4.《ネタバレ》 まずは前半のグラスゴー。ニカラグア人女性カルラと、心優しきバス運転手ジョージが出会う。2人のラブストーリーを軸にしながらも、ケン・ローチらしく移民や貧困といった問題を絡めた話なのかなと思いながらの鑑賞でしたが、後半、舞台がニカラグアに移って以降は本当に厳しい映画でした。
ケン・ローチは近年もイラク戦争とアメリカの問題を告発する映画を撮っていますが、本作でもCIAの影がちらつくニカラグアで何が起こっているのかを映画という形で告発する。
様々な形で介入しては、都合が悪くなると逃げ出す。アフリカやアジアなど、色んな映画でこんなアメリカを中心とした強国の姿を見てきました。本作のジョージも結局はニカラグアを去って行きましたが、彼に関してはこれ以上自分には彼女を守ることができない。あまりにも世界が近いすぎる彼女の祖国の現状を目の当たりにして身を引かざるを得なかったということでしょうか。
ラストの“カルラの歌”がとても美しかった。