27.『ミリオンダラー・ベイビー』で映画界に進出後、『007/カジノロワイヤル』までは飛ぶ鳥を落とす勢いだったポール・ハギス作品ということで過剰な期待があったことの裏返しか、公開当時、本作は批評面でも興行面でも苦戦を強いられたのですが、これが十分に面白い出来でした。。。 小品だからこそ、本作ではハギスによる鮮やかなストーリーテリングを楽しむことができます。妻の逮捕により幸せな家庭生活が破壊された。しかも、物的証拠はすべて妻の有罪を示しており、合法的な手段で妻を取り戻すことは困難な状況となっている。観客に主人公家族に対する愛着を抱かせると同時に、常識人である主人公が脱獄という異常な手段を選ばざるをえなくなるまでの過程をわずか30分で描ききるという手際の良さ。また、リーアム・ニーソン演じる脱獄のプロを登場させ、これからやろうとしていることがいかに困難で無謀なことであるかを懇切丁寧に説明させるという見事な煽り。さらには、クワイ・ガン・ジンばりの渋いマスターに見えたニーソンが、去り際に「で、今日の手間賃は持って来たの?」と言って、主人公の財布から無理やり札を掴み取って行くという下品さも見せることで、これから向かおうとしているのは甘いヒロイズムの世界ではなく、野蛮なアウトローの世界であるということもきちんと理解させる。本作の情報整理は神がかり的なレベルに達しています。。。 脱獄計画が始まってからは、終始イヤ~な汗をかかされます。小市民丸出しの主人公が、明らかに不慣れな言動や仕草でヤクザの世界に足を踏み入れたり、公安施設に細工をしたりするのだから、見ている側はハラハラさせられっぱなしなのです。『プルーフ・オブ・ライフ』ではプロの傭兵を演じていたラッセル・クロウが、本作では見事に小市民になりきっています。この人の演技が顧みられることは少ないのですが、そこは腐ってもオスカー経験者、このカメレオンぶりは驚異的ではないかと思います。。。 3日というタイムリミットが唐突に設定されて以降の素早い展開も素晴らしいと感じました。主人公の脱獄準備の過程を詳細に描きながらも、具体的な脱獄計画については意図的に触れてこなかったという脚本上の仕掛けがここで有効に活かされ、最後の最後までどう転ぶか分からないというスリルを味わわされるのです。熟練した職人の仕事は素晴らしい、そんなことを再認識させられる映画でした。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2014-03-01 02:06:08) (良:4票) |
26.《ネタバレ》 二度目の視聴。こういう冤罪モノはまず真犯人は誰であるかが焦点になるが、この映画に関しては「奥さんをいかに逃すか」が本筋で、真犯人が誰であるかはどうでもよくなっちゃってるのが大きな特徴。犯罪と無縁の夫婦が犯罪に巻き込まれて脱獄高飛びという犯罪を果敢に犯しまくる様が緊迫感を煽る。奥さんが真犯人なのか冤罪なのかすら視聴者にはよく分からないまま話が進行し、最後に真実に迫った所で終わってしまうのもこの映画の特徴であり、親子三人の幸せを願わずにはいられない。アクション物としても十分に楽しめる。良作。 【にしきの】さん [DVD(吹替)] 7点(2015-03-28 11:29:16) (良:2票) |
25.《ネタバレ》 すべて彼女のために→今作という順番で、連続して鑑賞。 改悪だと思うところもあったが、オリジナルとは違った良さもあった。 オリジナルと比較して良かったところは、ヒューマンドラマ部分が描き足されていたこと。家族としての描写や、公園で出会う同じように複雑な境遇を持つ(であろう)母親が物語に関わってくるところなど。 悪かったところとしては、売人襲撃の際に主人公が簡単に銃を発砲する点と、刑務所への小細工の際に子供が近くにいる点。子供に見られながら犯罪を犯すのはいかがなものか… あと、今作の見せ方としては必要だったのであろうが、一度主人公が子供を諦めたことによって妻が自暴自棄な行動を起こし、その後2人で静かな時を過ごす高速道路の場面。あれだけタイムリミットに拘っていたのにまったりしてる場合じゃねぇ!とモヤモヤさせられた(苦笑) オリジナルより家族に重点がおかれていた今作においては、子供の存在を強調する上で必要だったのであろうが、オリジナルのように子供は何事もなく拾えた上で予め計画していた相乗りで検問を突破する…という方がスマートでよかったかな、と。 ただ、オリジナルでは敵でしかなかった刑事が、終盤で冤罪を疑ってくれ、彼女の主張を証明する証拠を探してくれる描写の追加は良かったと思う。 オリジナルにはラブストーリー重視で余計なものは排除しているという良さがあり、今作にはヒューマンドラマとしての良さが追加されている。 どちらもありだと思う、2作であった。(あとは個人の好みでどちらが好きかわかれるかな) 【Sugarbetter】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-02 12:21:43) (良:2票) |
24.《ネタバレ》 これは文句なしに面白い。ずっと社会派映画ばかり撮ってきたハギス監督が、その持ち味を十分に活かしつつ、幾分か娯楽色の強い作品を作って見事に成功している。平凡な大学教授が、無実(?)の妻を救うために悪戦苦闘する前半部分の姿は見てて切なく、それが後半部分のある種開き直った力強い姿が良い好対照をなしている。抑えた丁寧な感情描写、練られた脚本、出演者の力のこもった熱演、どれもが素晴らしい。ただ、もう少し遊びの部分があっても良かったかなとも思うが、最近の映画のなかでは良作。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-06-21 11:41:20) (良:2票) |
23.フランス映画「すべて彼女のために」をポール・ハギスがリメイクしたアメリカ映画。 オリジナルが90分程度だったのに対し、本作は2時間越えの作品となっています。 優れた脚本家でもあるハギスが、オリジナルにあった隙間を丁寧に埋めていく。 オリジナル以上に脱獄までの前半に時間をかけているのですが、これが結構重要である一方で、 映画としての面白さがあるのはやはり脱獄以降であると思いますが ラッセル・クロウの主演が大正解。やはりこの人は何かとたたかう男、何かに立ち向かう男の役が良く似合いますね。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-07-18 21:06:02) (良:1票) |
22.あまりにも都合の良過ぎる展開と思いながらも冤罪家族の逃げ切りを願って観てました。現実感に乏しいですが、絶望と愛と覚悟が人を突き動かすのは伝わってきます。オリジナル(すべて彼女のために)よりサスペンス感もあり面白かったです。 【ProPace】さん [地上波(吹替)] 7点(2015-03-08 11:43:20) (良:1票) |
21.《ネタバレ》 ラッセル苦労。ラストはボタン見つかっても良かったのになぁ。あそこまでやったらハッピーEDでもいいのに。 【悲喜こもごも】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-01-27 01:54:12) (良:1票) |
20.《ネタバレ》 あれあれ。こんな面白い映画もつくれるんだ。ポールハギスって。社会派だけではないんだね。悩めるヒーローが愛のもとに二転三転する状況で、機転を利かしてすりぬける、こんな娯楽作品はやっぱり面白いね。久々にスカッとした。最後、冤罪がひっくり返るなんて話で終わらないところがハギス節か・・。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-04 05:53:45) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 2度目観賞。無実の愛妻を脱獄させる3日間、タイムリミットサスペンス・犯罪アクション。大胆かつ緻密な犯行。漂う悲壮感と目の離せない緊迫感。大学教授とは思えないほどサマになった銃構えの主演ラッセル・クロウ。ヒロインが驚愕のイナバウアー車外脱出未遂。 【獅子-平常心】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-12-23 22:58:50) (良:1票) |
18.《ネタバレ》 ラッセル・クロウもさることながら、妻役のエリザベス・バンクスの演技も真に迫るものがあり強く心を揺さぶられた。できれば真犯人が判明とまではいかなくても、それを予想させるラストにして欲しかった。夫婦愛にとても感動しただけに、このラストではやるせない気持ちになってしまう。 【ヘイターインサウス】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-11-19 16:15:12) (良:1票) |
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17.《ネタバレ》 普通に面白かったです。この監督で普通というのはどちらかというと批判なんですが・・・。ま、万人受けのストーリーに水準をはるかに超える演出力。充分に楽しめます。奥さんが有罪か無罪か判らないまま物語が展開して行くところがよいですね。あと、全てを知っていながら何も云わなかった父ちゃんにちょっと感動。敢えて難を云えば、プロに1回アドバイスを受けただけの一介の大学教授にあそこまで警察が振り回されてしまうのはいかがなものかと。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-11-05 17:13:00) (良:1票) |
16.《ネタバレ》 妻の冤罪を信じた夫が妻を脱獄させるお話。満足度、かなり高いです。ポール・ハギス監督の作品らしく登場人物たちの気持ちが分かりやすく伝わってくる展開に2時間があっという間に過ぎました。派手なアクションを控えながらも充分にサスペンスフルです。過去に何度もプロフェッショナルの「闘う男」を演じてきたラッセル・クロウが、本作では庶民的な夫を演じます。冤罪の真偽自体は問題にしておらず、それを信じた夫が取る行動と心理描写が見どころです。警察沙汰などと無縁だった男が諸方面から情報を仕入れて脱獄計画を練る。大学の先生らしく机上で考えるのは得意だけど、行動に移すと危なっかしくてハラハラします。初めて犯罪行為に踏み込む者の不安が観る側にまで伝染して来ました。裁判は八方塞がりで収監中に自殺未遂まで起こした妻。母子の関係も含めて家族を救うという目的もさることながら、主人公は懲役期間である20年という時間に耐えられなかったのだと思います。その年月を想像すると、行動に及ぶ心情が理解しやすかった。エピローグで妻を検挙した刑事が殺人現場に足を運びます。夫婦が脱獄という行動に及んだこと自体が冤罪の証明であると感じたようでした。このあたりの見せ方がとても上手い。最近のサスペンスものはどんでん返し系が主流ですが、丹念に演出すれば無理に捻らなくとも完成度の高い作品が出来あがる好例です。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-09-25 20:02:26) (良:1票) |
【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-05-27 05:41:27) |
14.結構面白かった。最初から最後までずっと緊張感をもって見ることができた。やっぱこういう逃走モノっていいですね。ドキドキ、ワクワクって感じかな。 【イサオマン】さん [地上波(吹替)] 7点(2015-05-04 23:02:53) |
【黒ネコ】さん [地上波(字幕)] 7点(2015-03-08 12:21:25) |
12.ストーリーは標準的なものだと思いますが、存分にハラハラドキドキを味わえたことで本作の狙いの半分以上は満たされたのではないかと思います。 とにかくラッセル・クロウが暑苦しい!必死過ぎる!見ててシンドイ!…これでスリルが倍増してた感があります(一応、褒め言葉です)。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-03-08 18:07:55) |
11.ラストに尽きますねぇ~ラッセル・クロウの困り顔?不安顔?大好きです!! 【映画】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-04-13 22:49:59) |
10.《ネタバレ》 真相はどうなんだ?を最後までひっぱるところや雰囲気が「告発の時」と同じですね。ハリソン・フォードの「逃亡者」とよく似たシーンがありました。 巧妙なワナや仕掛けがあるわけでもない、行きずりのずさんな殺人事件にも関わらず、ずさんな捜査で冤罪のうえ、大学の先生というド素人の脱獄、逃亡は成功しちゃうし、あの頼りにならない弁護士。つまり一般市民を守る立場の方々の無能さを見せたかったわけね。 ポール・ハギスらしいプロット、演出で最後まで緊張感があり、引きずり込まれて一気に見入ってしまいます。 しかしですね、何と言ったらよいのかわかりませんが、なんかこう抵抗を感じるといいますか、最初から最後まで腑に落ちないものを感じました。 まずあの奥さんなんですが、「やったのか、やってないのか」という疑惑をこっちに持たせようとしているのがミエミエなんですな。 最初に出てきた時、奥さんというより愛人かと思ったもの。あえて善人顔ではない悪女顔の女優にしているのよ。 完成度は高いし8点以上の作品だと思うけど、あちこちにこなれた感が漂い、それが確信的といった感じで鼻につくんですよ、ココが私にとって大きなマイナスでした。 素直に良かった~と感動できませんでした。 ラッセル・クロウの苦悩と強い意志を感じる表情は良かったです。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-06 01:16:00) |
9.《ネタバレ》 前半はダラダラしてたので退屈な作りでしだか後半の折りたためる展開は非常に秀逸。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-22 21:49:29) |
8.《ネタバレ》 妻が殺人容疑で捕まり 刑も確定してしまう。そこで、夫のジョンは妻を脱獄させようと決意する。脱獄の準備から実行まで緊張感がある展開で一気に魅せます。ラッセル・クロウは派手なアクションをすることなく、あくまで地味に計画を遂行する。そこがリアルで緊張感を高めます。妻は本当に無実なのか?サスペンスの要素もありますが、そこはもっと疑惑ありげに描いても面白かったかなあと思います。でも、十分楽しめる作品でした。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2012-12-22 19:05:23) |