1.中国映画らしい重厚感に満ちた内容。
室内の雰囲気も良く出ているし、自然の雄大さも感じられる。
この作品の狙うところは、そのメッセージ性。
「殺し合いや敵討ちからは何も生まれない」と主張する一方で、「大切な人間を殺されたら、やり返すのが人間の本能だ」というメッセージも感じ取れる。
おそらく他人事ならば「殺し合いには意味がない」で済まされるだろうけど、実際に大事な人間を殺されたら、そうも言ってられないのではないか?
他人に「意味がない」とか言われても、私なら殺り返すと思う。
そこに「意味」など介在しない。
ただ怨念あるのみ。
だが、その敵にも家族がいて、その家族は何ら無害だとしたら、どうなるだろうか。
それでも殺るか?
この辺のテーマと迷いが、巧く問題提起されている。
だけど、やっぱり私が当事者ならば、殺り返すだろうなぁ・・・
そう考えると、人から恨みをかう様なことはすべきではない。
だけど、過去に犯した罪は、消し様がない。
たとえそれが、若かりし頃の出来心だったとしても・・・