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回転

[カイテン]
The Innocents
1961年上映時間:100分
平均点:6.62 / 10(Review 13人) (点数分布表示)
公開開始日(1962-08-22)
ホラーサスペンスモノクロ映画小説の映画化オカルト映画
新規登録(2004-06-23)【かんたーた】さん
タイトル情報更新(2021-04-29)【Yuki2Invy】さん
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監督ジャック・クレイトン
キャストデボラ・カー(女優)
マイケル・レッドグレーヴ(男優)
マーティン・スティーヴンス〔男優〕(男優)
パメラ・フランクリン(女優)
原作ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」
脚本トルーマン・カポーティ
ジョン・モーティマー (追加脚本)
音楽ジョルジュ・オーリック
撮影フレディ・フランシス
ロニー・テイラー(カメラ・オペレーター)
製作ジャック・クレイトン
製作総指揮アルバート・フェネル
美術ウィルフレッド・シングルトン
編集ジム・クラーク
録音ジョン・コックス〔録音〕
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7.《ネタバレ》 大昔に観たときは、率直によー分からん映画だと思ったのですね。それは、この映画を単純に幽霊映画・ホラーだと思って観ていたからだった、と思うのですが、今回、原作を読む機会があったのでそれを機に観直してみました。

そもそも原作と言うのは、幽霊がメインの要素である以上は間違いなく怪談の類いなのですが、その中でより注力して描写されるのは主人公の心理的葛藤、すなわち、思わせぶりな態度を取り続ける子供たちが実際に「黒なのか白なのか」という部分の疑心暗鬼、或いはグロース夫人との関係性(協調または敵対)の部分に生まれる緊迫感であり、そういった主人公の不安・不穏な感情を描くものとしては確実に(心理的)サスペンスという方が適切なのです。その観点からすると、非常に控えめな幽霊自体の描写、端的なデボラ・カーのヒステリックな感情表現、豪奢ながら寂寥とした屋敷や物悲しいオルゴールの音色が形づくる全体の陰鬱な雰囲気、結局白黒がハッキリしない不可解な結末、といった部分の仕上げ方・出来映えを勘案しても、確かにこれは比較的優れている・的確な方の文芸映画だと言えるのではないかと感じるのですね。

ただ、よく言われることですが「小説(原作)か映画か」という観点で言うと、今作は原作と比較すると実は色々随分と簡略化されている、という部分に若干の残念さを覚えるのも事実です。子供たちに対する主人公の猜疑心というものは、原作では非常に地味な描写の繰り返しによって(最初から最後まで一貫して不穏な空気に包まれつつも)極めて緩慢に形成されてゆくのであり、それが彼女の最終的な狂乱状態に説得力を与えるとともに、その長きにわたる「不穏さ」を味わう、という意味でのサスペンスの醍醐味を同時に生み出しています。が、映画の方は率直にそれが全体的に結構にアッサリしたものに変わっちゃってて、小説を存分に楽しんだ身からすると少しばかり物足りない、という感じなのですよ。

その意味で言うと、映画では特にグロース夫人との関係が非常に軽い描き方になってしまっているのがだいぶ気になります。ジェスルの幽霊がフローラにもグロース夫人にも見えなくて、結果フローラとの関係性が瓦解する場面というのは、同時に唯一の味方であったグロース夫人との協調関係が反転するという点で小説ではココイチ衝撃的な場面だったと言えるのですが、映画ではそれが残念ながらそーいうものにはなっていないのです。そういった部分も含めて(前述どおりかなり上質な映画化だとは言え)やや原作の持つ「ウリ」というものが分かり難くなっている映画、だとも言えるかと思うのですね。

とは言え、全体としてはまま悪くない出来だと思います。私の本当のオススメは小説の方ですが、こちらも決して観て損も無いかと。暇なら是非。
Yuki2Invyさん [DVD(字幕)] 7点(2021-04-29 09:49:38)(良:2票)
6.《ネタバレ》 典雅な英国女優デボラ・カーの魅力と演技力が堪能出来る、お上品な準ホラー映画。「レベッカ」「アザーズ」「たたり」とか、人里離れたゴージャス大邸宅スリラージャンルがお好きな方ならきっとこの作品も楽しめるはず。私は独身オールドミス家庭教師の欲求不満が生み出した「誇大妄想」が、不気味なチルドレンよりこのオハナシに実は深く介入していたのでないかと解釈しましたが、原作未読の為その点はハッキリと断言できず。上品な外見とは裏腹に、あくまで心理的に淫らな内面を時折垣間見せるこの役に、彼女ほどの適役はいなかったと思います。マイルズ君はおやすみのキッスした時、舌先でも彼女の口に差し込んでいたのかな?やるなー、ガキのくせに。とはいうものの、貴婦人デボラの口元も思わず半開きになってたって事は・・・。いかんいかん、オッサンの誇大妄想。
放浪紳士チャーリーさん [DVD(字幕)] 7点(2022-06-28 09:32:40)
5.幽霊映画としてはイマイチですが、先生が徐々に壊れて暴走してゆくサスペンス映画として見応えがありました。子役二人の不気味さは特筆ものです。
The Grey Heronさん [DVD(字幕)] 7点(2016-11-13 00:18:13)
4.《ネタバレ》 公開当時、物議を醸すことにならなかったのか、当時の人々の反応を知りたくなりました。オカルト版「名探偵コナン」て感じがしました。イノセントがなんで回転てタイトルになっちゃうんだろう? 意味がわからない。無邪気な者たちという原タイトルはピッタリ不気味なのに。子供をこんな不気味に思えた映画は初めてです。どうやら子供二人には、当時の世相としてはアブノーマルで常軌を逸した性愛に飲み込まれた大人二人が取り憑いている模様で、しかも具体的に描写されないけれど子供が口にするものではないようなスンゴイ卑猥な言葉が発せられたりしているらしい。取り憑かれる以前は、生きていたその大人のすることを目の当たりにしながら生活していたらしい子供たち。男の子は脚本をどこまで理解できていたか知らないけど、あの年であの「中身大人」演技は上手い。「おやすみのキス」と無邪気を装いながらのキスも印象的に不気味。現代となっては映画そのもののつかみやテンポやノリはいまいちなんだけれど、気味悪さは充分味わえました。ラスト、デボラ・カーの責任どうなっちゃうんでしょう? そこもコワイ。デボラ・カーの独り妄想という解釈の方もいるようですが、その場合、彼女が妄想して叱責したら死んじゃったって話? デボラの殺傷能力すご過ぎ。あっ、子供をぐるぐる振り回して殺したのか? だから『回転』なのか?
だみおさん [DVD(字幕)] 7点(2016-02-16 00:59:14)
3.《ネタバレ》 もしも本作が完全オリジナルなら大絶賛したかもしれないが、生憎とヘンリー・ジェイムズ原作をベタにトレースしたダイジェスト版以上の存在価値を見出すのは難しい出来。「未知空間の恐怖 光る眼」のマーティン・スティーブンス坊やと、後に「ヘルハウス」でヌードまで披露することになるパメラ・フランクリンの二人が演じるマイルズとフローラってのは敢えて狙ったキャスティングなんだろうが、単純に「ちーーーーっとも可愛くない!」「ていうかキモい!」のが致命的にイタイ、イタ過ぎる。しかも幽霊に取り憑かれて近親相姦っぽいし~。コレじゃ(原作では「わたし」の一人称名詞で語られるだけの)女性家庭教師が二人を必死で救おうとするモチベーションに説得力が全く生まれないではないかぁ~!しかもしかもクイントとジェスルの幽霊をモロに見せるしなぁ。原作ではヒロインしか目撃しないところから単純なホラーものと一線を画した曖昧模糊な心理小説的側面も見せる秀逸さだったのだが。寧ろ敢えて「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」みたいに全く見せなければ観る者のイマジネーションを刺激できただろうに…。ハッキリ言って監督のクレイトンにも脚本のカポーティにも失望を禁じえない。とは言うものの、デボラ・カーのヒロインは(やや老け過ぎながら)気品に満ちた熱演だし、モノクロームカメラが捉えたブライ邸の不気味なたたずまいは正統ゴシック・ホラーのムードを絶妙に高めてくれたのも事実。70年代以降に量産されるグロ・スプラッタなんかとは同列にしたくはないのでオマケして7点。
へちょちょさん 7点(2004-09-18 01:13:57)
2.モノクロなんで背景やら何やら見にくいんだけど、、これは意図的になんだろか?そうでなくって偶然にもそう見えてしまうのか?心霊写真の原点ものなのか?なんかいっぱい見えてくるよ 壁やら背景やらに顔らしきものがヌボ~ッとさっ・・。
3737さん 7点(2004-07-21 22:46:30)
1.けっこう真面目にゾクゾクさせられる。恐怖演出というか、デボラ・カーの怯えきった表情に始終ドキドキさせられっ放し。パッと一瞬映って「あれ、今の見えた?」的な仕掛けには脱帽。近年の『アザーズ』などのゴシックホラー映画の元ネタはこれでしょうかねぇ。ホラー映画にして凄く上品で、とても丁寧に作り込まれているという印象を受けました。
かんたーたさん 7点(2004-07-15 21:48:21)
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【点数情報】

Review人数 13人
平均点数 6.62点
000.00%
100.00%
200.00%
3215.38%
400.00%
500.00%
617.69%
7753.85%
8215.38%
917.69%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 7.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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