16:56:28) |
7.田舎の風景をどこまでも美しくとりあげるエリセ監督に感服です。謎の家と井戸のシーンが凄くいい!さらさらと流れる小川のような印象の映画です☆そしてなんと言っても、、アナが可愛い!! 【kaneko】さん 7点(2004-05-17 22:32:04) |
6.《ネタバレ》 この映画最大の悪者は誰かって? そりゃもう、内戦で疲れ果てた時期の敬虔なカトリックの村に『フランケンシュタイン』なんか持ち込んだバカ興行師だよ。おかげでアナが、人間の闇ばかりを見つめるようになっちまったじゃねーか。心の闇(死への憧憬)、社会の闇(パルチザンへの憧憬)、自然の闇(毒キノコへの憧憬)。アナにとっては全部「フランケンシュタインのモンスター」って意味で同じモノなんだな。そしてそれが渾然一体となって現れる、深夜の森でのモンスターとの交流。弱い少女だったはずのアナが、実は(パルチザン兵士を死に追いやった時点で)マリーを川へ投げ込んだモンスターと同じだったと気付く時の衝撃。「無垢な心に悪は芽生えるか?」というカトリック的なテーマに、ここまで美しく、とことんネガティブな回答を出した芸術もないだろう(キリスト教圏では)。そう。悪は芽生えてしまったのだ。そして観客の誰もが無邪気だった子供時代を振り返り、いつの間にか行動の善悪をコントロールできるようになった自分に気付くわけだ。善悪を知る。それが大人になると言う事の、宗教的な意味なんだろう。映画は、アナが成長する前で終わっている。ラストショットの、重すぎる悪をダイレクトに受け止めてしまった少女の、壊れた姿は、大人たちの姿とは一線を画している。内戦で大量に垂れ流された「悪」で疲れきった大人たち。彼らに囲まれて、無垢な瞳をした次世代の悪が育っていく。そういう意味で、極めて反フランコ・反宗教色の強い終わり方だ。アナ・トレントの魅力を除外して、宗教的タブーや内戦経験の少ない日本でどこまで受けるものか…?(追記:それでも神様は許してくれる、ってのがカトリックの奥深さのような、アバウトさのような…西洋に犯罪映画の多いワケがちょっとわかったりして) 【エスねこ】さん 7点(2004-05-16 06:30:14) (良:4票) |
《改行表示》5.映像が綺麗だったのでビデオじゃなくてDVDで観たかったです。 【ばく】さん 7点(2004-02-21 01:24:49) |
《改行表示》4.キレイで芸術的で、アナの可愛らしさが際立ってる。子供の頃の気持ちを思い出させる映画。アナとイサベルの服装もかわいかった。 【drop】さん 7点(2004-02-15 13:12:47) |
3.この映画は批評等で絶賛していたので観に行った作品だ。先に批評ありきだったが、それでも今まで味わったことがない映画だったので新鮮味と爽やかさを感じた。全体に丁寧な映画だと思います。 【じふぶき】さん 7点(2003-12-17 10:46:56) |
2.この映画を見ると、子供の頃の繊細な感性を大人になるまで持ち続けていられなかった自分が悲しくなる。 【mimi】さん 7点(2003-11-14 18:54:47) |
【クロエ】さん 7点(2003-11-05 17:49:40) |