1.《ネタバレ》 語り口が独特です。この時代、ひとつ新しい語り口を作り出すのは至難の技だと思うのですが、ちゃんと成功していたと思います。音楽の使い方が絶妙。あと、挿入されるテロップも、手法としては古典的ですが、この映画では違う意味を持っていて、なかなかドキっとさせられます。「知らなかった」を何度もくり返すところとか、「おっ」と思わせますね。ストーリーも、悲しくせつなく、また、やり過ぎていない感じが好みでした。排水管がどんどん人を飲み込んでいくだけの映画だったら嫌だなあ、と思って見始めたのですが、それは最後に象徴としてちょっと出てくるだけで、前半のドラマ部分がメインで、よかったです。笑えるところも何ケ所かあります。ギャグのセンスもさりげなくて、いいです。令奈のキャラに厚みを持たせていたのもよかったと思います。単なる「いい子ちゃん」にしてないところがよいです。途中で歌い出す演出も、他の多くの作品では邪魔なだけですが、ここでは見事に生きています。歌のところで結構泣けます。タイトルやDVDのパッケージからはB級の匂いがプンプンしましたが、これはもはやB級とは言えません。ところが世間での評価はかなり低いようで、誉めている人が少ないんですよね。なぜ? 確かにホラーを期待しちゃうと、肩透かしを食うかも知れませんが。・・・うーん、こういうの、ウケないんですかねえ。気持ち的には8点あげたいくらいですが、僕が他に8点つけた映画と比べると、やっぱりそこまではないかな、ってことで冷静さを取り戻し、7点です。