84.《ネタバレ》 題材は違えど、日本の熾烈な労働環境に通じるものがある。閉鎖的で逆らえない上下関係に、普通の人間でも特別な力を持ってしまうと誰もがこうなりうる普遍さ。ムラ社会体質の少ないドイツなら、囚人役の感情が爆発してああいう結末になったかもしれないが(それでも非現実的)、日本ならもっと酷くなっていたはずだ。ショッキングな舞台装置の割に、御都合主義と、余計なエピソード(恋人の存在、研究員への強姦未遂)が目立つため佳作止まり。外の情報は一切断ち切って、ストイックに描いて欲しかった。 |
83.《ネタバレ》 この実験最大の悪役が誰かと言えば、やはり主人公ですね。良い記事を書きたいばかりに無理矢理騒ぎを起こして事態をエスカレートさせていった責任は免れないでしょう。彼がいなければここまで騒ぎも大きくならず、現実の実験に即した結果に終わったのかもしれません。無責任な立ち位置から騒ぎを仰ぎ立てる傍観者。改めて考えてみればゴシップに群がって有名人をバッシングせずにいられない我々一般民の醜さを暗示しているのかとも思ったり。色々と考えさせられる映画です。 【kirie】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2016-03-01 23:09:57) |
《改行表示》82.《ネタバレ》 役割理論、人はある役割を与えられると、その役割に沿った行動をするようになる。これ、うろ覚えですが社会学で学んだような気がします。本作はそれが過剰に現れてしまった例ということですね。実際にあったというから凄い。 本作は社会学とか心理学とかの学問的な知識を付けてから改めて見たいところですが、とりあえず映画的な印象としては、もうちょっと役割に過剰に従うようになってしまうまでの掘り下げというか、説得力がほしかったです。これだけだと、悪ノリが度をすぎちゃった、あるいは、ある1人の応用の効かない糞真面目な人がぶっ飛んだ行動をしちゃった、というだけに思えてしまう。もし普通の人だったら自制心が働いてもっと合理的な選択をするんじゃないか、と思えてしまうので、逆に、自制心・合理性という大きな壁を突破してしまうキーとなるのはどういうものなのか、心理的に本作のようにならざるを得ないのはどういう理由からか、具体的にどういう行動が起因してそうなるのか、どういった条件が必要なのか、といったところを、説明的になってしまってもいいので強めに描いてほしかったです。 【53羽の孔雀】さん [DVD(字幕)] 7点(2015-11-04 01:59:13) |
【noji】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-03-29 21:47:12) |
80.いろいろ考えされられたので観てよかったが二度と観たくない。 【la_spagna】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-10-01 22:19:38) |
《改行表示》79.《ネタバレ》 私がドイツ映画に詳しくないからかも知れませんが、知っている俳優が皆無だったのが良かった。見ている間は当時者になりきり没頭することで人間の残酷な内面を見せられた気がします。やっぱり知っている俳優が出ているとどうしても「あの○○という俳優が大変な目に遭っている」と思っちゃって完全に感情移入できないんですよね。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-11-10 21:59:12) |
《改行表示》78.《ネタバレ》 実際に行なわれた心理学の実験を元にしているだけに、人間の心理がよくわかる。 映画では実験結果が誇張脚色されているが、戦争、権力者による弾圧、虐待、イジメなども原理は同じだろう。 ごく普通の人間が置かれた状況次第で簡単に狂気に走る。 しかも狂気だということを自覚していないので始末が悪い。 性悪説をとりたくなるような人間の負の部分が強調されるので、後味はきわめて悪い。 ワキガやアレルギーなど一番デリケートな部分に触れることで対立する立場の相手にダメージを与える。 屈辱を受けたほうは更なる屈辱を与えて報復することで、どんどんエスカレートしていく様子がリアル。 客観的にみれば虐待でも、当人は秩序の維持などを理由に自己正当化するので罪の意識は起きず抑制がきかない。 集団心理も自浄機能をマヒさせている。 例え良心の呵責に目覚めて異を唱えるものが出てきても、それは裏切り行為として糾弾されてしまう。 コントロール下に収めていると信じていた教授たちでさえ暴走は止められず、思い上がりに過ぎないことが露見した。 主人公の新聞記者が記事のためにあえて緊張状態を作り出したことも騒ぎの沈静化を妨げた。 こうしたメカニズムは、確かに貴重な研究材料となりうるのだろう。 心理学に興味があるなら、見て損はない。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-06-08 00:12:25) (良:2票) |
77.《ネタバレ》 インシテミルのレビューアーの投稿を観て、鑑賞。 面白い。これは面白いよ。 主人公のバカ騒ぎは思慮が無さ過ぎるという感もあるが、人間性が出て怖いねぇ。カルトってこんな空間で、道徳やら常識が湾曲していくんだろうなと思いました。 【トメ吉】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-11-15 09:56:12) |
76.《ネタバレ》 この監督さんはやっぱりうまい、物凄く面白かったです。抑圧シーンのイヤ~な空気や、逆襲に転じる場面のカタルシスなど観客の心を揺さぶることにはことごとく成功していて、かなり見応えのある作品でした。ワキガをバカにされたことから地味で陰気な男ベルスの心にスイッチが入り、最初は穏やかだった他の看守役達もそれにつられて暴力的になっていくという過程には妙に説得力があって、人間心理の一端をうまく映像化できていると思いました。本作の前半部分はスタンフォード監獄実験において観察された結果をうまく拾ってきているようで、囚人役に消火剤を浴びせたり、素手でトイレ掃除をさせるといった行為は現実に発生したようです。さらには、辞退を申し出た被験者の離脱を許可しなかったり、禁止事項であるはずの暴力行為が発生するに至っても被験者の安全より研究対象への関心を優先して実験を中止しなかったなど、教授側のマッドな行為も事実に基づくようです。看守役の被験者もさることながら、実験場という閉鎖空間において神の如き権力を持つ教授もまた、その疑似的な権力によって公正な判断力を失ってしまったようです。後半に入ると映画独自の展開を辿りはじめるのですが、ここから本作の評価は難しくなります。状況がより逼迫することで映画としては俄然面白さを増すのですが、これが実際の実験によるものではなくフィクションの物語であることから、「人間はここまで怖くなるんですよ」という恐怖感に歯止めをかける結果となっています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2011-05-17 21:24:00) |
75.《ネタバレ》 観終わってからの後味の悪さは『ミスト』に匹敵しました、いやー久々に地雷を踏んじゃった。アメリカのけっこう有名な実話をもとにしているそうですが、ドイツ人の監督がドイツに舞台を変えて映像化していることに意義があると思います。なんせドイツ人は合法的な選挙でナチスを政権につけ国民投票でヒトラーが独裁者になることを認めたイタイ歴史を持っているので、この実験はドイツ人の国民性に対する痛烈な批判にもなっているわけです(もちろん、実験の結果自体は誰にも起こり得る普遍性を持っていますが)。強制収容所の看守でまだ生き残っている人やその子や孫がいるドイツで良く上映出来たものだと感心しますよ。 脚本上の粗が目立つのも事実ですが、あえて実験の失敗をエスカレートさせて死者まで出てしまう結末に持ってゆくラストの展開には息を飲まされました。私には海辺で静かに過ごすふたりを映したラストシーンは、ささくれ立った鑑賞者の神経をケアするのに必要だったと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-11 22:09:05) |
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74.《ネタバレ》 人間の狂気が見えますね~。終始どうなっていくんだという変化が面白かったです。おふざけが好きそうな人選がよくなかったんじゃないかな。日本人でやったら問題なくやれそうだ。 【とむ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-04 14:56:00) |
73.プロレスごっこでじゃれてるうちに結局喧嘩になってしまうパターンの ごっつい版 【くまさん】さん [インターネット(字幕)] 7点(2010-06-02 07:11:46) (笑:1票) |
《改行表示》72.衝撃はあるんだけど、とにかく後味が悪い。普通の人間に潜む闇を描いているから。あまりに後味悪いんで、鑑賞後に、実際の「スタンフォード大の監獄実験」をいろいろと検索してしまったほど。でも、物語の途中までは実際とさほど変わらないとわかり、益々気分悪くなった。 ところで、最初に「暴力はないから大丈夫」と説明し、実験開始直前に「基本的人権は保障されないけどいい?」っていうのはズルくてうまいなあ、と思った。さらっと流してるけど、「本物の刑務所じゃこんなことねーよ」と反論できなくしてる。 それから、恋人とのエピソードはまったくムダなんだけど、あれがなかったら見てるの辛すぎるし、しょうがないのかも。 この映画、もう一度見たいとは思わないだろうし、あまり人に薦めたくないから7点にしとくけど、9点級の迫力はある。 【まかだ】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-05-04 18:07:57) |
71.もはやホラーよりも恐怖。どえらい問題提起がある。出来は相当良いが心情的に良い点を与えることには非常に抵抗感がある。見た後食欲なくなったし気分悪くなったんで。人には好んで勧められんし。だからマイナス2点で7点。R指定は当然と言えるな。自分も囚人側に立って心ダウンしてしまうし、逆に自分の中にある看守側のダークサイドも完全に否定できないこともある。ドイツが制作ということはやっぱり意識した。しかし、看守側の悪役側はいかにもの顔相だったんでそこまでしなくてもとは思った。 【タッチッチ】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-04-18 13:10:50) |
70.《ネタバレ》 ほんの軽~い気持ちで見始めたのだがグイグイ引きこまれてしまい見終わった後は興奮して寝付けず翌日寝不足になった(汗)この話は以前本でちらっと読んで知っていたが映像で体感すると本当に身震いする。人間は与えられた立場に沿った人格になっていくと言う。一般の会社でも肩書きを与えられると自ずと仕事振りや性格が変化するそうだ。それにしても刑務所内の虐待の描写はアメリカのテロ容疑者に対するそれを連想させる。人間は底知れぬ恐ろしさを秘めている生き物だとつくづく感じた。 【イサオマン】さん [インターネット(字幕)] 7点(2010-02-28 22:34:51) (良:1票) |
69.人間の怖さを見ることができる映画です。幽霊より心霊より、人間が一番怖い。 【lalala】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-29 12:43:51) |
68.抑圧された人間の心理状態の描写が非常にうまかったです。 【アフロ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-09-02 01:23:40) |
67.《ネタバレ》 物凄い緊張感に引きこまれました!人の心理って怖いです。権力を持つと人間変わってしまいます。主人公の彼女!?は登場人物として必要?この子だけ何か違和感がありました。 【じょーー】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-01-24 21:25:34) |
66.特殊な状況下における、加虐心むき出しの人間は怖い!監視員のあの、劣等感ゆえに歪みまくった精神が気持ち悪い。ノンフィクションって売りすぎたような気もしますが、面白かったです。高校の夏休みに見たと思いますが、見終わった後は呆然でしたねー 【まりんこ】さん [地上波(吹替)] 7点(2008-12-14 23:51:09) |
65.《ネタバレ》 恋人…不要。教授…アホ、無責任。途中チ○コ丸出しで囚人走ってたり、恋人は不法侵入のあげく置き物で妄想し自慰行為しそうになるし…あと、一番の疑問は4000マルクって日本円でいくら? 【N.Y.L.L】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2008-10-24 00:35:42) |