7.過去に作られた音楽家の映画とちがって近年のは「外枠」を設けている場合が多く、コール・ポーター(ケヴィン・クライン)の人生を見守るのは年老いた彼自身と大天使?ガブリエル(ジョナサン・プライス)。 アーティストと天使の組み合わせは、「オール・ザット・ジャズ」にも似ていますね。 作曲家の華々しいゲイ遍歴をも包み隠さず描き、アシュレイ・ジャッドが美しいだけでなく奔放な夫に対してきわめて寛容な妻リンダ、彼女あってこそポーターも成功をおさめられたのではと感じます。 最初にポーターを意識したのは「夜も昼も」(トレイシー・ソーンのカヴァー)、つづいて「エニシング・ゴーズ」(「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」オープニング)だと思いますが、これらも代表曲として作品を彩ります。 丁寧に作られながら少し地味な映画を盛り立てるのが、現代の歌手たち。 エルビス・コステロ、アラニス・モリセット、シェリル・クロウ、ナタリー・コールらがクラシカルな衣装に身を包んで歌い上げ、特にアラニスは彼女らしさが出ておりよかった。 終盤も尻すぼみにせずにパッと華やかになりますが、フィナーレはひそやかに幕を閉じて。 【レイン】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-08-05 07:00:02) |
【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-06 13:20:58) |
5.途中まではただポーターの曲が延々と流れているだけで、彼の身辺や心の変化の描写があいまいになっていた気がします。 ただ、妻リンダが死んだ時に流れてきた”エブリタイム・ウィ・セイ・グッドバイ”はよかったです。そのすぐ後のシーンではそれまでのだらだらした人生描写が、一瞬の夢のように頭の中をかけめぐりました。 このあたりを考慮して高評価にしてしまいましたが、やっぱり途中までだらだらしてきたのはいただけないし、ミュージカル映画かどうかが中途半端になっているのもいまいちですね。 【maemae】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-10-30 19:54:19) |
4.昔見た「グレン・ミラー物語」のような映画を想像していたけど、ゲイという主人公の陰の部分にも光を当てていて、音楽家としての苦悩や葛藤をうまく描いていたと思う。CMで何度も耳にした名曲は奥さんに捧げられたものだったのですね。時代を超えて人の心を引きつけるわけだ。アシュレイ・ジャッドってシャーリーズ・セロンに雰囲気が似ていて損をしているような気がしていましたが、いい女優さんですね。再認識しました。 忘れるところだった。邦題がいい。思い切ってこの邦題をつけた配給会社の人に拍手。映画の内容はまさに五線譜のラブレターでした。 【しまうま】さん 7点(2005-02-18 11:51:50) |
【たま】さん 7点(2005-02-05 22:12:15) |
2.私はコール・ポーターのミュージカルやスタンダードナンバーにも疎いのですが、ショー場面などミュージカルらしい華やかさが楽しめました。ナタリー・コールやエルヴィス・コステロなど登場する歌手たちや歌をよく知っていたり、お好きな方ならもっと楽しめるのかもしれません。 歌やショーを絡めながらポーターの人生を回顧するという形式で彼と妻との関係が描かれますが、印象としては妻ナタリーの深い理解と寛容によって築かれた愛情関係という感じです。ポーターの同性愛嗜好を知ったうえで結婚し創作と成功の支えとなり、自分亡き後の夫の世話係まで用意するというのは普通には理解しかねるほどの夫婦の姿ですが、これは人間性以上に彼の才能を認めていたゆえなのでしょう。そんなナタリーを演じるアシュレイ・ジャッドは落ち着いた声と物腰で、優雅なファッションや真珠のアクセサリーなどを身にまといとても美しく魅力的でした。ケビン・クラインのパリッっとしたスーツ姿も素敵で、自演してるピアノや歌も良かったです。ストーリー的に感動というところまではいかなかったのですがミュージカルとしては十分楽しめました。びっくりしたのはポーターの切断後の足や老けメイクの巧みさ。アシュレイの老けメイクもなかなか凝ってました。 【キリコ】さん 7点(2005-01-25 22:23:31) |
1.《ネタバレ》 名作曲家コール・ポーターの半生を知ることができて率直に嬉しかった。どの楽曲も、何処かで耳にしたことがあるメロディだし、その気にさせる数々。ミュージカル仕立ての回顧スタイルは、二人のドラマとして生きているかは微妙。 “独特の愛の形” が崩れた別居に至るまで、ポーターは楽曲作りにおけて葛藤・苦悩に陥ったはずだが、さほど描かれていない。また、脚の自由を奪われ自尊心を失われながら、最大のヒット作となった「キス・ミー・ケイト」を生みだすポーターの模様、支えたリンダとの絆を丁寧に伺い知りたかった。落馬事故はストーリー的に不可欠なのは判るが、唐突且つそのまんま(?)。そして、リンダ即再登場で、いささか拍子抜けの展開。 衣装は、装飾過多ではなく、エレガント&シンプルで好印象。 【ダージン】さん [映画館(字幕)] 7点(2004-12-20 03:21:55) |