2.マキノ雅弘の任侠映画はどれもとても熱いのだけれど、その底流に流れているのは「困っている人がいたら、誰だろうと助けてやンのが人情ってモンだろぉがぁ!」というシンプルでさっぱりしたヒューマニズム、だと思う。なので熱いけど爽やかな後味で、夏の夜に観てもとても心地良い。この作品で勝新太郎演じる安田磯吉という人は実在していたそうで、クリクリした目で大暴れするカツシンは、カッチョ良くて、可愛い。
さて、ここからは直接映画とは関係ない、野暮話。この作品の中で悪いヤクザの味方をする悪い代議士(こいつも確か、元ヤクザなんだな)が出てくるのだけれど、なんかそれを見てて、「結局国家とか国家権力とゆうものは、法律を味方にしたヤクザなんじゃねぇの?」と思えてきたり、する。北九州若松を「イラク」、博徒太田黒を「アメリカ」、炭鉱を「油田」に置き換えると・・・ま、サドル師という人が安田磯吉かどうかは、分かんないけどね。