10.《ネタバレ》 普段はゴミみたいなB級アクションを製作しつつ、たまに「16ブロック」や「ブラックダリア」を作るミレニアム・フィルムズの、メジャーとB級の中間に位置する作品です。B級として見れば傑作の域に入る完成度。凶悪犯リー・レイが変貌する過程が自然で、見ている私達が冒頭で彼に感じた嫌悪感も自然と愛着へと変わっていき、最終的には「彼に悪いことが起こらないでくれ」と思わせてしまいます。コープランド博士についても、さほど多くはない描写の中で背景や心情がきちんと説明されています。特に素晴らしいのが息子の死について話す場面で、感情的にならず淡々としゃべる姿に、深い悲しみやそれを乗り越えてきた重みが込められています。辛い思い出を話した直後にも関わらず「頑張れよ」と笑顔でリー・レイを送り出すところにも、彼の人柄やリー・レイへの思いがよく表れています。ラストで車からコープランドを救い出すリー・レイ、銃弾に倒れたリー・レイを看取るコープランドの友情は、そこいらのメジャー映画にも勝るほど熱く感動的なものでした。最後のオチも単なるサプライズではなくドラマ上の必然性もあり、こういう良いオチをビシっと決めたおかげで映画全体が締まった印象となりました。一方残念なのが、B級専門会社の性か後半が単純な追っかけっこになってしまったことで、ここの安さで予算の少なさがモロバレになってしまい、またせっかく質の高かったドラマが中断されてしまいます。アクションで短絡的に終わらせるのではなく、凶悪犯だった過去を知られて社会的に追い込まれるという展開にした方が本作には合っていたと思います。リー・レイの社会復帰をコープランドや私達は歓迎しましたが、その背後にはかつての彼に傷付けられ、人生が変わってしまった被害者がいます。改心して無害になれば彼は許されるのか?癒されない損害を受けた被害者がいる一方で、彼に人としての幸福を追う自由を与えてもいいのか?という倫理上の問いかけがこの話の背後には存在するはずですが、ここをスルーしてしまったのが残念なところ。「これはあくまでB級映画だから、盛り込み過ぎずシンプルな出来にしよう」という製作サイドの判断もあながち間違ってはいないのですが、せっかく重いテーマにも耐えられる演出や演技が準備できていたにも関わらず、B級止まりにしてしまったのが本当に残念。映画は難しいものです。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-01-03 13:30:58) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 主演の2人の上手さも手伝い、非常に綺麗にまとまった佳作。 伏線の張り方、効果的な回想シーンの挿入、主人公を取り巻く複雑な状況を簡潔に余すことなく説明していること等々、まとまりの良さは文句ないところ。 ただ、もう少し長尺になってもいいので、テーマを前面に押し出して欲しかった。このままだと、死刑反対論者が語る性善説的作品とも、死刑云々じゃなくて人間は結局ありのままに生きるしかないのだよ的な運命論的作品とも、他にもいろいろ解釈出来たりして、実は単なる娯楽作品だったりもするんじゃないかとも思え、それはそれで考えさせられて面白いんだけど、やはり社会派作品として方向性を出して欲しかった。もしかしたら、私が理解出来てないだけかもしれないけれど。 なので、限りなく8点寄りの7点献上です。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-06-27 14:50:44) |
8.レイ・リオッタ、ウィレム・デフォー。まさかこの二人がこのまま終わるわけないだろう・・・という観客の想いをうまく利用した映画。時間も短いし、気軽に観て楽しめると思います。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-31 19:52:42) |
7.話が進むにつれて、少しずつ、リー・レイに感情移入していました。それだけに、最後の展開は切なかったな~。最後のオチ(?)は、確かにこの作品の面白さの一つ。だけど何よりも、主人公の心情の変化を見ているのが、なんだか妙に心地よかった。最後は切ないけど、安心して楽しめる映画です。 【たけたん】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-16 07:03:00) |
6.一企業がここまでやらねーだろとか、このクスリ効き過ぎだろとか、つっこみ所はあるものの、ハリウッドを代表する演技派2人の共演ということで、さすがに引き締まった内容の作品になっています。前半と後半でまるきり別人になっているリオッタの怪演も凄いんですが、デフォーの渋い存在感も見逃せません。 【鳥居甲斐守】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-05-23 22:35:50) |
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5.レイ・リオッタの演技が良く、ストーリーにもドキドキ感があった。強いて言うなら、ラスト20分までは良かったが、オチにはもう少し工夫がほしかったですね。 まさか偽薬がオチだとは思わなかったなぁ~。 【エムシュー】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-02-23 14:47:35) |
4.《ネタバレ》 最初から最後まで無駄がなく、主役2人にどっぷり感情移入しながら見ることができました。レイ・リオッタは序盤の暴君っぷりから中盤以降の誠実さを窺わせる人格への変化を本当に上手く演技していたと思います。ラストのオチは伏線に全く気付かなかったので衝撃的でした。そしてレイの切ない最期に涙涙です・・・彼は本当の意味で更生できていたんじゃないかなぁ。作品全体としては話の筋がしっかりしていてわかりやすく、テンポも良くて良作だと思います。 【クリスタル】さん [DVD(吹替)] 7点(2007-02-15 14:52:08) |
3.これだけネタバレカキコにしてあるってことは結構やられたんじゃないですかね 強がっても 【マーガレット81】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-12-20 01:00:32) |
2.《ネタバレ》 名脇役といえる二人が主演し、さすがの演技。サスペンスというよりは「悪人が、人の気持ちに触れて良心に目覚めるが、時すでに遅し」というお決まりのパターンを色付けした感じであるが、脚本も良かったと思う。インパクトはないが良作でしょう。 【ぼぎー】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-03-11 02:04:10) |
1.《ネタバレ》 プラシーボかあ。そんな気はしたがなあ。リオッタの若作りがちょっと痛い。相手がミシェルなのも年齢差ありすぎだ。ウィレムデフォーはすでに「じじ俳優」の仲間入り。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-23 19:14:08) |