1.《ネタバレ》 スランプに陥り、ロクな記事が書けなくなってしまった新聞記者エリック(ジョシュ・ハートネット)は、ある日の帰宅途中、若者たちの悪質な嫌がらせに遭っていたホームレスのボブ(サミュエル・L・ジャクソン)と出会う。「俺は昔、ボクシングで世界王者寸前まで昇り詰めたチャンプなんだ!」と豪語する彼に半信半疑ながら次第に興味を惹かれていくエリック。しかし、彼のことを書いた記事が編集長の目に留まったことから、息詰まっていた二人の人生は大きな転機を迎えてゆく。常にぼさぼさの小汚いドレッドヘアとむさ苦しい髭面、そして終始甲高い掠れ声で大言壮語するサミュエルの相変わらずの怪演でみせる、そんなオーソドックスな人生再生の感動物語だと思いきや、中盤からそんな物語はあっと驚く展開を見せていきます。人間、特に父親としての弱さを大きくクローズアップしていくその考え抜かれた設定には見事に惹き込まれました。最後は確かにベタと言えばベタですけど、子供を持つ父親なら誰もが共感できる普遍的なテーマを扱ったなかなかの良作だと思います。仕事で心が折れそうになっている、全ての世の中のお父さんにお薦め。