4.《ネタバレ》 いきなりの下ネタ連発で、人間は正直になると下ネタ中心に生きている、というテーマの作品かと思ってしまいました。ということではなく、嘘をつかないだけでなく、思ったことを口に出さずにはいられない世界なんですね。確かに、誰だって言いたくて仕方ないことは常時脳裏に浮かぶものでしょうし、それって本音なんだと思います。本音がウソだらけの人なんて余りいないでしょうし。この場合、美女が目の前にいれば下ネタが脳内に渦巻くのも仕方ないのかも。彼女の方の本音はちょっと違いますが(笑)
ということで、テーマとしては、世の中はウソがあってこそ平和で円滑に事が進んでいくもの。ウソがなければ外見や履歴といった本質とは限らない部分ばかりが取り上げられて、ただ善良だというだけの者は理不尽に埋もれて行って仕舞うことさえある。だからウソは社会や個人の幸福にとって必要不可欠なのだ、ということでしょうか。
主人公のウソが余りに順風満帆にラストのハッピーエンドまで行ってしまう展開には多少もの足りなさも感じてしまいますし、空の上の人については熱心に信仰されている方々からのお叱りが心配になったりもしますが、善良極まりない作品として安心して観終えることが出来ました。
全体的に60年代や70年代の古き良きアメリカ的な色調で演出されていて、出演者のメイクや衣装もそんな感じ。かつてTVでいろいろと放映されていたアメリカンコメディのような雰囲気で楽しませていただきました。細かな演出も効いているし、意外な俳優さんがカメオ的に出演されているのを見つけるのも楽しみですね。
ちなみに、邦題はちょっと具体的過ぎるかな。原題直訳の「ウソの発明」でもいいのではないかと思えます。