1.《ネタバレ》 ややっ? 世間の不評悪評を覚悟の上で見に行ったら、意外にも良かった、感動しましたよ? そりゃもう韓国映画のベタな物語を4つ合わせただけ、みたいな状態ではありますけど。ガンに冒された母と、その息子。消防士と、その恋人。耳の不自由な少女と、絵描きの青年。別れ話の代行をする男と、その恋人。それぞれがどんな物語になるかなんて「はいはい、毎度のパターンね」って判ってしまうようなもので、実際その通りの展開しかしません。また、それらが同時進行で描かれるために、どうしても薄くなってしまうエピソードがあるんでないの?と思われそうですが、これもまたその通り。ええ?アレで終わり?ってエピソードもあります。同時進行ですから、当然クライマックスに怒涛の泣かせに突入しますが、あっちで泣かせ、こっちで泣かせと、どうも泣かせも集中できずに散漫になりがち。1つ1つ独立した映画にした方が良かったんじゃないの?というツッコミも否定できません。でも、リンクしている部分の構成なんかは結構楽しめますし、ベタさ加減を全面的にとことん味わいましょうって姿勢で見るのならば、やっぱり「ああ、ええわぁ」って思えます。韓国映画のベタなところと同時に綺麗なところだけを濾過して描いている状態なので、世界から雑音も響いてきませんしね。動き過ぎなカメラワークが煩わしく感じましたが、まあ、深い味わいはないけれど、韓国映画ベタベタバイキングとしてはお腹いっぱいになれます。個人的には着ぐるみ少女のエピソードをもっとたっぷりと1本で見たかったですが。