1.この作品、あんまり期待していなかったのだが、期待していなかっただけに意外にも楽しめた。
それと、今回、この作品の原作者である「夢野久作」っていう人の名を初めて知った。
それがちょっとした収穫。
今まで知らなかったのがちょっと恥ずかしいが。
さて、内容であるが・・・
全編モノクロで描かれている。
でもそれがいい効果を生み出している。
昭和の陰気な感じが出てて、かなりよろしい。
乱歩もそうだけど、こういう、昭和のくら~い感じは独特の雰囲気があって結構好き。
そして特筆すべきは、浅野忠信のかっこよさ!
浅野忠信扮する主演の男性がバス会社に転勤してくるのだが、その登場シーンがかなりかっこいい。ものすごく印象的だ。
ただ、その登場シーンの後は、比較的落ち着いてしまい、神秘的な感じが持続されていないのが惜しいが。
少なくとも、前半の30分くらいまでは、
「おぉ~、この映画、なかなかいい味出してるぞぉ・・・」
って思わせてくれる映画である。
それだけでも十分、楽しめると思う。