1.《ネタバレ》 アレンのコミカルなヨーロッパ巡りは小休止。(あるいは終了?)
アメリカに帰ってきた本作は久々に笑いの要素は控え目、
人生の分岐点を描いた少々シリアスな人間ドラマ。これもアレンお得意のパターン。
アレン映画独特の味わいのある色調に、相変わらず音楽がいい。
ケイト・ブランシェット演じるジャスミン。
“虚栄心”という言葉が真っ先に思い浮かぶ人物像。
かなりイタイお人柄ではあるのですが、
このジャスミンという女性を絶妙のバランスでどこか憎めないキャラクターに仕立て上げています。
また、ジンジャーとのあまりにも違う幸せへの価値観の違いや、
シリアスさのあるドラマの中に登場する男どもの、
少々なさけなくもコミカルなキャラクターもいいですね。
自身の監督作で何人もの俳優にアカデミー賞を獲らせてきたアレンですが、本作でケイトが主演女優賞を受賞。
相変わらず自ら脚本を手掛け、年1本ペースを貫く。
まだまだその手腕に衰え無し、その健在ぶりが嬉しい。