11.《ネタバレ》 『うわー、本当に見えていたのかー。』というのが率直な感想。
主観を『父親』にするか、『子供』にするかで、こんなにも映画のテイストって変わるものかと思いましたね。
もし父親主観であれば、『神の啓示を受けたダークヒーローもの』っぽくなったのかもしれません。
その場合、子供に殺されるシーンは悲劇として演出され、その後を継ぐアダムが最終的なダーク・ヒーローに。そして暗黒面に落ちた兄フェントンと最終決戦ですね。
ですが、フェントンを主人公に据え置いたことで、作品は完全なるホラー・サスペンスへ。
そりゃあ父親がいきなり『神』だ『使命』だ『悪魔』だと言い始めて、人を殺し始めたら、ホラー以外の何者でもありません。
よくできてるなー。
視点を変えることで、ジャンルも変わる。大変よくできています。
ただ設定にかなり曖昧ですっきりしない部分がありますね。
例えば、『自分の欲望のために人を殺したことがある』という人たちが悪魔としてリストアップされる。
それはいいのですが、まだ誰も殺していないフェントンまでもリストアップされるってのは、どうなんでしょ。
ラストの『神の手』の犯人は結局誰なのか。どちらがフェントンでアダムなのか。若干混乱した部分がありましたが、どうやらフェントンが『神の手』の犯人。アダムが『殺した』いや、『滅ぼした』のは、悪魔になったフェントンと母親殺しの刑事だけのようですね。
そのあたり、もう少しわかりやすくしてほしいものです。