14.青春時代の幻想が詰まった作品。
それが幻想だとしても、忘れ得ぬ魅力があり、人々を感動させるチカラもあることを思い出した。
映画自体は青春時代のもどかしいじれったさをまさに感じさせるじれったい映画になっているが、その点もなかなか良かったと感じられた。
青春時代には、苦悩もあり、喜びもあり、哀しみもあり、そして別れもある。
そして確かにこの映画のようにそういった様々な感情をともに分かち合える仲間がいたなとふと感じてしまった。
映画に登場する7人にはそれぞれ個性もしっかりと描かれており、そして個別に苦悩があり、最後には成長も感じられた。
特に女性陣はかなり成長しているような気がした。
ウェンディーは親が決めた恋人と別れ、家族と離れ独立したし、レズリーもうっとしいオトコ達と離れしばらく一人で生きることを決めたし、ジュールズは先が見えない人生に疲れを感じ、死を意識していたが、前向きに仕事を見つける決意を決めた。
一方、男性陣はビリーこそニューヨークに行き、サックスで勝負する決意を固め、行き場を失いつつあったどうしようもない人生から脱却しようとしているが、揃って女性に振られた残りの3人はイマイチだね。
確かに女性関係が多くて結婚を逃げ場と考えていたり、友人の彼女に一方的に幻想を抱き続け他の女性と付き合わなかったり、昔憧れていてただ一回デートをした相手(相手は映画のタイトルでさえ混同している)を忘れられず、枕の匂いをかいだり、ストーカーっぽいことをしていたり、とそろいも揃ったどうしようもないオトコ達だからしょうがないかな。
まあ、そういうオトコが抱く女性に対するどうしようもない情けない点も描いているのもなかなか面白いと思う。