4.《ネタバレ》 韓国映画はバイオレンス要素がハンパではないので余り好みでは無いのだが、これはいけた。
ストーリーはオーソドックスでは有るが、キャラの造形がしっかりしており2時間しっかりぶれないので集中が途切れない。凄く上手に作られている。今まで敬遠していたため数本しか見たことが無かったのだが、これが普通であるなら日本映画よりも地力は勝るのでは無いだろうか。
日本映画は今となっては誰も求めていないんじゃ無いかと思えるような、昭和から続く独特の様式に落とし込むことが技術とされているような雰囲気があり、それが決定的に映画をつまらないものにする。この様式を外すなりやめるなりした映画が面白い場合が多い。しかし、このアジョシははじめからこのような様式が存在しないため、はじめから映画している。
日本映画は日本映画だが、アジョシは映画。この差はとてつもなく大きい。
韓流コーナーっていうのがあるくらいだから、もしかしたら韓国映画にも独特のルールがあって、これもそれに則っているのかもしれないが、日本映画のフォーマットほど歪んでは居ないのでは無いかと推察してみたりしたが、そこまで行くと邪推かもしれない。
この映画はアクション重視。このレベルのアクションは昔の香港映画やハリウッドでないと拝めない。ダンスみたいな予定調和なアクションに飽きたならこれは非常にお勧め。全盛期のセガールのような獰猛な体裁きは一見の価値あり。最終戦のリアルさは近年に無い秀逸なものだった。
腹を撃たれてこの元気さとか笑ってしまうところもあるし、ちょと残酷すぎないかとか、拳銃のリアリティがとかいろいろな部分で調整の後が見られるが、軍隊がある国の映画でその観客がそこに気づかない訳が無いことを考えると、意図的なものだろう。近接格闘がメインでそれ以外は余り考えないと言うことか。