1.《ネタバレ》 八変化するアビバを救ったママサンシャインは、障害者や社会的弱者に積極的に手を差しのべる神さまのような人にみえて実はテロリストという一面も持っている。宗教を信仰する人間の優しさと残酷さの表裏を垣間見ることができる。1つだけ言えることはママサンシャインたちは、とても弱くて限りなく愚かだということです。アビバもその1人でしょう。しかしその弱さと愚かさを全面的に肯定しているのがこの映画の見所だと思う。弱さを全面的に受け入れた人間たちに嫌悪感を覚えつつ目が離せなかった。たとえばママサンシャインに属する人間が、中絶を行う医者に天誅を加えるために暗殺したのにすぐにそのことを後悔してしまい、警察に返り討ちにあって射殺されてしまう様子は呆れるくらい愚かだったし、その男が最後に「もう一度、生まれ変わりたい」と悲鳴をあげたところでそれは叶わぬ夢にすぎない・・。その男と行動を供にしたアビバもまた愚かであり、そんな彼女に共感できなかった、と言うことは簡単だけど、弱くて愚かだから人間なのだ、というメッセージがそこに確実に存在する。そういう気がしてならない。愚かなアビバが愚かな母親に言った言葉・・「人間は誰でも過ちをおかす」というメッセージがすべて。 久々に衝撃を受けた作品でした。