13.《ネタバレ》 “連続児童誘拐殺人”や“劇場型捜査”という刺激的な題材を扱っていますが、メインは主人公が警察組織の中で味わう“理不尽”や“軋轢”。誰でも普段から感じていること。共感し易いと思います。主人公の境遇は身に摘まされるものでした。役者の力量も総じて高く、見応えのある作品でした。ただ、リアリティを欠く箇所が多いと感じました。劇場型捜査のデメリットは、犯人を刺激したことで、次の犯行を誘発してしまうこと。現実にこういった捜査が行われない所以です。しくじった場合の世間の風当たりは、警察が無策だった場合の比ではありません。主人公をスケープゴートにする算段があったにせよ、警察の幹部がそんなリスクを冒すとは思えない。劇場型捜査に踏み切る過程に説得力が欲しいところです。また、狙われる可能性の高い主人公の息子に、警護が1人も付いていないのは謎。その必要性を感じていなかった主人公にも疑問符が付きます。トップ自らが証拠捏造に関与していたのは失笑もの。上に登りつめた者ほど、自分の地位を守るために慎重になるのでは。なお、これはリアリティ云々の問題ではありませんが、先の誘拐事件の容疑者を指して、主人公が蔑んだ物言いをしたのは残念でした。彼にしてみれば、「あいつが犯人だ!」いう絶対の自信があるのでしょうが、観客はそこまで感じていない(犯行シーンは描かれていない)。警察の執拗な責めに気がふれたという可能性も否定できません。「社会正義」なる言葉を主人公が使いたいのであれば、死亡した容疑者はあくまで“容疑者”として扱わなければダメだと思います。どんなに悔しくても、です。総評は、「いい作品だけどワキが甘い」という感じ。これら短所を原作が補っているならば、多分それは傑作に違いないと思います。 【目隠シスト】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-10-09 21:20:11) (良:3票) |
12.犯人とのスリルある攻防はあまりなく、どっちかゆうと一人の刑事が過去の未解決事件を含め現在の事件に決着をつけようと淡々とがんばる物語って感じでした。マスコミや警察の内部事情が色々あって、興味深かったかな。観てると子供を殺す犯人には非常に怒りを感じました。特に警察を嘲笑うふてぶてしさには、早くおいつめたれ~って気持ちになってきます。あと、悪いやつを捕まえるって事だけに一生懸命なのに、様々な思惑が絡まり、結構せつないですね~、真面目な刑事は。主人公に同情します。試行錯誤でがんばってるのに、恨まれたりして。そのぶん、テレビで犯人に勝負をするシーンは溜飲が下がりますが、物語的に、もうちょっとインパクトほしかったかな~。あまり新鮮さはなかったです。まー、犯人との攻防戦を楽しむ刑事映画じゃないので、そのへんを期待するとあれだけど、普通のしっかりした重厚な刑事ドラマとしては悪くなかったです。 【なにわ君】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-08-22 18:21:51) (良:2票) |
11.《ネタバレ》 原作に忠実に展開されている 複雑な話の流れをほぼ均等に再現したので割愛されているエピソードが多く、原作未読のオーディエンスには優しく無いと思った 特にメインキャラクター達のプロフィールがまったく語られないので、原作の複雑なストーリーを追うのみに終止している 特に最初の誘拐事件の顛末が弱い しかしその分原作の緻密な話は楽しめた 原作キャラクターの再現は見事で、どの役者も原作にピッタリだが崔洋一のみかなりの違和感があった ニュース番組の顔役MCには到底見えない 監督ならば自分が要らない人だって判れよ 自分の作品じゃなきゃどうでもいいのか この映画はまず原作を読んでから見たい 相変わらずマスコミの描き方が画一的で主人公を責めるマスコミ達の対応がリアリティから程遠い いい加減、火サス演出から脱却出来ないのか しかもエンディングはいただけない あれは何だ あのヘンテコなシーンがおもいきりしらけた ヘボすぎる 【にょろぞう】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-08-24 22:46:18) (良:1票) |
10.見応えはあります。テレビや映画の刑事モノにありがちな荒唐無稽さは散見されるものの、全編に溢れる緊迫感はそれを忘れさせてくれます。 それもこれも原作の秀逸さの賜物?でも、いかに原作が優れていようと、映画化されれば殆どの場合一人歩きしてしまうもの。やはり、この場合は監督を始めとしたスタッフの作り込みの確かさ故の出来栄えなのでは? 【タコ太(ぺいぺい)】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-01-02 11:41:03) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 テレビで失敗した刑事が汚名返上のためにテレビを利用するというのが面白いです。 前半に散りばめだれた過去の失敗を経緯とした嫌な出来事の数々が 後半で犯人を追い詰めるとともに一気に終結に向かっていくというサイドストーリーの使い方がよかったと思います。 踏みつけた周りと立場が逆転していくところにカタルシスがあります。 メインストーリーは普通の青年である犯人の追跡であり、強敵と対決するという形 でないので、そこに期待を置くとちょっと物足りなくなるかもしれませんね。 映画としてどうかというとかなり地味ですが、なかなか楽しめました。 【飴おじさん】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-11-20 22:30:22) (良:1票) |
8.かつての誘拐事件で心に傷を負った敏腕刑事が、新たに巻き起こった連続児童殺人事件を、テレビを通じて犯人と対峙する「劇場型捜査」として挑む。 原作は未読だったので、色眼鏡なく展開するストーリーに入り込むことができ、トータル的にはまずまずよく出来た映画だという印象に落ち着いた。 主人公を演じた豊川悦司は、キャラクターによく合い安定した演技を見せたと思う。笹野高史をはじめとして、脇を固める俳優陣は地味めながらも実力者揃いで味のある存在感をもって作品を支えていた。 想像するに、原作をうまくまとめて決して破綻することなく映像化しているのだと思う。ただその体裁の良さが、同時に映画作品としてやや「味が薄い」という印象に繋がっているとも思う。 「劇場型捜査」というセンセーショナルな要素を核心に据えてはいるが、このストリーのミステリー性はそれほど練り込まれたものではなく、むしろベタと言える程シンプルだ。 原作を読んでいないので想像の範疇を出ないが、この物語の本質は、真犯人特定のプロセスではなく、主人公を中心とした「劇場型捜査」に絡む群像のドラマ性にあるのではないかと思う。 そういう意味では、もう少し主人公以外の登場人物たちの人間性を深く掘り起こして欲しかったと思う。そうすれば、もう少しアクの強い映画に仕上がったのではないか。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-03-22 03:12:43) (良:1票) |
|
7.●犯人を追い込んでいく様が面白い。 ●ラストで目を見開くのがよく分からなかった。 ●最初のシーンでこりゃ嫁さんは死んだな、と思ってたら全然無事だったのが笑った。普通死ぬだろうああいいう場合(笑) 【椎名みかん】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-09-21 04:15:35) |
|
5.うーん渋い映画ですなあ…。 演技が抑えめでリアルなのはすごくいいんですけど、 とりたてておもしろいことが起きるわけでもなく、すごい地味なストーリーだなと…。 あんまりにも地味すぎて、結局何が言いたいねん、みたいな気持ちになったのも事実…。 でもまじめな作り込みには敬意を表したい。 でもこれ見て途中で寝たとしても君は悪くない。そんな感じ…。 警察の内部ってあんなに不躾な人間ばかりで殺伐としてるの? もうちょっと犯人の心理に深く切り込んであったらよかったような気がする。 掌紋とかはじめて聞いたし。自分だけ? これから自分が何かするときにも掌紋には気をつけよう…(嘘) キャスターの人すごいキレイだったなー、アップが少なくて残念。 【且】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-11-16 23:44:25) |
4.《ネタバレ》 原作がしっかりした、地に足の付いた映画である。ただ残念な事に知名度が低すぎる、テレビスペシャルに毛が生えたようなのばかり宣伝される今の時代はいったいなんだろうかと思う。豊川悦司は完璧にハマっていたし、爺さんや元部下との信頼感が観ていて安心出来る。実際、事なかれ主義の警察がテレビに出るなど絶対に有り得ないが、それだけにハッタリをかまして犯人を嵌めるというのは実に爽快である。不満というとやはり、犯人が2人とも馬鹿であるという点、最初に想像していた知能的な攻防など皆無であった。豊川を貶めようとするならば、豊川の子供を狙うか、4人目の犠牲者が出れば終わりという事にも頭が回らないのだから。 【まさサイトー】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-06-17 20:34:17) |
3.《ネタバレ》 いい作品やとおもった。おもしろかった。全く飽きへんだ。もう少し長くてもよかったくらい。最後のシーンの最後で悦司さんがグワッと目を見開いたときビックリしました。友達にすすめる 【天国のコロ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-05-17 01:07:11) |
2.《ネタバレ》 原作は未読。でも、以前に原作の評判を聞いて記憶に留めておいたことから映画を鑑賞した。構成、編集ともに無駄の無い作品だったので好感は強くあるが、ストーリーを追っていく楽しみに少し掛ける嫌いがある。ご当地映画(横浜・川崎北部)として掘り下げても面白みが深まったのでは?冒頭から神奈川の地名を明らかにして、ストーリーを進めていくのだから、特に捜査の大詰めにおいて、市が尾周辺をローラー捜索する所では、明確に地理設定に拘り『日常の景色の中に凶悪犯が潜み、その邪悪を警察(主人公)があぶり出していくプロセス』に劇場型犯罪の妙味、つまりサスペンス映画としてのピークをもってくるのが正しかったような気がする。それと、気になったのは時代のディティールの甘さ。 プロローグでは2000年の暮れが映し出されるが、不用意に撮影しているのが気になる。トヨタのプロボックスが一瞬映るが、その車は2002年になるまで発売されていない。こう言うのは映画的にとても×だ…。 |
1.前作「樹の海」で感じたのは「堅実な物語を撮るのが巧い」という印象の瀧本智行作品。この作品もまさしく「堅実」そのもので、何ともケチのつけようがない。人気の高い原作付きミステリの映像化というやや高めのハードルを、難なくクリアした感じ。豊川悦司の好演や他キャストの存在感、安定感がバツグンにイイ。いやぁ、こういう良作がコンスタンスに発表されなきゃ、邦画も盛り上がんないよなぁ、と、感じました。 個人的には「凌&蓮司」のW石橋のキャストが、嬉しかった。 【aksweet】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-26 22:16:38) |