41.謎の言葉を残して死んだ、新聞王ケーンという人物の生涯を描いたドラマ。 オーソン・ウェルズが25歳の時の初監督、主演作品だそうである。 本作が制作された以前の映画と比べると、ストーリー構成や演出の部分で格段の進歩が見られ、 当時としてはかなり斬新な作品だったのだろうということが窺い知れる。 ただ個人的には、主人公のキャラに人間的魅力がまったく感じられないため、 感情移入がしづらく、非常に取っつきにくい印象を受けてしまった。 謎の言葉の解明が本作のテーマそのものになるのだが、こちらは描写不足で少々想像力を使う。 あまり描き過ぎても、すぐに予測できてしまうテーマなので、難しいところがあったのかも。 オーソン・ウェルズの演技はいい。歳を重ねるごとに前髪が徐々に禿げ上がっていく様は、 気合い入ってるなぁと感心した。25歳でこの映画を作ったとは・・・すごい。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-10-30 14:52:16) (良:1票) |
40.オーソン・ウェルズは、監督や脚本家でも一流なのは言わずもがな、役者としてもどれだけ存在感あるんだと。第三の男のハリー・ライム役も格好良かった。ただこの映画、何度も寝そうになったことをここに告白しておく。 【カタログ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-15 21:34:30) (良:1票) |
39.《ネタバレ》 スピルバーグが25歳の若さで「激突!」を撮ってデビューしたのは有名な話だけど、その30年前に同じく25歳でこの映画を撮ったオーソン・ウェルズという人は、少なくともこの映画においてはスピルバーグより偉大だったと思う。学生時代に読んだお勉強系の映像本には必ず「パンフォーカス手法を確立した映画」として本作が紹介されていた。パンフォーカス自体は今となっては見慣れた手法だが、奥行に被写体と演技を対比させる構図はもとより、シャドウとハイライトの印象的な使い分けや、時間を行き来する構成、その時間軸に照明の明暗を振り分けるアイデアなど。何本か観た同年代の映画に較べると、全てが斬新で画期的なことだったと想像できる。しかもストーリーがミステリータッチで「バラの蕾」という臨終の言葉を追いかけ、大金持ちの孤独を解き明かすことをテーマに据える。それが幼少の頃に失くした親からの愛情の象徴であったというオチまでを含めて、極めて完成度が高い作品だと思う。余談だけど、つい最近の「ソーシャル・ネットワーク」も大金持ちの孤独を描いた作品でした。ケーンとザッカーバーグは、富を得る手段も違えば、孤独のカタチも随分と違う。この2作は面白い対称を成しています。その間を流れるのは70年という時間。現代の視点から観た面白さとしては6点。映画表現に残した足跡に敬意を表して、不遜ですが1点プラスさせてください。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-30 23:30:04) (良:1票) |
38.母の愛は大きな存在なのやねぇ。。。 この映画が作られた頃よりも現代の方が、ケーンは大勢いそうな気がする。 【海の雫】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-03-22 21:15:24) (良:1票) |
37.《ネタバレ》 すべてを手に入れ、すべてを失った男。その儚い人生にも誰にも奪えないものがあった。それはバラの蕾に象徴される小さいころの橇で遊んだことや離れ離れになった母との思い出だ。お金では絶対に買えないものと言ったらありきたりな言い方だが、人生において大切にしなければならないものを再認識させらる映画でした。 【ビンセント】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-09-30 21:12:07) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 アメリカ資本主義がもたらした功罪を実在の新聞王ハーストをモデルに描いた秀作。金持ちに金が集まる社会。ウェルズ扮するケ-ンは最初は貧乏だったので、一見貧しい庶民のために社会に貢献する人物のように見えるが、自分の理想とする人物になるために、またそう思われるためにお金を使っているにすぎない。ケ-ンは貧乏から這い上がったわけではない。いわゆる成金。こういうことがない限り貧乏人はいつまでたっても貧乏人で終わるのがこの国の資本主義。ケ-ンのようにどんなにカリスマがあろうとも、それを発揮できる土台=資本がなくてはいけない。たまたまその土台を手にしたケ-ンは同時に愛を失う。お金の力がケ-ンを人を愛せない人間にしてしまった。すべてはソリで遊んでいたあの日から変わってしまった。アメリカンドリームがうたわれる以前のアメリカで社会に問題提議をした作品。金持ちであろうと貧乏であろうと同じアメリカの一市民であるとタイトルが言っている。 【R&A】さん 7点(2004-03-23 12:18:53) (良:1票) |
35.世界映画史上不朽の傑作とまで言われるこの映画。 「カット毎にアイディアに溢れた緻密な演出がなされていて、当時としてはそれはまったく斬新な手法だったんだろう」程度のことは、知識として知っており、理解できたとしても、それに感動できるかどうかは、全く別問題だ。 映画の見方っていうのは、極めて個人的なもので、楽しみ方は千差万別なんだなあ、ということを本作は改めて気付かせてくれる。 だからこそ、誰かと映画について話すとき、いつも新しい発見と喜びがあるのだとも言える。 で、結論を言うと「薔薇の蕾」の謎解きと、一人の孤独な男の生涯に引き付けられはしたものの、ストーリーもオチもややセンチメンタルに過ぎる感もあり、またこの主人公の生涯にさほど魅力を感じることもなく、恐縮ながらこの点数でございます。 【poppo】さん 7点(2003-12-23 18:09:52) (良:1票) |
34.人生における成功ってなんだろう。孤独を抱えて生きる運命の人間は、どんなに努力して様々なものを手に入れても結局は満たされず、老いることによってその空洞は更に深まっていくのだろうか。オーソン・ウエルズの冷え々とした映像も相まってすっかり気が滅入ってしまう映画でした。ところで『ザ・ディレクター・市民ケーンの真実』では「薔薇の蕾」とはハーストの大事なところでは?それくらい小・・(以下略) 【黒猫クロマティ】さん 7点(2003-07-01 11:52:48) (笑:1票) |
33.《ネタバレ》 世界のすべてを手に入れ、そしてそのすべてを失った男の一生。 でも、本当は、“そり”で遊んだあの雪の日から、彼は何も得ていなかった。 時と共に益々深まる喪失感を、ありとあらゆる欲望で埋め尽くそうとする日々を妄信的に過ごした男の悲しい生涯。 主人公が残した「薔薇のつぼみ」という謎めいた一言が持つ真意を、彼の人生を追想するようにこの映画は綴られるが、結局、そんな真意など意味は無いという結論で、物語は締められる(※真意が判明しないという意味ではない)。 その映画の結末も、あまりに冷ややかで、シビアだ。 パンフォーカスの活用方法、ストーリーテリングの“斬新さ”など、映画表現としての発明の数々は、この古い映画を違和感無く観られていることに気づいた時にこそハッとさせられる。 その革新的な映画表現を駆使した絶大なる監督力のみならず、類まれな主人公の生涯を自分自身で演じきってもいる若きオーソン・ウェルズの映画人としての「才気」は、チャールズ・フォスター・ケーンという映画上のキャラクターを超えて溢れ出ているようだった。 人間の普遍的な孤独を描ききった類まれなる映画作品であり、その映画史的な価値の高さを否定する余地は全くない。 ただ、ひたすらに眠かったけどね。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-08-31 00:46:26) |
32.《ネタバレ》 才能があり、成功者であるがゆえに疎まれ、愛されなかった男ケーン。どれだけ彼が求めても誰もくれない。母からも恋人からも誰も。そして彼の良かれと思った行動は全て裏目に出てしまう。決して人には伝わらない。批評記事を自分で書いた時の彼の心境は計り知れない。 彼の死の後に残った大量の遺品はまるで楽しかった頃の思い出にすがる彼そのモノのだ。そしてバラのつぼみも。 そんな本作なだけに見るのがかなり億劫でしたが見ると面白いですね。派手なオペラシーンに所々アニメーションが混ざったり、ミニチュア特撮が入ったりと意外といろんな手法がとられていて、最後の無数にある遺品のシーンは迫力があります。 まぁ今となってみれば若干古臭さは否めませんがケーンに対する救い無いまでの数々は残酷です。 そして名画と呼ばれる本作のラストはあまりにも悲しい。 【えすえふ】さん [インターネット(吹替)] 7点(2018-12-22 21:29:38) |
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31.普遍的なセンスに溢れかえっている。画面こそ流石に白黒で古めかしい感じがするが、そこに描かれているイメージや映像はまさに普遍であり、恐ろしいほどに現代的だ。やはり優れたセンスに時など無縁ということなのだろう。 |
30.《ネタバレ》 撮影技法を開拓したなんかすげえ映画、とは聞いてたんですが、わたくし映画的教養はさっぱりなので、その視点から。まあ、丁寧に綴られた「因果応報」の話ですよねこれは。チャーリー・ケーンは、正しい愛し方愛され方を知らない人間。無償の愛で人と接することが出来ません。それどころか他人の気持ちや幸せを顧みず、己の幸せのみを追求します。その手段も「物」で満たすという虚しいもの。巨万の富を築き、無意味な収集癖に走ります。そんな振舞いを続けていたために、周囲からは「自分に還元するための行為しかし得ない人間」と見限られることに。「おれはこれだけ物を与えてやった、良い環境を作ってやった、その代わりにおれを愛せ」この考えこそが彼の行動原理だと判断されるのです。結果、彼自身が彼を孤独に追いこむことに。しかし、彼が愛を知らない人物となったことにも、ちゃんと原因が存在するわけです。彼の場合、複雑な環境で育った幼少時代がそれでした。父親からは暴力を受け、その父親から守るためとはいえ母親からは手放され、彼は愛情を最も必要とする時期に孤独を突きつけられます。だから愛を知らない孤独な男となってしまいました。そう、彼の孤独は、彼の幼少時の孤独が生んだもの。ケーン自身に責任はいっさいなく、その人格は全て環境の不可抗力によって作り上げられました。人々を翻弄し続けていたようで、実は己の過去の呪縛によって生き方を翻弄され続けていた”孤独の被害者”ケーンの人生を描いた物語、そう映りました。ケーンの親父も、きっと暴力を振るう人格に至った原因があったのだろう、と考えると、この作品はまさに因果のスパイラルを突いた映画、という見方も。さて、面白かったか否かと訊かれると、正直微妙なラインではあるんですが、最後の薔薇のつぼみの複線回収は、なんか気圧される謎の爽快感がありましたので、7点でどうでしょう。 |
29.今見ても最高の映画とまでは思えなかったけど、オチまでのヒントとまとめ方はすごい。1年に2回見たいとは思わないが、数年に1度は見ても楽しめる。 【竜ヶ沢中段】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-02-06 23:29:52) |
28.《ネタバレ》 こういう古典的なものを観るとき、今の考えで、面白ければそれが名作みたいな考えでもって観ると、大変つまらない物になってしまうが、古典文学を読み解くように、何度か観返してみると、だんだん、ああそういうことかと感心する。これが、そういう映画でした。しかし、オーソン・ウェルズ恐るべしです。 【min】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-02-11 20:23:46) |
27.モノクロであることを除いたら古臭さがなく、単純に面白かった。 【amier】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-01-05 22:33:37) |
26.《ネタバレ》 そこそこ楽しめました。 ケーンは常に愛を求め、そのくせ愛を与えられず、もがく様の描き方がとても良かったです。 最後の謎が解ける描写と相まって、とても深い余韻の残る映画でした。 多くの富と、権力、収集物を手にしても、たった一つの欠けたピースの為にこんなにも辛い人生を送らねばならなかったとは。 【タックスマン4】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-11-20 14:02:44) |
25.《ネタバレ》 もう何年も前に観ようとして途中で挫折、今回も観たが退屈・・・しかしラストの意味はわかりました。 そこがわかったところでもう1回見直してみると結構面白かったです(見直してよかった)。 結果的にはものすごくシンプルな答えだったわけですが、少年時代をボーッと観てしまい、 重要なキーをスルーしてしまうとラストが何のことかわかりません。 (映画は油断して観たらいかん、と反省^^;) 映像は、影の使い方による画面一部の強調や、時系列の切り替えの表現の工夫などにより、モノクロで暗い映像なのに苦痛なく観れました。 撮影手法など専門的なことはわかりませんが、たとえ素人でも感じられればそれでいいと思いますので・・・ ただ、作品レベルは最高でも、私のような映画ビギナーが1回観ただけではよくわからない、という点はマイナスポイントだと思います。 また、作品とは関係ないのですが、最近のわが国の状況をみると「絶対権力者」やマスコミとは怖いものだとつくづく思います(苦笑) 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-04-29 18:16:10) |
24. 鑑賞後の満足度は世代に反映されると思う。 現在、この手法を発展させて、様々なサスペンス映画が製作されているので、若い人ほど、さほど驚かないだろうが、年齢が高い人間ほど、その斬新さを感じ、記憶はいつまでも残ると思う。 因みに現在、様々なメーカーからDVDが発売されているが、個人的には吹き替えが収録されているマックスターをお勧めする。 吹き替えは、ただ字幕を棒読みしたものではなく、無名かもしれないが、ちゃんとした声優が字幕とは違う「日本語」を話してくれる。 字幕を追ってストーリーを追求するのとは解釈が違ってくるはずだ。 英語を理解できない日本人にとって、字幕とは記号でしかないのだ。だから私は吹き替えをお勧めする。 最悪なのは、淀川長治の解説を収録したアイ・ヴィー・シー。絶対にお勧めしない。あの爺さんは、ラストまで全て語ってしまっていて、早送りしない限り、冒頭から自動的に再生されてしまう。 オーソン・ウェルズだったら「第三の男」のほうが絶対お勧め!! 【クロエ】さん [DVD(吹替)] 7点(2008-12-22 01:27:47) |
23.謎の言葉を残して死んだ新聞王の人生をぶつぎりで見せていく映画です。派手さはないですが、じっくりと見させられます。愛のない人生は切ないですね・・・。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-05-07 18:12:06) |
22.この映画を観る以前に、「刑事コロンボ 攻撃命令」を観ていたばかりに、肝心要の「薔薇のつぼみ」の由来が早々に分かってしまい、面白さ半減してしまいました。 映画マニアでもない私が観ても「カッコイイ」と思うような画面づくりや、凝ったストーリー。この辺が傑作とされる所以なのでしょうか。 オーソン ウェルズ、若いのに見事な老けっぷりですね。ケーンの孤独がひしひしと伝わってきました。 【ゆきむし】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-01-19 20:38:33) |