19.《ネタバレ》 特に気合みなぎるような活躍もなく「ただ何となく」クライマックスを迎えてしまう主人公の立ち位置が凄いし、肝心なところで美人のヒロインに助けてもらう(それも2回も)というのも凄い。アンチヒロイズムに対するある種の執念すら感じる。そして、行けども行けども誰も味方をしない主人公の描かれ方には、何というか、制作者の底知れない人間不信の情怨を感じる。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-09-01 03:04:39) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 正義感に満ちた孤高の保安官を熱演し米アカデミー主演男優賞をがっちり手にしたゲイリー・クーパー、西部劇の名作。ヒロインに麗しきグレース・ケリー嬢。午前中1時間ほどの出来事。時計が時を刻む、刻一刻と迫る“その時”。「ドラゴンボールZ」のサイヤ人襲来を待つような、人々の不安と緊張感がひしひし伝わってきます。そして白昼の無人街での決戦、4人の強敵にたった1人で立ち向かいます。グレーズ嬢がまさに“内助の功”。 【獅子-平常心】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-06-01 22:35:49) |
17.《ネタバレ》 時計の針を映すシーンが随時に盛り込まれていて効果的だったと思います。グレースケリーは本当に美人ですなぁ。汽車で去ってしまって結婚生活1時間で終わりかと思いましたが、最後には夫のために戻ってきて、良かった良かったなエンディングでした。 【珈琲時間】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-22 16:47:05) |
16.《ネタバレ》 社会派西部劇といった趣ですね。帰ってくるならず者がどれだけ悪くて、かつてどんなことをしたのかは、実はどうでもいい。そいつが帰って来るということが起こす波紋が、本作の主題ですから。起こるであろう悶着を、保安官個人の問題として片付けていいのか、そいつは本当にほかの町の人には危害を加えないのか。結局仮定の話であり、そこには正論などありません。単純に正義とか悪とかいった言葉で片付けられないだけに、現実感があります。ほぼリアルタイムで進行するのも、物語のリアリズムを生かすためでしょう。 主人公の保安官は、苦悩しながらも“信念”を持った人間として描かれています。何となくドラマ『男たちの旅路』を思い出しました。少なくとも、信念を持つことは重要ではないかと思います。 本作の弱点は、当時のハリウッド映画の原則として、「主人公が勝利しなくてはいけない」という限界を破れなかったことでしょう。「力には力で対抗するしかない」という、いかにもアメリカ的な解決をとっています。しかしそれでも、新妻に助太刀させるという皮肉な結末を迎えています。人を射殺した彼女がこれからどんな人生を送るのか、それでまたドラマが作れそうです。そういう点からしても、一筋縄ではいかない深みのある作品でした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-24 20:58:45) |
15.《ネタバレ》 子供の頃から有名だった映画なのに、今まで一度も見たことがなかった。ちょっとクールな西部劇程度の認識しかなく、単純な勧善懲悪、ヒーロー物のアクション娯楽映画だと思っていたのだが、全く違った。いい意味で裏切られた。 かなり、奥の深いテーマを持った社会劇であり、人間劇である。西部開拓時代のアメリカの社会を借りて、小さなコミュニティーに対して人それぞれの関わり方、価値観の多様さをしっかり凝縮して描写している。 ベースとしてアメリカ的考え方があることは確かだが、絶対的なヒーロは存在せず、正解を押し付けてこない。背景を日本の昔の村社会に置き換えても同じような作品が作れそうである。 途中のシーンであった牧師の「殺すなと言いながら、金を払って他人にやってもらっている」的な発言は、非常に奥が深く考えさせられてしまう。 ラストでストーリー的に事件は見事に解決しているのだが、登場人物の心の中はハッピーエンドではない。かなり深い映画である。 【nobo7】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-12 02:22:28) |
14.《ネタバレ》 決闘に至るまでの人間ドラマは緊迫していて面白かったです。特にメキシコ人女性の存在感が際立っていて良かった。 最後の決闘は勇敢に戦って一人散るのか、それとも町のみんなが助けに来るのかと思いながら見ていたら・・・。一人でやれちゃうのかよ!やれちゃったよ!あれ?もしかして今までの登場キャラいなくても良くね?! ってな感じでやや疑問の残る展開でした。 【映画大好きっ子】さん [地上波(字幕)] 7点(2011-08-30 14:17:39) |
13.《ネタバレ》 人間ドラマとして見ごたえのある西部劇。上映時間とストーリーがほぼ同時進行する緊迫感と揺れ動く元保安官の心理描写が見事です。逃げるのが自分たちにも町のためにも良いかもしれないが、「逃げ通せる相手ではない、ここで決着を付けておかないと将来の安心はない」という思いがあったろう。しかし最後は男の意地としか言いようがない。町の人間は最初から誰も協力的でなかった訳ではなく、孤立無援になった過程もよく描かれている。とりわけ教会での意見のやりとりは見どころのひとつ。妻は父と兄を殺されたことにより信仰に篤くなり、決闘を選ぶ夫に反発するが、最後にとる行動も心憎い。決闘シーンも派手さはないがリアリティーと緊迫感があり好感がもてる。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-23 22:03:25) |
12.いやぁ、渋い。渋すぎるぜゲイリー・クーパー。人間ドラマとウエスタンが骨太なものになることは知ってたけどここまでなるとは正直思わなかった。runtimeもそれほど長くないのでぎゅっと凝縮されたような感じでクーパーや町の人の気持ち、そしれ妻のグレース・ケリーの存在も盛り上げてくれるしなんといっても主題歌がツボすぎです。一人の男がならず者に立ち向かうというまぁまぁシンプルなストーリーですけども見れば見るほど奥深さと面白さが分かってくる、フレッド・ジンネマンの思い通りにされてしまいました。 |
11.《ネタバレ》 主人公の焦燥感、町の通りに人影がなくなっていく様子、または三人組が町へやって来る時、あるいは彼らが駅で汽車を待ちつづけている姿の無気味さや、いよいよ汽車が到着する時のあの緊張感は凄いと思います。また登場するキャラクターの誰もが首尾一貫しています。・・・ところで本作は50年代当時の赤狩りという社会的背景に対しての怒りを反映しているみたいなのですが、確かにそれが感じられます。例えば逃げない正義の主人公は酒場でバーテンを殴る、誰も加勢しないと決定した時、実に印象的に事務所の机で怒りをぶちまける。この〝怒り〟は完全に非協力的な町人達に向けられています。そして本来なら正義に対する悪者一味の描写はほとんどなく、協力者集めに奔走し、酒場、友人、教会、引退保安官とことごとく断られていく様をリアルタイムで映し続けているのです。ジョン・ウェインが不満に思いハワード・ホークスと「リオ・ブラボー」を撮ったという話を聞きました。詳しい経緯を知らないので憶測でものを言うのはよくないのですが…、この強制的正義と言いますか、絶対悪に対してではなく非協力的という負に呼応しての正義が強調されているところに違和感を覚えたのではないかと思います。政治的メッセージを盛り込みたかったのかもしれないですし、人間らしい英雄像でも全く問題ないのですが、それでも孤立無援となった際、クーパーが〝怒る〟のではなく絶望の〝ため息をつく〟ぐらいではないと正義の矛先が一体どこに向かっているのかが、あやふやなものに見えてしまいます。傍観者への〝怒り〟を表現するにも肝心の正義はもっと高次のところにあるのではと思うのです。・・・と、個人的正義感は別にどぉ~でも良いにしても、ラストの決闘シーンは例えば敵との距離感一つとってみても「リオ・ブラボー」には劣っていると思います。 【ミスター・グレイ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-22 18:28:49) |
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10.ゲイリー・クーパーが渋かった。短い時間だったが非常に濃厚な85分でした。 【ギニュー】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2007-02-27 20:11:08) |
9.《ネタバレ》 ここのレビューで、本作がアンチヒロイズムの西部劇であることは知ってましたが、あそこまで徹底しているとは思いませんでした(例えば、遺書(!)を書いたり、銃撃戦のオチなど)。ところで、他の方も書いているように、真昼の汽車で戻ってくる悪党がいかに凶悪犯罪者なのかの描写が希薄だったため、保安官や市民のパニックぶりがいまいち説得的には見えませんでした。しかし、よくよく考えてみると、これもアンチヒロイズムを際立たせるために注意深く考えられた設定だったのかもしれません。もし、悪党の極悪非道ぶりを示すエピソードを組み込んでいたとしたら、鑑賞者は、ケイン保安官が悪党に恐れを抱くのを無理もないと思い、彼の恐怖心を理解するでしょう.しかし、それは同時に、ケインのような保安官でなくても、例えば、ジョン・ウェインが演じてきたような典型的な保安官からも、恐れられる悪党ということにつながる可能性があり、その場合、本作のアンチヒロイズムは弱められることになってしまいます。このように細部に至るまでアンチヒロイズムを徹底させた異色の西部劇として、少なくとも一度見ておいて損はないと思います。 【オデュッセウス】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-09-03 05:19:19) |
8.《ネタバレ》 劇中の時間と実際の時間を同じにするという手法は今ではそんなにめずらしいことではないが、本作がその原点であることは間違いないだろう。そうする事によってやはり独特の緊張感が生まれ、より映画を見ている観客と登場人物が一体になることができるのだと思う。そんなこの映画もかなり久しぶりに見たが、やはり面白かった。本作はさっき書いたことに加えてゲーリー・クーパー演じる保安官の人間としての弱さを描くことによって、保安官も無敵のヒーローではなく、一人の人間であることを感じさせているところがリアルだし、(遺書を書くところなんてまさにその極み。)彼が一緒に戦ってくれる仲間を集めようとしても、みんな怖気づいたりして結局誰も集まらず(中でも協力しようとした一人が自分しかいないことを知って逃げてしまうシーンは思わず彼に共感してしまった。)一人で戦うことになるというのも結果としてリアルにこの保安官の孤独感がこちらに伝わってくるような構成で良かった。もちろん、正午までに自分に恨みを持つならず者がやってくるというサスペンスとしての盛り上げ方も何度も時計を映すなどして煽っていて観客の緊張感を最後まで持続させるような演出が効果的に使われていて良い。街を出ようとしていた保安官の新妻(グレース・ケリー)が列車が発車する寸前に列車から飛び降りて町へと戻るシーンに至るまでの彼女の心変わりに至るまでのドラマも見ごたえがあるものになっている。対決の場に現れたかつて家族を銃で殺された経験を持つ彼女がならず者の一人を射殺してしまう展開は衝撃的で皮肉。これが彼女のその後の人生に影響が出るのではないかと心配になってしまった。保安官がバッジを捨てて新妻とともに去っていくラストシーンが有名だが、やはりここに本作のメッセージがいちばん込められていると感じる。主題歌も好きだ。(2020年1月26日更新) 【イニシャルK】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-04-05 11:16:24) |
7.いや、かなり面白かったですよ、これ。グレース・ケリーも(半端なく)かわいいし。やっぱり十二時過ぎたあたりからラストまでが今一つ。ラスボスもそんなメチャクチャなことやってくるわけでもないし、ラストももっとおお~って唸れるくらいのものが欲しかった。だけど前半の仲間集めのシーンはほんといいですね~。名作! |
6.短さがこの作品の命とも言うべき。ラストの素っ気無い去り方もこの保安官ならでは。モノクロだからこそ西部劇は格好良く見えるんだと改めて実感。私的にはヘレンという役を演じていた女性がずっと気になっていた。 【SAEKO】さん 7点(2004-02-11 18:50:02) |
5.実際の決闘シーンは短いし特にこれといって派手というわけではないんですが、劇中の時間と実際の上映時間が上手くリンクしている事が凄いですね。そして、主人公の保安官の人物描写や市民の反応などが良く描けてると思います。 |
4.《ネタバレ》 グレース・ケリーがきれいなのは言うまでもありませんが、保安官の元彼女との「女の闘い」が面白いです。グレース・ケリーは次第に崇め奉られる役が多くなってくるので、ちょっとしたことに不安になったり、開き直ったりする彼女が見られるのは、「ああ、彼女も人間なんだよなぁ」と当たり前のことを感じさせてくれます。 【元みかん】さん 7点(2003-10-31 08:20:18) |
3.そんなに恐れなければならないほどの強敵だったのだろうか。そこだけが納得いかないっす。 【ヌリ】さん 7点(2003-01-12 17:44:13) |
2.経過時間を実際と同じに設定してあるのだが、たまにちらちらと時計を見るだけなので、思ったほど切迫感を表現できてない気がした。 【ひかりごけ】さん 7点(2002-11-27 20:20:52) |
1.劇中と同じ時間経過で展開する物語のため、約90分間の上映時間が丁度良いのでしょう。タイトルの決闘シーン自体は短いし、派手なアクションはありませんが、勿論狙いはそれまでの保安官の“良心に従った行動”。ゲーリー・クーパーはこの作品でオスカーを獲得していますが、追いつめられていると言う演技と演出が感じられなかったことに不満はありますが、個人的には美しいグレース・ケリーを観れただけで満足でした。 【イマジン】さん 7点(2001-04-20 12:15:48) |