39.ソフィアローレンとウクライナ娘の180度正反対の個性。見るからに性格がよく品行方正なウクライナ娘、善人であり偉いのは確かにこの娘だと思います。でも私はソフィアローレン扮するジョバンナの愚かさにこそ強い魅力を感じました。私も彼女同様の愚かな女だからかも知れませんが、私が魅力を感じる女性像って弱く脆く愚かなダメ人間なんですよね。私も最愛の男の生死さえ分からない状況で、理性的な判断をする自信はありませんし、取り乱すのが正常の人間らしい反応のようにも思います。現時点では少なくとも、戦争という運命に翻弄され苦悩する女性像を、戦争を知らない能天気な自分が非難することだけはできない気がします。私はこういう前のめりに情熱的に生きている、一般的には手におえないと言われてしまうような女性像が非常に好きです。最後には唇を結んで彼を見送る気丈さを見せたジョバンナは、十分偉かったと思いますよ。 【ちか】さん 7点(2004-06-16 18:56:30) (良:4票) |
38.《ネタバレ》 最初に見たときは、どうしてマーシャはイタリア語が通じるんだろう? とか、まだアントニオは記憶を戻してないんじゃないか?(勘違いだった) とか、アントニオのお母さんが可哀想じゃないか とか、かなり穿った見方をしてグルグルしていたんですが、ラスト近くの、アントニオの電話に「もう男がいる」と答えるジョバンナの台詞は、最初嘘をついてると思ったのですが、赤ん坊の存在で真実だとわかった時、蝋燭の火から、普通の室内照明に照らし出された二人の歳をとった顔が二人の弱さを映し出していて、ここの光の演出が印象に残りました。 最後に列車に乗って離れていくアントニオから、冒頭と中頃に登場したひまわり畑のまったく変わらない満開の花を見たとき、「膨大な時間が流れたんだなぁ。」と感じ、切なくなりました。 良い映画だと思います。 【あした】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-10-22 18:36:55) (良:3票) |
37.《ネタバレ》 シェルブールと同様、誰も悪くない誰も責められない、ただ時代に翻弄された切ない男女の物語。若い頃に鑑賞したときは、煮え切らないしょぼくれ男や未練たっぷりなのに意地っぱりなプライド女のことをもうちょっと突き放した目で見ていた気がするが、いざ二人の年齢に近くなって再見するともう何もかもがわかりすぎて切ない。恋愛って自分と相手以外のことを思いやった時点である意味負け。勝ってるけど負け。年齢を経てくると「ものわかり」なるものが良くなって、どんどん負けが越すのだろう。だから負ける映画に泣けて泣けて仕方がなくなる。 【りんす】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-20 00:51:26) (良:1票) |
36.オープニング、青空の下一面に咲くひまわりとマンシーニの音楽の美しさに心を奪われました。(ただ途中、マンシーニの音楽が壮大すぎてちょっと雰囲気と合ってないかな?という気もしましたが)そして物語の途中、その美しく力強く咲くひまわりに隠された悲しい秘密が語られます。エンドクレジットでもどこまでも続く一面に咲くひまわりが映し出され、この作品は終わります。エンドクレジットの最初にアップで映し出されるひまわりは観る我々に戦争の悲惨さを訴えかけているかのように感じました。戦争によって人生を大きく変えられてしまった男と女を演じるマストロヤンニとローレンの名コンビによる名演が実に見応えのあるメロドラマであると同時に反戦映画としても素晴らしい作品だと思います。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-12-22 11:44:14) (良:1票) |
35.この映画は対比法が絶妙である。夫を探してジョバンナがロシアへ到着した場面では行き交う人々が皆、明るい服装をしているのに対し、彼女だけが地味で暗い茶色の服。前向きに歩み出した社会から取り残されている主人公を意識させる。夫との再会の場面では、歳を重ねたジョバンナに対し、若く可憐な妻が現れる。性格も勝気なジョバンナと正反対の控えめな女性だ。そこで知る残酷な現実。戦時下に生死を彷徨った極寒のロシアに対し、真夏を象徴するひまわり。ひまわりが見事に咲き誇るほどに、引き裂かれた2人の運命を際立たせる。情感たっぷりの音楽が力強く響き、エンドクレジットのひまわりが逆に悲しく見える。 【やすたろ】さん 7点(2004-05-04 14:54:12) (良:1票) |
34.反戦映画として評価しろと言われれば、微妙です。理由は(1)この二人のように強く愛し合っていなければ場合によっては幸せな結末となる。(2)戦争でなくてもあり得る設定。たとえば『シーズ・ソー・ラブリー』は精神病院に入れられてる間に相手が結婚し...という話。だけどだからといってこの映画を否定しているわけではなく、悲恋モノとしては自分たちの意識が届かぬところで運命を左右される戦争を原因とすることで、無情感がいっそう引き立つ良作になっていると思う。反戦を全く感じないわけでもありません。ひまわりと対比させたたくさんの墓標には反戦を感じます。交渉に交渉を重ね初めて外国のカメラが入ったというソ連での撮影は当局の目もあってかソ連の描写が好意的で、ソコがかえって名作となし得たところかも。 【R&A】さん 7点(2004-03-08 12:09:09) (良:1票) |
33.彼は伊男の典型なのかな?かっこよくて優しくて頼りなくてマザコン。彼の運命が情熱的な2人の女性に握られているのを見て、人を動かすのは情熱なんだなと改めて思いました。 【おやつウサギ】さん 7点(2002-04-12 22:10:24) (良:1票) |
32.《ネタバレ》 戦争未亡人の話。ニノロータの曲とひまわり畑の中を歩くソフィアローレンが印象的な映画 【にけ】さん [映画館(字幕)] 7点(2019-01-01 12:15:36) |
31. 油彩画のような色使いで、奥行きのある重厚な画作り。特に前半はフィルムの質感が活かされた陰影に富む映像美。 たくましい生活感と愛にあふれる女性像は、家族愛を描くイタリア映画らしさを感じる。さらに、戦争が引き裂く愛にネオレアリズモの一端をみた。 S・ローレンとM・マストロヤンニの演技は喜怒哀楽が程よい表現。他の出演者ではL・サヴェーリェワが愛らしく適役。出演場面がわずかながらアントニオの母役A・カレーナも忘れ難い。 一面に咲き誇るヒマワリ畑は戦没者の墓標でもあろう。冷静に搾油・食用目的と考えれば景観美は感じないが、印象的でいい場面だ。情感たっぷりの音楽も心に残る。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-03-11 12:52:14) |
30.しんみり、じっくりと進んで、恋愛映画として楽しめました。 【へまち】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-08-05 23:17:14) |
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29.《ネタバレ》 リバイバル上映で初めて見ました。ヘンリー・マンシーニのあまりにも有名な哀愁漂うテーマ曲のためか、見る前は切ない物語だろうと思っていましたが、結局のところ単なるメロドラマでした。物語の展開はそれほど激しくなく、戦地のロシアで死にそうになった主人公の夫が現地の人と家庭を築いてしまい、主人公である妻がロシアまで夫を探しに行き見つけるも、結局どちらも新しい家庭があり子供もいるためそのまま分かれてしまう、というストーリーです。今だったら(それがいいか悪いかは別にして)もっとドラマチックなストーリーにするところですが、公開当時(1970年)はこれで良かったのでしょうね。イタリア映画であることもストーリーにあまり起伏がない一因かもしれません。主人公である妻はソフィア・ローレンが演じていますが、いかにもなイタリア女を上手く演じています。現在は美人の基準が変わってきていているのでもっとマイルドな顔の女性が美人の代表として見られていますが、ソフィア・ローレンのような気の強そうな顔の美人はもう出てこないのかもしれませんね。 【MASS】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-06-11 19:17:22) |
28.《ネタバレ》 第二次大戦の欧州での主戦場・東部戦線を描いた映画として、ドイツ側から描いたものが「戦争のはらわた」、ロシア側から描いたものが「スターリングラード」、そしてイタリア側から描いたものが本作という事になるのでしょうか。主人公は徴兵を忌避する為に新妻と共謀して精神病を偽り→それがバレて最もキツイ前線に送り込まれ→行軍だけであえなくダウン→あまりの男前ぶりに一目惚れした現地のロシア少女に介抱され命を取り留め→そのまま結婚→戦後、情熱的な本妻に居場所を突き止められドロドロの三角関係に・・。 戦場の緊張感漲る前2作と比べると、何とも享楽的といおうか見事なまでのヘタレぶりw 「ヘタリア」だとか「次はイタリア抜きでやろうぜ」とか言われるのも御尤もって感じです。 ただし芸術的な感性は凄い。画面の1つ1つが絵画のように美しく、悲惨な東部戦線の描写も前2作より遥かに実際に近いイメージで尚且つ幻想的。映画としての美しさは他の2作の追随を許さないです。各民族にもそれぞれ一長一短があるのだな・・と思いました。まさに世界の放蕩没落貴族ですねイタリア。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-08-04 12:36:40) |
27.《ネタバレ》 メロドラマの傑作として名高い作品。観終わった感想は率直に言うと「フツ~」という感じでした。勿論、主役の二人が辿る悲劇には感動させられてしまいましたが。特にジョヴァンナがやっとのことでアントニオに会えたのに彼は既に結婚してて子どもまでいる、その現実に打ちのめされて列車に飛び乗るシーンは良かったです。 オープニングとエンディングの向日葵畑の映像は圧巻でした。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 7点(2014-03-03 20:23:33) |
26.《ネタバレ》 戦争が引き起こす哀しみの一端を見た気がしました。 登場する人物が皆、哀しみを抱えた人生になってしまう。でも誰も悪くない。悲しい気持ちを誰にもぶつけることができないモヤモヤした感情がすごく理解できて、見ていて私も悲しくなりました。 ジョバンナの夫に対する思いの強さが彼女の行動力や振舞いから伝わってくるものがあって、ウクライナで汽車から降りて数年ぶりにアントニオを目にしたシーンでは、彼女と同じくその男が別人であるという微かな可能性に賭けたし、逆に終盤のアントニオがイタリアへ帰ってジョバンナと再会したところで赤ちゃんの泣き声がしたシーンでは、もうすべてが上手くいかないんだというアントニオと同じ失望感が湧きあがり何とも切なくなりました。 彼ら夫婦に感情輸入でき、涙なしに見ていられない作品です。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-27 01:06:28) |
25.この映画を見た後、ひまわり畑を見るとあの音楽が頭をめぐる・・・。たらら~ら、ららららら~ら~・・・ 反戦映画ですよね。 |
24.《ネタバレ》 今となっては、戦争が引き起こした悲劇によるメロドラマとしては珍しくありません。まあ、日本人が好きそうな題材ではありますね。特に製作年代を考えれば、戦争を記憶している人がまだまだ多かったわけですから。個人的には、恋愛よりも途中に出てくるひまわり畑の由来、そしておびただしい十字架が並ぶ広大な墓場の方が、よほど印象に残りました。それだけで“戦争の悲劇”を描くには十分だったのではないでしょうか。それと、パンやズームなど縦横無尽に動くカメラがよかったと思います。 最後にジョヴァンニが「2人で逃げよう」というのは、メロドラマの定番ですし、その後の展開には必要なのでしょうが、あれだけ恵まれた家庭を見たあとでは、逆に白けてしまいます。リュドミラ・サベーリエワの奥さんがとても素敵でしたし。 とりあえず、ひまわり畑と墓地とカメラとテーマ曲にこの点数。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-05 21:07:57) |
23.イタリア人男性のイメージは「大の女好き」。だから「boooooooo!!」と言いたくなったが、アントニオの説明を聞いてるうちにそういうものなのかな?と思ったり… 地獄を経験した者じゃないと分からないのかもしれない。素晴らしい音楽が心に残る。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-19 20:05:49) |
22.世界で公開されたが、特に日本で大ヒットしたとのこと。なるほどと思えるようなところもいくつかありました。黄金コンビ+シーカ監督のトリオの作品、一応は全部チェックしたくなりました。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-12 23:56:06) |
21.《ネタバレ》 誰も好きにはなれないが、状況はやるせない。 戦争がなければ流されることもなかったジョヴァンナの涙。 残された二人も消えることのない罪悪感を植えつけられること必至。 アメリカ映画では軽妙なスコアが多いマンシーニはイタリア映画にマッチした悲壮感に満ちた曲を書き、戦死者の骸(むくろ)の上には咲き誇る陽(ひ)の色のひまわり。 シネマは視覚・聴覚から強いイメージを刻むことができれば半分は成功したようなもの。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-26 01:11:39) |
20.《ネタバレ》 有名な作品だそうで(ワタシはしりませんでしたが^^;)、知人の勧めで観ました。戦争に引き裂かれた2人が遠い異国の地で出会う…しかしそこには別の人間と結婚している最愛の人が…。ん~なんという切ないストーリー・・・・大きく映し出される一面に咲くひまわりとあの音楽。聞いただけで場面が浮かんでくるほどインパクトが強いですね。寝室で泣いてしまったのをごまかすために顔を洗うシーンは、ホント切ない。ん~確かにこの作品は名作です。一度は観ないといけないと思わせる映画です。ただ、冷めた意見を言わせてもらうと、終戦後の混乱している(であろう)状況であっさり探し当ててしまうことや、言葉の問題や、イタリアからソ連(当時)というかなり遠い距離があるはずなのに、まるで同じ国の隣町へいってるかのような距離感のない描写はちょっとな~~と思ってしまいましたね 【Kaname】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-01-12 21:26:27) |