1.《ネタバレ》 原作は既読、と言うか持っています。不老不死のおろちという名の少女が興味を持った人の人生を追っていき、ある時期まで見届けると風のように去っていくという設定のお話ですが、楳図かずお氏らしい作品で個人的には名作だと思っています。今回はその原作の中の『姉妹』と『血』の話をミックスしたオリジナル作品として制作されていますが、この2つの話をうまく融合・消化したなぁ、と思います。制作側のセンスのよさが伺えますね。
おろち役が谷村美月さんと聞いて「ちょっと違うんじゃないか?」と最初は思いましたが(私の中では堀北真希さんが適役と思っていたので・笑)、いやいや、なかなかいい『おろちっぷり』でした。劇中のおろちの『語り』も原作同様、いいタイミングで入ってきていますし、ナイスキャスティングでした。
唯一この作品の『?』の部分は、名女優・葵の二人娘の姉・一草が母に瓜二つな事。この話をすると完全にネタばれになってしまうので言いませんが、明らかにおかしいでしょ?葵と一草を木村佳乃さんが演じていますが、それならば葵役と一草役を別の女優にしたほうが理にかなっていたと思いますね。
最後に『新宿烏』を見事に再現してくれた制作者に感謝です。