3.《ネタバレ》 TV版を除くシリーズ3作を続けて観ました。3作とも違う作品でした。そして、本作が最も見応えがありました。いくつか視点がありますが、まずタイトルの「リジェネレーション」はヴァン・ダム世代に終止符を打つ意図の表れと感じました。総合格闘家のアルロフスキーが演じた新世代ユニソルの方が明らかに強い。ストーリー上はヴァン・ダムが勝ちましたが、あれは花道ですね。そのアルロフスキーの戦いは見応えがありました。総合格闘技の迫力が初めて映画で取り上げられたという意見です。ナイフでとどめを刺す前に、これでもかとばかりに殴り続ける執拗さがリアルでした。そして、ヴァン・ダムとラングレン。初作で対決した二人の再戦はキレがあるという類いではなく泥仕合。かませ犬同士が取っ組み合っている様相。そもそもユニソルは死体を生き返らせた兵士で、戦うこと以外に意義を持たない存在。それはヴァン・ダムが精神のリハビリを断念して戦いに赴くことで念押しされる。衰えた肉体に鞭打って戦う両者とユニソルの宿命が絶妙にオーバーラップして、アクションシーンなのに寂寥感が募りました。「その男ヴァン・ダム」で感じた寂寥感も無意識に重ねていたのだと思う。ラングレンの最後なんて、悲しい存在以外のなにものでも無かったです。終始無表情で台詞の少ないヴァン・ダムは、3作目にして初めてユニソルの設定を正面から演じました。戦いの場から走り去る後姿が印象に残ります。ストーリーはシンプルというより陳腐に近い趣きですが、哀愁を感じさせるアクション映画として評価したいです。