2.《ネタバレ》 奇人、変人、精神病者、、、いや失敬、聖者シモンが、砂漠にそびえ立つ石柱の上で修行をするという、キリスト教的ブニュエル的寓話。
柱の下にやってくる様々な者たち。
おっぱい丸出しの若き女性も石柱の下に来るが、聖者シモンは眼を背け、悪魔には決して屈しない強固な神への信仰を見せる。
なんだか絶妙な面白さ加減。
なんというシチュエーション、なんというアイデアに満ちた環境設定だろうか。
本作はルイス・ブニュエルの構想半ばで頓挫し、最後を強引に編集でまとめて作り終えたらしい。
だけど、ラストは非常に突飛で面白い。
シモンのヒゲの凄まじさ、片足で立ち続けるという無茶な設定、悪者が泡を吹いてアッサリくたばるという始末・・・
何だか、ブニュエルのユーモアと変態性が、特異な形で現れた作品だ。
ピエル・パオロ・パゾリーニにも似たユーモアさえも感じさせるのがまた良い。