21.《ネタバレ》 物書ならば、おそらく誰でも一度は考え付くであろうアイデア。でもほとんどの作家が実際に作品化しないのは、作品にしても面白くないから。寝てみる夢を他人に語ってもつまらないのと同じように、この面白さは当事者でないと理解できない範疇のもの。それに、どうしても独り善がりな表現になりがちです。そういう意味では、本作は作者の体験(脚本家の苦悩)を客観的な娯楽性を担保しながら具現化出来ていたと思われます。及第点以上。夢と現が混在しているのに、それを観客に意識させないのは高等テクニックと言えましょう。もっともその大部分をニコラスの頭髪が担っている気がしないでもありませんが。「志村、うしろ~」と同じノリで、「ケイジ、あたま~」と何度口にしたことか。ニコラス・ケイジの鳥の巣ヘアーに敬意を込めて+1点進呈。自虐的過ぎて、イマイチ笑うに笑えないのがもどかしいところ。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-01-04 17:58:53) |
20.キャスティングが豪華で、その演技演出には大満足。前半のランを絡めた話や脚本家の苦悩なんかはとても興味深くて、後半やオチに向けての期待は大いに高まったんだけど、どうにも叙情的に終わっちゃって消化不良。冒頭のやりたくないんです台詞やマッキー先生のハリウッド的脚本とはという皮肉に対してそれなりのハリウッド的オチをつけて皮肉を効かせたんだろうけど、こっちは1本の映画としてちゃんとした起承転結を期待してるわけで。それができそうな題材、キャストだけに残念!チャーリーの心情には我ながら情けないけど大いに共感できるとこが多くて、どう決着つけるに興味あったんだけど、なおざりにされちゃったなあ。マッキー先生と飲むあたりまでがよかった。前半9点後半5点、トータル7点。 【タッチッチ】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-06-22 14:40:56) |
19.脚色に苦悩する自分が自分を描いた映画がこんな映画になっちゃったという痛烈な皮肉の映画。よく作りましたね。 【とと】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-04-05 06:34:07) |
18.《ネタバレ》 ものすごくシニカルなコメディです。蘭に魅せられた男という本をいかに映画の脚本にするかというのがテーマであり、前半の主人公は生命を一本に束ねた描写をするだとか、脚本作りに苦しむ自身を描くとか言っており映画もその通り描かれます。ところが結局脚本が出来ず、後半は自身が冒頭で言っていたこういう映画にはしたくない(花をドラッグにしているとか記者と収集家の恋とか)という内容に思いっきりシフトします。そしてラストは弟にちょっといいことを言わせて死なせ、さらに昔の恋人との切ない関係や主人公が前向きに成長するという姿を描いて気持ちよく幕を閉じる、これでもかと観客へ迎合して脚本をまとめ上げましたという笑いなんですね。そしてその内容をアダプテーション(脚色であり適応)であるとタイトルづけるとは…。明らかにひねくれてますがチャーリーカウフマンの作品は変な魅力に満ち溢れています。 【5454】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-03 02:26:13) |
17.《ネタバレ》 アイデア勝負の映画ですが、アイデア自体は面白いけどそれほど珍しいものではないし、コメディとしては笑えない。それに唯一無二といえるほどはインパクトもない。でも、それでも個性的な映画ではあるし、不思議な世界観を構築してるので作中のカウフマン自身がいうようにありきたりなハリウッド映画からは脱却していると思います。ていうか、原作者のスーザンって実在人物なんですね。映画は虚構ですが、あんなふうな描き方をするなんて…やっぱりぶっ飛んでるかな。 |
16.《ネタバレ》 「マルコヴィッチの穴」はあまりピンとは来ませんでしたが、こっちはなかなか楽しめました。マッキー先生のシナリオ講義や、「マルコヴィッチ~」の撮影シーン、実在するカウフマンや原作者、これらのどこからが脚色でどこまでが現実なのか?観終わった後でそれを考えてみるのもまた一興です。ラストでしんみり感動してしまうのはある意味カウフマンが嫌う「ハリウッド的」な演出なんだろうけど、こういう締め方が大好きな私にとっては大いに結構!最後に余談を。クリス・クーパーは好きな俳優さんなんですが、この役で助演男優賞受賞はちょっと複雑な気分です(苦笑)。 【ライヒマン】さん 7点(2005-03-29 14:46:11) |
15.《ネタバレ》 面白かったですよ。最後の方で、バタバタ人が死ぬところは、何となく「ファーゴ」みたいだし。とってつけたようなプチ・ハッピーエンドも、個人的にはちょっと感動。 【かもすけ】さん 7点(2005-03-19 23:27:34) |
【永遠】さん 7点(2005-02-17 20:14:26) |
《改行表示》13.冒頭のナレーションから笑わせるがその後の出産シーンにビックリ。普通の映画でない 雰囲気が漂う。ニコラス・ケイジはこうゆう汚いおじさんをやらせたら最高! 対象的な双子の演技と合わせてニコラス・ケイジの演技力が光る、本当に上手い人だ。 それにしてもニコラスのハゲ・デブぶりには恐れ入る。此処までやるかと言う感じ。 お話は相当に毒気と皮肉に満ちており、激しく好き嫌いが別れると思われる (私は面白かった)。後半のめちゃくちゃな展開にもハリウッド映画への皮肉をこめつつ わざとハリウッド風結末に持っていった脚本家のひねくれぶりが伺える。 途中二回ある車の衝突事故の映像がやけにリアルで強烈なインパクトを残す。 【ハナちゃん】さん 7点(2005-02-09 11:15:57) |
12.こういうアイデア勝負のトリッキーな話は好きです。ちょっと強引な気がするし一番最後のところは好きじゃないけど、話としては上手くまとまっていると思います。どこがいいのか上手く説明できないけど、面白いし凄いなぁ、という感想。 【るいるい】さん 7点(2005-01-04 15:14:28) |
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11.これは論評するのが難しいですね。あえて理解せずに上っ面だけを語るか、もしくは演技・コンセプトといった要素1つだけを取り上げて語るか・・・。よし、こう書こう。この映画は一言でいうと「脚本家がいくつかの前提条件の元に自分をシミュレート(仮想実験)したプロセスと結果を映像化したものだ。」って、そのまんまか。 【ぷらむ少佐】さん 7点(2004-12-26 11:57:07) |
《改行表示》10.現実と虚構の交じり合った世界。 見ていて戸惑いを隠せなかった。 しかし、中盤から後半にかけて先生の影響を受けてからか次第に物語が分かりやすくなった。 面白いかは別としてスタイルの変化がこの映画の妙なのだろう。 【ひで】さん 7点(2004-11-21 19:21:36) |
9.ニコラスケイジがハゲ役っていう設定時点で勝ち。良くこんな脚本を書けるな、と感心してしまいます。 【バチケン】さん 7点(2004-10-09 00:41:49) |
8.好き嫌いは分かれると思いますが、俺は好きです。脚本の書けない苦しみがちょっとデフォルメされてる気がしましたが、このキャスト・スタッフならこういった映画もいいのではないでしょうか。 【金子淳】さん 7点(2004-07-11 03:06:28) |
7.僕には十歳以上年の離れた姉(ちなみに「エイリアン」レビューで書いた、あの姉)がいるのだが、映画の好みが180度、とは言わないが160度位違う。ニコラス・ケイジが大好きで彼を「ニコちゃん」と呼んでたりするのはハタから観てると「なんだかなあ」なのだが(もっとも我が心の兄貴ことジョニー・デップを俳優の道に誘ったのはニコラス・ケイジなので、縁が無い訳ではないのかも)、その姉が「せっかくわざわざDVD買ったのに全然面白くなかった)と言ってたのが本作。姉ちゃん、悪いけど、そう言われると観たくなるんだよ。と、前置きはここまでにしておいて、結構面白かったです。非常に多層的な作りになっていて、脚本家が脚本を書きながら映画に登場する(?)という変化球のコメディとしても見られるし、モノ創りのしんどさを描いた話とも取れるし、才能はあっても人間的に駄目な男の成長箪としても読めるし。僕はお互いに足りないものを補い合っているチャーリー・ドナルドの双子が、ドナルドの死によって一つとなり、成長する・・・という、一種のファンタジー・寓話として観たんですけどね。 【ぐるぐる】さん 7点(2004-05-02 20:06:06) |
6.チラシとかのメリルのあんよが可愛かったので、もっとコミカルな役かと思ってたら、粉はすするわ、「殺しましょう」だわで困惑してしまった。“脚本(家)万歳!”な映画なのでストーリーの面白みはあるけど、ちょっとムズイ…。弟カウフマンの、寝転がってしゃべるぐうたら振りとは裏腹の、兄への愛情の強さに感動してしまった。全編通して喉元までは笑えるけど、顔や声に出してまでは笑えない、S・ジョーンズ&カウフマンコンビの、このビミョーなラインが好き。 【桃子】さん 7点(2004-03-08 16:22:18) |
5.大笑いするわけでもなく、感動で涙するわけでもない。もちろんドキドキもしなけりゃ怖くもない。なんだかわからんが、観て損はない。これも役者達の演技のおかげだろう。車の事故シーンはリアルだった。 |
《改行表示》4.脚本家の頭の良さを感じます。皆さんもご指摘されてる後半の展開については「おー、こうしないとやっぱ収拾つかんわな」と取るか「どうやってもオモロないわい」と取るか、悩めるところです。なので、アフォオ~な私は断然前半が好き。 Adaptationが「脚色」以外の意味で使われ、蘭の魅力をも含めた「植物」と「人の生き方」、「脚本の進め方」にからめているところなどは、「うんうんなるほどぉ」…まんまと引き込まれてしまいました。 ◎二役ニコラス・ケイジは、服装の区別など不要なくらい、性格もダサさも違う兄弟を演じ分けてお見事。髪型が同じなのは演技に自信があるからでしょう(変えようがない、なんてちょっと霞めたけど大変ゴメンナサイ)。自分の意向で押したり、譲歩したりして、脚色に苦心する様は、可愛いほど嘆かわしい。 ◎クリス・クーパーは、怪なる風貌から私が想像するキャラクターと若干ズレていた。でも受賞のためには役得だったのかも? ◎(もし私以外にいらっしゃいましたら)メリル・ストリープのファンの方へ・・ニコラスに接する女性たち(映画P=ティルダ・スウィントン、彼女=カーラ・セイモア、ウェイトレス=ジュディ・グリア他)が、とっても愛らしく最高に好感が持てる役と演技をこなし、紅組の灰汁出しは全てメリル団長お一人でどうぞ、とばかり振ってくれてます、当然か。でもいつもの「わかった、その辺で、もうええ」の乱演は、特に前半「助演の」程合いで抑えてくれてまして、とっても気持ちよろしいよぉ。沈んだ表情で移りゆく心理を表しているのが相変わらずええんです。車中、クリスとの会話も雰囲気良しっす。//私だったら、一休和尚さまか、光源氏さまと食事したい、ので、やはり何の変哲もない一生を送る事になるのかもしれません。そういうことも考えたりする一作。 【かーすけ】さん 7点(2004-02-08 14:09:20) |
3.面白い! 脚本も良いですけど演出も流石。そして、やっぱニコラス・ケイジはこういう役が本当に巧い。幸い私はハゲかけてはいませんが、この主人公にはかなり感情移入してしまった。特にセミナーで「私の人生には語るべき出来事が無い」と質問した件は最高。その通り!、人生なんてつまんないもんです。だから映画を観るんです。しかし、そのつまらない人生からこれだけ面白い映画が出来てしまうんだから、人生自体も捨てたもんじゃありません。自身ではつまらないと思ってても、端から見れば、もしかして私も映画になる位面白い人生を歩んでるのかもしれませんネ、7点献上。 【sayzin】さん 7点(2003-11-30 05:15:17) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ニコラス・ケイジの冴えない中年双児役がお見事。アイデアに詰まり、妄想の中で自慰にふけるなんぞ最高。鬱々とした前半の展開からスピーディーかつサスペンス調に仕上げる後半。蘭に魅入られたクリス・クーパーの怪演。色欲に溺れ、墜ちてゆく中年女を圧倒的な存在感で演じたメリル・ストリープ。素晴らしい俳優陣の演技と知恵の輪のような脚本が奇妙にからみあった佳作。「脚本なんて荒唐無稽に少々いい加減に書いた方が受けるんだよ。」と双児の弟脚本家をなぞらせているあたり、カウフマンって本当に遊び心のある人だ。また、この作品で急に蘭に興味を持ちはじめました。 【つむじ風】さん 7点(2003-10-13 02:13:37) |