12.メルヴィルの『白鯨』と言えばもう、物語とも捕鯨論文ともつかない誠に壮大な小説で、壮大過ぎて、最初一人称で語っていた筈のイシュメールが途中で行方不明になってしまう不思議な話ですが、レイ・ブラッドベリとジョン・ヒューストンは、意外な程原作に沿って、脚本を組み立てています。小説は中学の頃に背伸びして読んだので苦心惨憺して読みましたが、後にこの映画を見た時、ウンそういや確かに、(うまく纏めると)こんな劇的な物語なんだよなあ、と改めて思わされました。でも、誰かもう一度映画化してくれないかなあ。可能な限り原作に忠実な、4時間くらいの退屈な映画に。 【鱗歌】さん 7点(2003-06-28 09:38:51) (笑:1票) |
11.《ネタバレ》 原作未読。恥ずかしながらエイハブが独りでモビーディックと闘う話だと今日まで思っていました。多くのクルーの仕事ぶりが興味深く、リチャード・ベーズハート、レオ・ゲン、ハリー・アンドリュース、フリードリッヒ・フォン・レデブールの個性豊かなキャラがグレゴリー・ペックに劣らぬ存在感でした。結末は心底仰天、あの場面でレオ・ゲンに心変わりさせたのは何なのか? 一人を残して道連れにさせられたクルーに出航時を思い消沈であります。1956年製の映像はなかなかの迫力の力作を堪能しました。 |
10.《ネタバレ》 初見は放送で観た吹き替え版。40年以上昔で小学生だったと思う。子供ながらに、とても重々しいものを感じました。自分の死を悟った銛打ち大男に他の船員がイタズラするシーンや、白鯨に磔にされたエイバブの手招きシーンが強く印象に残っていました。久しぶりの再見で感じたのは、「白鯨対エイハブ」は「自然対人間」の代理戦争なのかな、と云うこと。人は自然の猛威には敵いません。でも、人の歴史とはそれを克服しようとした努力の積み重ねとも言える。エイハブの場合は努力と云うより恨みと執念でしたけど、それも人のエネルギーのひとつで否定したくはない。付き合わされる船員には同情しますけどね。 それと、昔の船乗りの文化、特に捕鯨文化が映像で観られる意味で貴重な作品だと思いました。鯨を狩り、脂を搾り、港に戻って家々に明かりを灯す。人はそうやって生きてきたのですね。 余談。私は小学校の給食で鯨の肉を食べて育ちました。特に美味しいとは思わなかったけど、あの頃はあたり前に食べていました。現在は鯨をはじめとした一部の哺乳類を食することを極端に糾弾する方々がいますけど、じゃあ、牛や豚はいいのか、と思っています。野生の鯨と食用に飼育される動物は決定的に違うのだろうか? 小さな手羽先ふたつで命がひとつ。そんなことを考えながら飲み屋で手羽先を注文する人はいない。私は手羽先も牛肉も豚肉も好物です。まとまりナシ。 【アンドレ・タカシ】さん [地上波(吹替)] 7点(2018-03-28 01:26:33) |
9.《ネタバレ》 おーっ!ジョーズよりも遥か昔にこんなパニック映画がありましたか。何年も昔、白鯨に傷を負わされたエイハブ船長が、復讐のために白鯨狩りに向かう話。圧倒的な力の前に船員は戦意を喪失する。そんな中、エイハブ船長ただ一人が勇敢に立ち向かう。何度か銛を突き刺すも、白鯨とロープの間に挟まれたまま海に引きずり込まれ命を落とす。死して尚、船員に手招きし白鯨狩りを促す執念は強烈でした。ストーリーは単調なものとして、ど迫力な映像に力を入れ「目」で楽しませた本作。結構楽しめました。 【スノーモンキー】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-12-21 18:24:13) |
8.白鯨という大作を詰め込むにはとても足りない時間でしたが、原作のエイハブの執念が上手く表現されていたと思います。原作で好きだったクィークェグも雰囲気が出ていて中々の好演でした。 【TAKI】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-03-07 01:22:39) |
7.何が何でも白鯨を倒してみせるぞ!という執念をグレゴリー・ペックの演技から感じられる。クライマックスの鯨との闘いのシーンは凄い迫力を感じさせる。物を獲ることへの執念深さをこの映画から教えてもらった気がする。諦めてはならない。諦めたらそこで全ては終わりであるということをこの映画は教えてくれる。ストーリー自体は特別に面白いとは感じないけど、映像の迫力(この迫力はCGなんかでは出せない。)と勝負に対する拘りの凄さ、色んなことを考えさせられる作品として見応えありの映画としての評価という意味を込めて7点付けたいと思います。 【青観】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-22 19:47:48) |
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6.エイハブ船長が復讐心から憎悪の塊となり自らがモンスターとなっている様子はじっくり見せていますが、グレゴリー・ペックのエイハブ船長は少々違和感を覚えてしまいます。私の中では彼は紳士のようなイメージですから憎悪に飲み込まれ狂気の沙汰となっている複雑屈折キャラのエイハブには迫力不足なのです。この作品の主役は白鯨ですけれど白鯨はエイハブと表裏一体とも言えますので、エイハブの魅力が存分に発揮されないと作品の魅力も低下してしまいますね。映像に関しては確かに現在観ると作り物感が漂いますが、当時を考えると迫力があり、〝モビー・ディック〟の神格化もまずまずです。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-15 22:11:50) |
5.なんと言っても神をも恐れぬ復讐の鬼、エイハブ船長ですねー。子供の救助を拒否したり、無茶な命令をしたりと問題は多いし嫌悪感を感じつつも、船員同様、彼には惹きつけられました。神であれ悪魔であれ人間に越えられないものはない!エイハブはそう主張してるように思います、なんて言うか人間の神宣言みたいなことですね。そして、そういう力強い宣言をする人間には危険だと解りつつも惹かれるし、最後は巻き込まれて破滅してしまう、映画で言えばスターバックスですし、おそらく私もスターバックスのような人間だろうと観ていて感じました。エイハブは現在のアメリカ人や日本人が目標とする「強い人間像」の象徴のようで、その危険性を感じないまま目標にしてるようで怖い感じがします。ちなみに原作(翻訳)は読みたいと思うだけど、鯨の専門書みたいという話を聞いて悩んでる最中です。 【ペリエ】さん 7点(2004-08-15 20:56:07) |
4.ハーマン・メルヴィルさんの「白鯨」、僕も読みましたよー。名作ですもんねぇー。この映画も、これはこれでとても面白かったです。人間味とスペクタクルがいい感じに合わさってますね。まぁ今観ると模型とかちゃちいとか思っちゃうんですけど、でも半世紀も前の作品なんですもんねぇ。白鯨にしがみついて戦う船長の姿は忘れられません、、。 【あろえりーな】さん 7点(2004-06-21 22:12:22) |
3.なんともくすんだカラーの映画が印象的でした。エイハブ船長役のG・ペック亡くなりましたネ。合掌。 【KINKIN】さん 7点(2003-06-22 19:25:54) |
2.アメリカ映画としては比較的珍しい海洋もの。ジョンヒューストンの映画はどれも素晴らしいものばかりですが、この映画のラストはなんか「パーフェクトストーム」みたいな感じがして少し複雑な気分になりました。 |
1.中学の頃、読書感想文を書いて賞をもらったので(笑)、とても印象深い作品です。メルヴィルの原作を(翻訳で)読んだとき、"落ち穂集"が最初にあったりして、クジラについての様々な見方を提供していたのが印象に残っています。あれだけの大作ですから映画化するとなるといろいろと制約もあり、なかなかそのままというわけにはいかないのですが、わりと忠実にストーリーを追った展開だという印象は持っています。確かに古い映画なので、特撮シーンのちゃちさ加減は、今の目で見ると笑ってしまうのですが、全体の話の構成力はちゃちではないので、それなりに楽しめるとは思います。ラストで、クイクェグの棺桶につかまって助かるイシュマエルが、なぜか後年の「Uボート」でラストに助かる記者とダブってしまうんです。ペーターゼン監督はあのシーンに「白鯨」を意識しなかったですかね?私はそういうものを感じてしまいました。 モビー・ディックが日本近海を回遊していたとかいう面白い話や、宗教的な背景を描いた上で、現在の技術によるリメークを観てみたいという願望は、結構あるんです(笑)が、ただし、誰がエイハブになるんだろうなという懸念はあります。今だったら、ゲイリー・シニーズあたりどうでしょう?(笑) あとは、ジョン・マルコビッチとか。皆さんは配役をどう考えますか? 【オオカミ】さん 7点(2002-12-24 10:12:17) |