2.《ネタバレ》 「お熱いのがお好き」のリメイクですね。ジャック・レモン、トニー・カーティスの二人はいまいち後世に“コンビ”として語られていませんけど、名コンビだったと思います。この二人にマリリン・モンローをぶつけたのですから一触即発な状態ですけど、結果的にうまくいきました。このリメイクでは相手が弱かったね、デイヴィッド・ドゥカブニーじゃ。はっきり言って、押しの効かないジョン・トラボルタ以外の何物でもない。最大の難点は、MGMミュージカルネタがまったく使えなかったこと、ブロードウェイをスクリーンに昇華して表現できるのは50年代までのMGMだけです。たぶん契約の問題でしょうが、ここをうまく利用できなかったことで「華のない」作品になりさがったかも知れません。せっかくデビー・レイノルズ出てくれたのに、台詞でデディケイトしたってダメだよ。テンポが極端にスローダウンすることも多かったし、終わった後考えてみれば「整合性が取れない」展開もあったし、出来としては今年の日本映画「スウィングガール」と同列です。やってる内容が評価の対象で、映画としての出来は留保ってことでね。ただ、おもしろかったですよ、“Born to Be Wild”のシーンは「イージー・ライダー」と見事にシンクロしてましたし、主演の二人もとってもよかった。