《改行表示》14.《ネタバレ》 巻き込まれ系サスペンスで、女同士の奇妙な友情を描いた怪作。 男優陣では大森南朋、香川照之がいい味を出している。 女優陣では妖艶な原田美枝子に、円熟の倍賞美津子、まだ若くて綺麗な西田尚美、鬱陶しいおばちゃんキャラの室井滋と粒が揃っている。 最後は破滅的逃避行の形で終わるが、私は結構楽しめた。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 7点(2022-12-29 13:14:13) |
《改行表示》13.《ネタバレ》 (2002年、劇場での鑑賞時のレビュー) 桐野夏生の小説「ターン」を平山秀幸が映画化。「弁当工場で働くパート女性たちがバラバラ殺人に加担する」というオドロオドロしいプロットですが、不思議と後味の良い作品でした。思えば平山監督の過去作「愛を乞うひと」も、「児童虐待」という暗澹たるテーマながら、観終わった後は不思議と爽やかさの残る作 品でした。平山監督は、重いテーマを描いてもどこかに希望を残しておきたい人なのかもしれませんね。 だいたい、風呂場で主婦らが死体を包丁でバラバラにしてしまうのだから、正視に堪えるものではありません。首を断ち切られた死体が転がっていたり、バラバラにした手や足をポリ袋に包んでダンボールに 詰めてたりするのだから、凶悪そのものです。それなのについニヤニヤとして観てしまう。 凶悪犯罪を犯しているはずの主婦たちがあまりに平凡で、そのうろたえっぷりが可笑しいんです。また、慣れてきた主婦たちが機械的に、まるで弁当屋での仕事のように手際よく死体のパーツをダンボールに詰めていく「作業」をしながら談笑するさまが、どこかズレていて可笑しいんですね。 そんな可笑しさを支えているのが、主婦たちを演じた原田美枝子や倍賞美津子、室井滋といった芸達者な女優たち。なかでも原田美枝子はさすがでした。誰もが認める大女優ですが、やはりこの人の演技力はずば抜けています。 意外だったのが、香川照之。竹中直人ばりの迫力演技では存在感がある役者だとは思っていましたが、さほど幅のある演技ができる役者というイメージはなかったので、この作品での抑えた演技での存在感には驚かされました。要注目の役者ですね。 重いテーマを娯楽作として描きながら、上質の人生賛歌に仕立て上げる平山監督には拍手を送りたいところです。そして、原田美枝子と倍賞美津子の水着姿には、10点満点をあげたい。 【りょうち】さん [映画館(邦画)] 7点(2021-02-02 01:05:34) |
12.《ネタバレ》 偶然つけていたテレビで桐野夏生のインタビューが放送されていて、見ていると本作の映像も流れ、懐かしくなって初見以来久しぶりの再見。弁当工場で働くそれぞれに問題を抱えた4人のパート主婦たちが一人が起こした殺人事件をきっかけに社会から脱していくさまを描いていて普通なら重くなりそうなテーマだが、それをどこかあっけらかんと見せていて、とくに前半の見せ場である弥生(西田尚美)の夫(大森南朋)の死体を弥生を除いた三人で解体するシーンなどはやっていることは確かに凶悪犯罪そのものなのだけど、おどろおどろしさよりも死体解体に臨む主婦たちの平凡さとうろたえぶりがどこか笑いを誘い、演出の軽さもあって脱力してつい笑ってしまう。(それ以前の弥生の家にかけつけた雅子(原田美枝子)が弥生の夫の死体を見たときのリアクションもどこか軽かったのでこの時点からすでに笑ってしまっていたのだが。)死体処理の仕事を受けよった雅子たちが最初と違って手際よくことを進めていくのも見ていてつい笑ってしまうのだが、劇中で言及もされているように弁当工場のパート主婦という設定はここで活きていて、このための設定だったと分かる仕組みになっている。確かに後半はやや失速した気がしないでもないし、雅子とベテランパート仲間であるヨシエ(倍賞美津子)との友情話が始まるのは唐突に感じる部分ではあったが、この雅子とヨシエの話もうまく描かれていてそこまで悪くはなかった。カラオケで「人生いろいろ」を歌うシーンが初めて見た時から印象に残っているが、今見てもやはりこのシーンはとても秀逸で、本作の中でいちばんの名シーンだと思う。欲を言えば雅子の家族の背景が描かれておらず、口を利かない息子や万引きしてしまう夫(小木茂光)の存在が中途半端に感じてしまったのはちょっと残念だったかも。(このあたりはたぶん原作を読めばいいんだろうなぁ。)佐竹を演じる間寛平の悪役演技は彼の普段のテレビでのイメージから賛否両論みたいだけど、個人的には普通になんの抵抗もなく見れたし、役者として普通に上手いと思った。希望のある終わり方で見終わった後の後味が良いのも個人的には好きだ。(2022年7月4日更新) 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2005-04-20 21:03:07) |
11.3分の2くらいまでは、笑いもあって面白い。後半は、原田美枝子の魅力ですか。気持ち的には、町金の人と同じ気持ちに、私はなってました。 【オドリー南の島】さん 7点(2004-11-14 09:30:16) |
10.西田尚美が出てるからという理由だけで観たけどおもしろかった。ちょっとせつない感が好き。 |
《改行表示》9.原作もドラマも見ましたが映画もなかなか面白かったです。 邦子がいいキャラになって、弥生は一層図々しくなってるというアレンジもいい。 でも十文字と雅子の淡い恋が安っぽいのと、間さんの佐竹が美意識のないただの粗暴なチンピラになっているのが残念でした。それならいっそこの二人も削って女四人のクライムコメディに徹した方がベターだったかと思います。そう言えば弥生のDV旦那もカゲ薄かったなぁ。 【ひろほりとも】さん 7点(2004-10-17 21:26:35) |
8.映画を見る前は「社会問題をこれ見よがしに詰め込んだ映画」というイメージだったんだけど、実際見てみるとそうでもなかったなあ。面白かったんだけど、原作読んでみようかなぁ、どうしようかなぁ、とちょっと悩んでいる。 【ゆうろう】さん 7点(2004-02-20 00:25:41) |
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7.うーんマンダム。マンダムなマダムたちによる共演そして競演。どこか映画というよりも舞台の雰囲気をもつ作品。なんとも胡散臭いはなしではあるが、女優たちの演技に魅了され、いかがわしさもどこへやら。胡散臭さを味方につけて間寛平もなんとかぎりぎり及第点に。原作もそうなのか知らないけれど「仕事」を自宅でやるというのだけはてな。どっかマンション借りてやれよってはなし。 【機械】さん 7点(2004-01-14 22:37:19) |
6.よく出来てる。自分は小説→ドラマ→映画の順で見たから余計にそう思うのだろう。ドラマのグダグダな三流ラストに腹を立てていたのでね(笑)原作とはテイストが違うしラストも違うものの、ちゃんと1つの作品としての解釈を打ち出していたので満足。小説原作の映画化としては成功の部類だろう。※※ここからネタバレ未見の人注意※※一緒に観た友人は車で旅立った後が長くてダラけたと言っていたが、解放の物語であるからこそあの長さが必要だったと自分は思う。爽快なラストだった。しかしカンペイはミスキャスト甚だしいな。真面目な顔で芝居されても「カイ~ノォ~」ばかりが頭をめぐって何だかもう… 【ロビン】さん 7点(2003-12-23 02:25:54) |
《改行表示》5.《ネタバレ》 女たちによるバラバラ殺人というショッキングなテーマを描き、1998年の「このミステリーがすごい!」1位に輝いた桐野夏生の小説『OUT』の映画化。 原作もドラマも未見なんですけど、なかなか面白かったです。手首がいっぱい出て来るので、食事前には見ないほうがいいと思いますけど。 主演の女優4人がそれぞれの持ち味を出していて良い感じ。中でも雅子役の原田美枝子は主演女優賞モノでしょう。弥生役の西田尚美は好きな女優さんなんですけど、この映画の中ではムチャクチャにくらしかったです(笑)。なんでそこでラマーズ法やねん!?って笑えるシーンもありました。 ラストは『テルマ&ルイーズ』みたいにするのかな?と思っていたんですけど、違いましたね。エンドロールが出てくる瞬間のシーンは印象的でした。 【ムレネコ】さん 7点(2003-11-14 20:33:53) |
《改行表示》4.《ネタバレ》 <原作は未読> のっぴきならない状況なのに、どこかのん気でユーモラス、しかもある種の爽快感すら感じる独特な内容。 変化の無い鬱屈した日常に嫌気がさしている主婦達が、死体処理という「狂気のなかで味わう非日常」に高揚感や生きがいを求めていくという部分には、自分のなかにも共感できてしまう感覚がある。 4人の女優陣も良い味を出してる。惜しいのは、寛平氏のキャラが中途半端という点。あの4人(+1)の関係を破綻させるキーパーソンとして出すなら、もう少し怜悧冷徹なキャラとして描いて欲しかった(そうすれば、いつものキャラとは違う魅力が出たはず)。 惜しい。 【FSS】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2003-09-21 02:31:33) |
3.思った以上に楽しめた。ストーリーの変更部分に関しては原作を消化した上での変更で新しいOUTを発見できた感じで良かった。寛平がいなければ8点。 【ぽぽ.net】さん 7点(2003-06-19 01:14:52) |
2.原作を読んでかなり好きだったので、きびしい味方をしてしまう気がしたけど、殺人したあとにカラオケでみんなで「人生いろいろ」を楽しく歌うシーンは良かった。こういうの好きです。 【omut】さん 7点(2003-06-17 02:02:17) |
1.ごく普通の日々の暮らしに希望もない主婦達が、ちょっとしたことから望みもしない非日常的な世界へと足を踏み入れていく。本来であれば誰もが避けるような出来事の中で彼女達の中の狂気が覚醒していく。みな日常の中で鬱々とした日々を暮らしていたが、現実離れした狂気の中で女として人間としての生きがいを感じていく。後戻りの出来ない逃避行でありながら明確な目標をもち、生きる喜びを感じている彼女達。生きがいとは何なんでしょう。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2003-05-27 01:28:45) |