2.《ネタバレ》 実際にイギリスで発生した列車からの大金強奪事件に取材した映画で、事件の経緯をとにかく淡々と描いており、実に愛想の無い作品に仕上がっています。劇伴の音楽も使用は一部シーンにとどめ、静かな緊迫感の中に描かれる、列車強盗。
強盗たちの間に、これといって友情が描かれるでもなし、目だった対立が描かれるでもなし、微妙な空気感の中で行われる犯行、ではありますが、とにかくクール、なんですね。大金の入った袋をワッサワッサと機械的に運び出し、時間がくればアッサリ引き上げる。ある意味、マジメな人たちの集団、に見えなくもないけれど、札束に火をつけてみたりするあたりに、ちょっとしたヤンチャぶりみたいなものが垣間見えたり。
強盗事件と直接は関係しないのですが、冒頭のカーチェイスシーンが、とにかく目を引きます。疾走、というより暴走する自動車、どこまでが演出で、どこまでが「本当に事故寸前」なのか。危うさ全開のゴツゴツしたシーンに仕上がっています。
ラストの「The End」にはクエスチョンマークが重なり、実は知られざる逃亡者がいるのでは、まだ物語は続くのでは、みたいな感じで映画が終わりますが、最後がクエスチョンマークって、『人喰いアメーバの恐怖』じゃあるまいし。このクエスチョンマークを見て、スティーブ・マックィーンはピーター・イェーツを『ブリット』に起用したという・・・ワケではないですよね。