2.ブラッドベリのあの『火星年代記』の映像化。昔何度かテレビでやってましたね。一晩一気に放送!とか。一種のテレビシリーズなので、例の「これは“映画”と呼んでいいのか?」という問題が再発しそうですが、個人的な事言わせてもらうと、我々の子供の頃と言えば、ネットで簡単に何でも情報を入手できる時代でもなく、「劇場でやっているもの」と「テレビ欄に“映画”と書いてあるもの」をすべて映画と認識して観ていた、それこそが私の映画の原体験。皆さんの中にもそういう方多いのでは? よって本作も私は“映画”だと思って観てました(とにかくレビューを書こう、そしたら優しい管理人様は撤去なさらないハズ。笑)。さてまあ、有名なSF小説の「映画化(!)」なわけですが、幸か不幸か、私はコレを観たかなり後で、ようやく原作を読んだ訳でして、読んでいる間、昔観た本作の様々な情景が脳裏に蘇り、懐かしさも加わったなかなか貴重な読書体験をすることができました。今にして思えば、あの火星人の造形って、ドウナノヨ、という気もするのですが、まあ、私は当時子供ですから、全然気になりませんでした(汗)。完全にオムニバスとして短編で区切った原作よりは、幾分は映画として流れを持たさざるを得なかった点でも、ちょっと半端(子供心には「ワカリニクイ」)な部分も感じます。でも、火星に残った一人の男が、他の残留者を探すエピソード(原作の「沈黙の町」)なんて、本作の方が原作よりも味わいが増しているのでは?などと思えました。ラストの「火星人」に会いに行くくだりは忘れらない印象があり、その後の読書時にも本作の映像が重なって、感動を深めてくれた気がします。以上は、原作のファンからは多分、賛同の得られないコメントだと思います。謝ることにしよう。ごめんちゃい。