21.《ネタバレ》 『がっつり法廷もの』を想像していたのですが、予定とは少し違う内容でした。 一人の女性が労働者としての正当な権利を獲得するまでの『プロセス』を、職場、友人、家族を通して描いたものですね。 見応えのある作品です。その一方で、精神的にやや疲れる作品でもあります。なにせ、全体の8割は、主人公のジョージ・エイムズと共に四面楚歌状態を体験しなければならないのです。見るときには気力が必要。くたくたになります。 もちろん、その抑圧された空気は、後半のカタルシスへと一気に昇華されるので、後味は悪くありません。 やや卑猥な発言や、ちょっとした落書きなどは、個人的にはイタズラ程度で済まされそうなもの。後半はエスカレートしてきますが、それもジョージーの過剰な反応が招いたものという気がしないでもありません。ですが、それでも後半のジョージーに対する仕打ちは相当なもので、絶対に許されるものではありません。 ややヒステリックで、『自分だけがかわいそう』なジョージーが感情を抑制できずに、周囲を傷つけるため、前半はジョージーにも共感できません。父親も同様です。 だけどストーリーが進むにつれ、過去の真実、父親の本心が明らかになり、いつの間にかジョージーたちに同調している自分がいます。 ボビー・シャープの心変わりが唐突だったり、ジョージーの家庭を壊す要因となった高校教師はそのまま放置されたりと、もやもやしたり気になったりする部分は結構あります。 そういった点をふまえたうえで、ラスト、法廷で皆が立ち上がるシーンは心にぐっとくるし、いつの間にか泣いていたので、やはり良い映画なんだと思います。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-05-12 08:52:33) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 私は男性です。そして、現在のフェミニズムは「男女共生」を越えて「男性蔑視」の領域にまで足を踏み入れているので賛同し難いと感じているし、男女間には厳然とした差異があるのだから、社会においてある程度の棲み分けが発生するのは仕方がないというのが私の持論です。そういった点において、私は本作の主人公と敵対する側にいる人間なのですが、そんな私でも本作には素直に感動できました。とにかく脚本が良すぎるのです。サジ加減を間違えればお節介な啓蒙映画になりかねなかったこの題材を、ここまで見事にまとめてみせた手腕は賞賛に値します。。。 やむにやまれぬ事情でシングルマザーになってしまった、しかも家のローンもある。主人公が高収入の仕事に拘らねばならなかった背景をコンパクトにまとめた序盤から、その仕事ぶりは絶好調です。同様に、主人公以外の登場人物についても各々の背景や行動原理が的確に伝えられており、そのことによってドラマが非常にわかりやすくなっています。全体の構造も戦略的によく練られていて、社会問題を扱いながらも中心はあくまで家族の物語としたことで共感の接点が広がっているし、小難しい法律論を最小限に留めることで混乱が避けられています。「仲間を二人集めることができれば勝てる」という単純な図式にまで裁判を落とし込んでいるのです。さらには、仲間二人を集めることがいかに困難であるかという点も十分に描き込まれていて、最後までハラハラさせられます。閉塞的な田舎を連想させる原題が示す通り、舞台はNYやLAではありません。ひとつの炭鉱が消費し、納税し、職を生んでいる。街全体が炭鉱によって生かされているという状況において、これに戦いを挑むという行為は街全体を敵に回すことと同義なのです。その他、主人公に対するセクハラ行為や悪意あるウワサなどでは心底不快な思いをさせられるし、後半になって意外な人物が味方に加わるという展開には燃えさせられました。娯楽的なツボもよく心得ているのです。。。 唯一の不満は、ラストのまとめ方が安易過ぎたこと。悪意ある証言者を弁護士が汚い言葉で挑発し、証言者はその挑発に乗ってしまうという展開は、さすがに非現実的すぎるでしょう。一連のやりとりに感銘を受けて傍聴者全員が主人公に賛同のパフォーマンスをとるクライマックスも作り物的過ぎて、ここで一気に冷めてしまいました。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-03-20 02:52:08) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 「女性」として、そして「母親」として、あるいは「娘」としてのジョージー・エイムズという人間をシャーリーズセロンが見事に演じきった。自分の力だけで子供たちを育てていきたいという芯の強さ。弁護士、父、母、同僚、友人多くの人々に支えられながら、決して泣き寝入りすることなく常に戦い続けたいという激しさ。不当に罵られた際に親友や子ども、周囲にあたってしまう弱さ。父や周囲に蔑まれても「過去」を一人で抱えてしまう「苦しみ」。セクハラや恐怖に対する怯え、苦しみ、怒り、やるせなさ。これらの複雑な感情が観客にもダイレクトに伝わる迫真の演技だったと思う。 しかし、全般的に優れた作品で穴がなく、かなり「リアル」なストーリーなのだけれども、どこか「押し」の強さや盛り上がりが足りない感じもした。最初8点くらいの作品かなと感じていたけど、そこまで高得点を与えてよいのかと悩んでしまう映画だった。 そして、個人的に残念だったのは法廷シーンが少なかったこと。本作で日本にはないクラスアクション制度(集団訴訟)について少し勉強できるかなと思っていただけに残念。不勉強ながらちょっとかじったことがあるのでクラスアクションについて知っていることを書くと、普通の一般の訴訟では、被害を受けた被告と原告が、自分の権利を巡って争うものであるが、クラスアクションは、クラス(本作ではセクハラで被害を受けた女性のすべて)を代表して、クラス全体の権利を個人が争うものである。勝手に他人の権利を処分することになるので、クラスにいる者には通知する必要があるが、クラスにいる者は積極的に「除外(オプトアウト)」の手続きを取らなければ、判決の効力はクラス全体に及ぶという制度である。いろいろと弊害も多い制度(自己の権利が勝手に他人に処分されるおそれ、高額な賠償額による企業経営の切迫、弁護士の金儲けの手段)であるので、EU諸国でも導入されておらず、おそらくアメリカ特有の制度である。アメリカでも、今ではクラスアクションをなんとか押さえ込もうとしている始末であるため、日本で導入されることはまずないでしょう。日本にも選定当事者制度(あまり利用されていない)という類似の制度があるけど、こちらは被害を受けた複数の者が、自己の権利を被害を受けた者に委任して、一人ないし複数が代表して訴訟を争うものである。似ているけど、本質は大きく異なる。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-21 23:33:20) (良:1票) |
18.もっと気が滅入る作品かと思っていましたが、それほど説教くさい作品ではありませんでした。この邦題も「なんだかなぁ」と不満に思っていたんですが、映画を見たら、それなりに納得もいきました。シャーリーズは本当に目に力のある良い女優さんですね。才気や意志の強さが前面に押し出されていて、嘘くさいまでの美貌も邪魔にならない。それに共演陣もバランスが取れていました。もともと私はショーン・ビーン目当てで観に行ったのですが、彼ふんするカイルみたいな男性がいたらぜひとも結婚したいぞ!と思わせる素敵な男性だったし、カイルの奥さんグローリーが女性から見てとても魅力的。(フランシス・マクドーマンドは相変わらず上手い)パパのスピーチのシーンは感涙でした。ただし、カップルでこの映画を見に行くのは止めたほうが良いと思いますよ。 【付記】ここで描かれるセクハラはけして過去形に私には見えません。パワハラなど形を変えて日本にも存在します。普通そういう状況に陥ると、職を変わるなど、できるだけ楽な道を選ぼうとすると思うのですが(もちろん、それだって楽なわけではありませんが)主人公のジョージィはあえて一番険しい道を選んで立ち向かっている。その姿に私は心打たれました 【HIDUKI】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-01-26 13:52:17) (良:1票) |
17.《ネタバレ》 法廷シーンとそれ以前の鉱山での出来事やもっと若い頃の出来事を巧く絡ませて、物語は進んでいきます。シャーリーズ・セロンの表情での演技がとても良く、母として、娘として、女としての苦悩が痛いほど伝わってきました。フランシス・マクドーマンド、ショーン・ビーン、ウッディ・ハレルソンと、好きな俳優さん達が出ているから観に行ったのですが、3人は勿論、シャーリーズ・セロン演じる、ジョージーの父役、母役、息子役も見事にそれぞれの繊細な役どころを演じていると思いました。親が子を想う気持ち、子が親を想う気持ち。割り切れない思いと、断ち切れない過去を抱える様子は本当に切なく、分かり合えない父と娘、母と息子が次第に解氷していく展開は、予想通りながらも十分に泣かせるモノがあったと思います。また、ジョージーとグローリーの友情も見ていて胸が熱くなった。決して包み込むような優しさではないけれど、群れない強さと甘やかさない優しさを持ったグローリーは、ジョージーにとっては今、この時必要な人だったのだろうと思います。今でこそ市民権を得た「セクシャル・ハラスメント」ですが、ジョージーのような人たちの闘いによって勝ち得たものだと再認識しました。2時間余りの映画でしたが、実際にはかなりの時間と労力を費やしたでしょうし、女性の人権、地位向上、男性の意識改革に大きな役目を果たした功績に感謝しなければいけませんね。多分、事なかれ主義の私だからこそ、頬を叩かれ、目が覚めた思いになったのでしょう。あの時代、あの状況で、あの法廷に私がいたとしたら、立ち上がっていただろうかと・・・ 【プリシラ3103号】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-01-21 19:03:04) (良:1票) |
16.この手のかわいそうな女性役をシャーリーズ・セロンは天下一品だ。いずれにしろ、今まで男の世界だったところに女性が入ればセクハラを受けるのはよくある話。まあ、言葉だけなら笑って流せても、行動に生じると話は別になってきて、それを見て見ぬ振りをするのはさすがに問題なわけで、一人の女性が立ち上がるのだが、まあ、実話を元にしているということなので、そうなるだろうなと、展開に驚きがあるわけではない。それでも、飽きさせることなく、最後まで引き込まれてみてしまう面白さがあり、人にお勧めできる一本だった。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 7点(2014-09-26 14:44:05) |
15.《ネタバレ》 まじめな内容に5点、お父さんのスピーチに+1点美しすぎるシャーリズに+1点です。シャーリズの髪型がよかった。撮影のためのスタイリストがかっこよくしてくれてるにしてもうらやましすぎる~。美人にあのヘアスタイル←好き好きでしょうが、昭和なもので、かこいい段カット(狼カット?かまやつではない)に弱いのですわ。 弱いと言えば、炭鉱町のお父さんってどうしてあんなに泣かせてくれるのでしょうか?「リトルダンサー」にしろ、「遠い空の向こうに」にしろ・・。特に、成人した娘とのかかわりだったので、スピーチでは思い切り泣かされました。 ただ、裁判が、、、レイプだったか?のところで、不自然に感じました。それまでいじめまくっていたのに、あそこであおられて?!ハートロッカーの俳優さん、上手いだけに、なんだそら?みたいな。実話って裁判の様子も実話かなあ??? 自分が実生活で非常に厳しい就職活動をしているので、「男の仕事を盗んでいる」と言われれば、それはそうかも・・とも思いました。でも、シングルマザーは自分のできる仕事で時給換算して一番身入りのいいやつをとりに行くしかないし。前職の何倍もの収入って・・シングルマザーが住宅ローンも組めるって・・。サブプライム? 【rainbow】さん [地上波(吹替)] 7点(2011-03-06 22:00:18) |
【承太郎】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-05-04 18:35:01) |
13.絶対セクハラ野郎の役だと思ってたウディ・ハレルソンが真面目な弁護士役で登場したことに何より驚きました。でも意外と似合ってて良かったです。それからフランシス・マクドーマンドとショーン・ビーンの夫婦は素敵でした。マクドーマンドはやっぱり上手いし、ショーン・ビーンの繊細で優しそうな演技は良い。実話をよりドラマティックに脚色したのがよく窺える作品でした。 【ピカレスク。】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-20 21:49:51) |
12.シャーリーズ・セロンとフランシス・マクドーマンドの演技が素晴らしかったです。内容としてはありがちですけどこの系統の作品は嫌いではないので見応えはありました。 【ギニュー】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-11-13 19:47:31) |
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11.シャーリーズ・セロンは素晴らしく、ノミネートも納得。ものまねモンスターよりこちらで受賞して欲しかった。なんだかんだ言っててもさすが親父で、あのシーンは泣かせてもらいました。邦題も○ 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-07-24 19:28:41) |
10.コレが本当なら、まさに糞にまみれた会社だな。 |
9.《ネタバレ》 “モンスター”のイメージ強烈すぎたが、2年後はこの姿。セロンも30歳、でも綺麗。男の世界の鉱山にこんな綺麗な、細い人が働くのは無理すぎる。それこそモンスターなみの容姿が似合う。でも綺麗からセクハラの真実味がでてくるのか・・・。いい作品でした。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-01-30 00:31:32) |
8.《ネタバレ》 「スタンドアップ」というタイトルと、内容予告を見てサリー・フィールドでも出てきそうな映画を想像していました。この手の映画は個人的に好きなタイプではなく、ストーリーにも目新しさはなかったのですが、最後まで興味を失わずに見ていました。シャーリーズ・セロンの役柄は下手すると、「告発の行方」のジョディ・フォスターとかぶってしまい、蓮っ葉になるか、被害者妄想が強くなるかの難しいと思いますが、娘としての母親としての感じ方まで伝わってきて上手だなあと思いました。自分がレイプされたと言えなかった理由も、父親がそれを知らずに娘を嫌っていた理由も、田舎町での生活を思うと納得のいくものでした。 フランシス・マクドーマンド、シシー・スペイシックは相変らず良いキャラだなあと思いました。「スタンドアップ」というタイトルはどうかと思いました。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-11 05:53:05) |
7.良い話でした~ 思ったほど感動はしなかったけど.. やはり、世の中..悲惨な事件が多すぎて、ほとんど驚きがなかったからかな..慣れって怖い... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-07-03 16:55:43) |
6.本当にやりたいと思ってしてた人、罪の意識も感じてなかった人は極少数だと信じたい。父親さえもこんななのかと落胆したけど、やっぱり親子の愛があってほっとした。だからあんなやつの子供でも関係なく愛情をたっぷり注げる女性になったんだ・・・。こんなに頑張ってる女性の姿見ると自分が恥ずかしくなります・・・。 【桃子】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-06-27 21:02:03) |
5.《ネタバレ》 実際の法廷論争は10年近くにも及んだとの事ですが、本作品ではその辺の時間的な奥行きが描かれていないのが少々残念です。ストーリーとしては良かった(良かったと言うよりは考えさせられた)実際集団の中に居れば、男女問わず弱い者や変わり者に対する偏見はある訳で、結局それはもう人間の性なのでしょうね。しかし、そのセクハラをする理由のなんたる情けないことか、「女が男の仕事を奪っている」とは発言してて恥ずかしくないのかと思ってしまう。自分は常に“赤い選手”で有りたいと思います。 【みんてん】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-06-09 00:54:09) |
4.シャーリーズ・セロンの演技がオスカーもんの素晴らしさでした。 内容はかなりの重たいセクハラなんで、女性にはあまりお勧め出来ない映画かも。 【ひで太郎】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-02-08 21:12:08) |
3.よかったです。シャーリーズますますファンになりました!! ほんとかっこよかった。男って最悪とおもうと同時に、やっぱり男っていなきゃいけないなとおもった。けど、ジョージーの高校時代のはみててつらくなった。。泣 そらしちゃいけない現実だけど。。 【ギニュー隊長★】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-01-24 20:00:37) |
2.《ネタバレ》 お父さんのスピーチが良かったです。 【たま】さん [映画館(字幕)] 7点(2006-01-14 20:45:18) |