2.《ネタバレ》 男が森を歩く姿が延々と映される。いや、歩く男がいる森が延々と映される。その森はもちろん美しく撮られているんだけど、それ以上に妙な緊張感をはらんでいる。何かが起こりそうな。『エレファント』に次いでこれもまた『ジェリー』の遺伝子を露骨に継承する。しかし上記2作品のような「陰」のイメージが現れそうで現れない。ひたすら「孤独」ではあるのだけど。そして「陽」のイメージがところどころでフッと現れたりする。作中の主人公はラリっているようにも見えるが、その奇行ぶりはドラッグによるものというよりも天才ゆえの奇行として描かれているようにも感じる。そこにヴァン・サントのカート・コバーンへのリスペクトを感じる。謎に満ちた男の死を興味本位で語らない。貶めない。ただ死ぬだけ。マイケル・ピットがものすごく様になってた。