《改行表示》65.《ネタバレ》 ケイン御大の演技を堪能したくて観た一作。ドア越しに涙する老医師の姿に、胸を打たれた。…確かに胸を打たれたのだが、他の部分が色々と問題多過ぎるという実に困った作品(笑)。経歴詐称、無免許での医療行為、不倫、近親相姦、殺人。映画はわりかし青春・感動ドラマ的なノリで進むのだが、そのくせ映画のテーマだけ切り取ろうとすると不道徳極まりない単語ばかりが並んでしまう。実際のところ映画は感動的なドラマとして何とかまとまっているが、上記のような暗い題材を作品が内包しているせいか、感動的だがどこか後味が悪い作品なのだ。 映像も演技も満足できるし、物語も悪くはないのだが、どこか好きになれないという意見が多いのも頷ける。正直私も本作をあまり好きにはなれなかった。もちろん、クオリティの高さは評価して7点をつけるのだが。 個人的にどこが好きになれなかったかというと、主には主人公の演技や描写だろうか。トビーマグワイアの、シリアスな場面でなぜか不用意にニヤつく演技に私は終始イライラしていた。だいたい真面目に悩んでいる人を前にしてあのニヤついた顔を浮かべるのはいかがなものか。たとえそれがあらかじめ原作で設定されている主人公の癖だったとしても、生理的に受け付けなかった。あと、周囲の人物たちがみな何かしらの業を背負うような物語展開に対して、主人公だけやけに幸福で穏やかなエンディングを迎えるのも、物語のバランスが取れていないと思った。老医師は薬品の過剰摂取が原因で死に、人妻の場合はあたかも不倫の代償であるかのように夫が下半身不随となる、黒人の親子は娘が親を殺すという形で破局する、主人公は無免許だが老医師の心配りで医師免許を得て、孤児院に舞い戻る(そしておそらくは自分を慕ってくれていた娘とくっつくのか?)。これだとさすがにバランス悪過ぎるだろう(笑)。そういう意味で後味が悪い。ケイン御大の名演技と若いシャーリーズ姐さんに幻惑されて高評価を与えそうになるが、よくよく見れば問題作である。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-08-07 15:12:55) |
64.《ネタバレ》 全体として、好感が持てる雰囲気。若々しいシャーリーズ・セロンが拝めます。 【ゆっきー】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-04-28 17:03:01) |
63.《ネタバレ》 ホーマーは、育ての親ラーチの言いつけで堕胎の手伝いをすることに疑問を抱く。医師の免許もない彼は「ぼくは医者じゃない」と言う。「自分を必要としている人がどこかにいるはずだ」と考えていた彼は、孤児院を出てリンゴ農場で働くことにした。■寄宿舎には「サイダーハウス・ルール」が貼られていたが、労務者たちは文字が読めなかった。字の読めるホーマーが声に出して読むと、そこには「酒に酔って機械を操作するな」「屋根の上で寝るな」などと書かれていた。あまりの馬鹿馬鹿しさに、Mr.ローズが言う。「これを書いたのはここに住んだことのない奴だ。俺たちのルールは俺たちで決める」。■そのMr.ローズは、娘ローズを溺愛するあまり、性的関係を持ち妊娠させていた。救いの手を差し伸べようとするホーマーに、Mr.ローズは「お前には関係ない」と言う。だがホーマーは、ローズに言う。「ぼくは医者だ」。医師の免許を持っていないことをあれほど気に病んでいた彼が、自ら医者だと名乗り出たのだ。ラーチの言いつけでではなく、彼は自分の意思で堕胎手術を決意する。■ローズもまた、父親の言いなりではなく、自分の人生を求めた。彼女は父親をナイフで刺し、家出する。そして最愛の娘を失ったMr.ローズは、そのナイフで自死を選ぶ。労務者たちはMr.ローズの遺体が搬出されるのを、屋根の上から見守る。■「ルールは当事者が決めるべきだ」という本作の強いメッセージが、「産むかどうかは女が決めることで、法律や宗教が決めることではない」というテーマを暗示しているのは明らかだ。だが本作は、堕胎問題のみならず、「自分のルールは自分で決めろ、たとえ社会のルールと合致しなくても」という普遍的な問題にまで昇華している。ラーチは、苦しむ女性のため違法な堕胎を行うだけでなく、ホーマーの経歴を偽造し、ホーマーが徴兵されないようレントゲン写真のすり替えまで行った。ルールを破ったラーチもまた、親としての愛情ゆえだったのだ。■ラーチの死によって、ホーマーは自分が必要とされている場所がどこなのかを気づかされる。彼は汽車に乗り、孤児院に帰る。汽車のシーンが何度か登場するのは、「敷かれたレールの上を行くだけの人生」を象徴しているのだろう。ホーマーはそれを拒否して巣立って行ったが、今度は自分の意志で帰って来た。孤児の彼にとって、本当はここが帰るべき家だったのだ。 【高橋幸二】さん [地上波(吹替)] 7点(2013-05-06 16:06:25) |
《改行表示》62.《ネタバレ》 孤児院を飛び出して広い外の世界を体験したかったホーマーの心情は共感できる。 シャーリーズ・セロンの美貌が印象的。 こんな人妻がそばにいたら気持ちが持ってかれるのもわかるが、出征している旦那が気の毒すぎる。 美しい人妻との恋に溺れて院長の呼びかけにも戻らなかったホーマーに、院長の落胆はいかばかりだったろう。 さまざまな事件は起きるが特別な悪人がいるわけではなく、それぞれのルールで精一杯に生きている。 サンダーハウス(林檎園)の小屋に住んでもいない者が押し付けたルールなど受け入れられない。 そんな黒人たちからは、ルールは自分たちで決めるという強い意思が伝わってくる。 もっとも、この作品に登場する人たちのマイルールは、時にずいぶん自分勝手なものもあるのだけど。 直面した現実にそぐわない法律を破って中絶手術をするホーマーには、明らかな心の変化が見られる。 孤児院に戻って院長の役目を果たす姿には、孤児院を飛び出す前とは違って曇りがない。 温かく育ててくれた院長や孤児院のありがたさは、外の世界に出なければ実感できなかったのかもしれない。 決して派手ではなく静かだけれど、いい映画だ。 【飛鳥】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2013-01-17 22:00:15) |
61.ええなー。あんなかわいい娘と恋に落ちて。それだけでも出てった価値あり。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-01-10 02:17:06) |
60.暗いテーマのように思えるのだが何故か清清しい。ハッピーエンドという訳でもなく、劇中の人物で苦しみを抱えないものなど一人もいないような話。でも後味は悪くない・・・涙腺がゆるむ事はなかったけど、なんか気になる・・・しばらくたったらもう一回観てみようっと・・・。 【masaov】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-01-05 05:05:06) |
59.《ネタバレ》 面白かった。予定調和糞喰らえと言わんばかりの強烈な脚本が深く心に刻まれました。出てくるみんなが欲深くて、不器用で、でも一生懸命生きてる。誰かの為に自分を犠牲したかと思えば欲望を抑えられず仲間を裏切ってしまう。映像の美しさとは裏腹に至極エッジの効いた展開に終始釘付けとなりました。 【コロチン】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-05-02 10:22:00) |
58.様々な悲劇を抑えたタッチで冷静に描く手法が秀逸。多くを語らずとも、子役を始めとした役者陣の表情が素晴らしく、それだけでほとんど伝わってきます。重いけど陰鬱さはなく、正面から受け止めやすい秀作です。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-04-18 18:39:02) |
57.ジョン・アーヴィングの長~い原作をアーヴィング自身がコンパクトに脚色し映画化。役者の名演と相俟って、忘れられない名作となった。「人が生まれるのには理由がある」ということを声高にではなく、そっと優しく教えてくれる。マイケル・ケインがいつもながらに素晴らしい。音楽も良かった。 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-11-06 14:27:04) |
《改行表示》56.《ネタバレ》 顛末に賛否が別れたりするのでしょうが、彼が自ら職業を選んだということに意味があるのでしょう。 それにしてもアーヴィング自身が脚本を担当しているのを知って驚き。 【カラバ侯爵】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-10-11 10:09:46) |
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55.《ネタバレ》 音楽はとてもきれいで、舞台もとてもきれいな場所なのに、テーマはすごく重いんですよね;ただ素敵な映画であってほしかったです。 【エカ】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-08-12 01:37:52) |
54.《ネタバレ》 穏やかな雰囲気ながら、命とは何なのかと考えさせられた。役者たちの演技や音楽も申し分ない。せっかく宿った命も生まれることなく殺してしまう現代への皮肉が込められていたり、堕胎は駄目だと言い張っていた主人公が自分のルールを破り、状況にあった対応をするなど青年の成長があったり、親子同然のホーマーとラーチ先生の絆など内容的には盛りだくさんだが、詰め込みすぎた感じもなく上手くまとめあげられていた。決してハッピーエンドではなくが悪い気分にはならなかった。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-07-03 12:00:35) |
53.《ネタバレ》 公開当時映画館で見ました。以降もDVDで再見したことがありますが、やはりいい作品ですね。趣のある片田舎を舞台にした、情緒溢れる物語にはラッセ・ハルストレムがぴったりです。全編を通し叙情的というか、感情を簡単には台詞にせずに表情や背景の描写、音楽などスクリーン全体で観る者に伝えようとしたような作りがとても好きです。最初にホーマーが孤児院を出て行く動機が微妙に弱いような気がしたり、途中少しだれる感がありますが、孤児院で育ったホーマーの生まれて初めて(のはずの)恋であったり、束の間の青春を過ごすホーマーの瑞々しさがとても印象的でした。個人的にはもう少し親の温もりを知ることなく人知れず死んでいく孤児にもスポットを当てて欲しかったところです。 【Thankyou】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-04-21 01:43:36) |
《改行表示》52.《ネタバレ》 ホーマーとラーチ先生のとぼけた雰囲気が、また苦難に直面した時それをさらりと受け流す彼らの態度が陰鬱なテーマを和らげて作品を品のよいものにしている。 もう少し各エピソードをねちっこく掘り下げてホーマーを虐げると帰郷のカタルシスが大きくなるとおもうのですが、そうしないのが監督の味なんでしょうね。 こちらで解釈しなければならない部分が多いので、もう1時間長くても良かったかな。 トビーの演技の善し悪しはわかりませんが、私は彼の笑みが気に入りました。 【manbou】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-01-02 23:19:01) |
51.《ネタバレ》 この作品、初見の印象はかなり悪いものでした。狭い世界を経験しただけで、主人公が何かを悟ったような気になっていること。自分の責任で招いたドロドロの人間関係から逃げたこと。自分を必要としている所へ戻るという安直な選択等に共感できなかったためです。タブーに触れたエピソードにも嫌悪感を抱きました。初見から2年。再見して、違う見方をするようになりました。この作品はとても現実的なのだと気付いたのです。個人差こそあれ、すべての人が限られた世界しか経験しません。経験する世界の狭さを否定するのは違うと感じました。また、自分の生きていく役割(作中では“仕事”という表現)を見つけることは必ずしも経験する世界の広さに比例しないとも思うようになりました。また、自分を必要としている所へ戻ることは安直なのか?人は生きている意味を見つけたい生き物です。それが分からぬ一生も、それを見つけた一生も共に尊いです。単に主人公は後者だっただけです。それでも結果的に彼女との人間関係から逃れたことには、不満が残ります。それが彼女の為であったとしても、ドロドロの中で生きていかざるを得ないのが人生だと思うからです。再見でこれだけ印象が変わった作品は初めてです。解釈の仕方は様々だと改めて思いました。それでもやっぱり、好きではない作品です。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-05-17 18:00:54) |
50.トミー・マグワイアはこの役が一番ハマってるような気がする。この手の映画は集中してみるものだ。 【湘爆特攻隊長】さん [DVD(吹替)] 7点(2005-10-27 20:07:41) |
49.全体的に落ち着いた雰囲気が良い。静かに流れるバックミュージック、主人公ホーマーの終始落ち着いた言動なども印象深かった。個人的にはもっと軽めの話が好きなので、6点にしようかどうか迷った。ラストの終わり方を見て7点にした。 【mhiro】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2005-10-17 10:09:51) |
48.この監督本当にほのぼの系の映画を作るのが上手い。見終わった後、自分の中に何か暖かいモノが残ります。 【さら】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-01 10:51:46) |
47.この映画のクライマックスはこのシーン!!!っていうところは、コレと言ってないのですが、見終わってからほのぼのと感動が残る系の映画です。好きです。 【カルーア】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-05-06 21:27:08) |
46.この監督こんな映画好きですね。音楽にも結構監督の傾向が出てる感じがしておもしろい。いい仕事してます。トビーマグワイアのマイルドな表情がなんともいえません。スパイダーマンもそうだけど喋ってるときの感じが独特の印象を受ける俳優だ。 【ばかぽん】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-05-02 00:53:37) |