6.《ネタバレ》 倉庫街でボコボコにされるも、すぐにピストル片手に乗り込んでいく暴力ジジイにテレンス・スタンプがハマリ過ぎ。対するピーター・フォンダの何ともいかがわしい清潔さの対比がおかしい(やたらと白い歯を見せたがる)。ソダーバーグは実に2人の「名優」を知り尽くしていると見た。「悪いことをしたら警察を呼ぶわよ!」という幼い娘の叫びが、ラストに響いてくる。あれだけ殺しのイメージトレーニングをしていたのに、結局彼は撃てなかった。娘を死に向かわせたことへの自責の念からか、それとも、娘が男に父親の姿を見ていたからか…。「過去」は「未来」に復讐する。若かりし頃のスタンプは無論そんなことに気づく由もないわけだが。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-16 21:50:01) |
5.《ネタバレ》 まさに編集の妙。映画でなくては表現できない世界を楽しませていただきました。受話器を持った愛する娘の回想シーンをしっかり焼き付けておかないと、夜の海岸でなぜやつを撃ち殺さなかったのかすとんと落ちずに悶々としてしまいます。でもわたしなら、倉庫で悪党に耳元でささやかれた、娘を侮辱する忌まわしい言葉(のはず)を聞かされた怒りのエネルギーはクールダウンせず、海岸で引き金を引いてしまうと思います。受話器を持って愛するものを必死に止めようとする娘の思い出は、独占したいですしね。 【karik】さん 7点(2004-06-27 23:03:45) |
4.ちょっと殺し過ぎの感は否めないが、私は充分感情移入出来た。自分の知りえないところで、最も愛した人(或いは深く関わった人くらいでも)が、自分のせいで不幸な人生を歩んだのではないか?という思いはかなり辛いものだ。幸せだったのか、不幸だったのか、殺されたのか、事故だったのか、どうしてそうなったのか?この父親の知りたい願望(本当に知りたいだけなのだ)は、そのためなら命さえ惜しくないほど強烈なもので、人間というのはつまりはそういう変なものなのだと、既に中年になった私は思う。この父親の悔恨は、私の胸をかなり打った。若い時見たら、全然分からなかったかもしれない。 【大木眠魚】さん 7点(2004-06-10 01:49:28) |
3.《ネタバレ》 やはりソダーバーグ監督の映像テクニックはこういうシンプルで短い物語で活きる。時系列を追ってしまえば何の変哲も無い平板なストーリーであったろうものを、ここまで入り組ませ魅力的にしているのはさすが。無機質でクールな映像、乾いた暴力と銃声。その中で浮かび上がる主人公の強烈な怒りと愛情。娘の蒼い記憶。男はイギリスからやってきて、自分は見ることのできなかった娘の空白の時間を、そして彼女が確かに持っていた愛情の温もりを感じ、帰っていく。激しいバイオレンスとのコントラスト。カッコいいだけじゃねぇ。胸に染みるゼ。 【紅蓮天国】さん 7点(2004-03-17 15:05:44) |
2.テレンス・スタンプのヤクザな親実っぷりが良いですねえ。派手なアクションなどはありませんが、いい雰囲気を持っています。 【tantan】さん 7点(2003-07-20 03:07:08) |
1.どうも肌が合わないソダバーグ作品。ところがこの作品だけは別。過去と未来を交錯させる編集や印象的なカットの数がスタイリッシュで新鮮でした。私には全体的にS・キューブリック作品的印象を受けました。T・スタンプの復讐を内に秘めた演技もシブかったです。しか~し!殺し屋が終盤であっけなく誤射されたり、警備員がプール(崖)から落っこちるシーン(火サスの殺人シーンみたい)など「あららっ」と肩透かしを食らうシーンが随所に出現するのでテンションがあがりきらないまま終わってしまいました。ラストのP・フォンダも中途半端ですな。そういやP・フォンダのあの歯!入れ歯ですかね?カツラ並みにゴイスー不自然です!!劇中やたらと歯を強調してるし・・・あやしい・・・(※火サス:火曜サスペンス劇場のこと) 【さかQ】さん 7点(2001-08-28 21:21:25) |