1.《ネタバレ》 SABU監督というと、独特なセンスとノリの
コメディ映画に定評がある方という認識でしたが、
本作はコメディ映画ではなく、そのセンスが
人間の狂気や苦しみ、悲しみの表現に特化した内容。
序盤は、全体のスローテンポっぷりや
何も起こらなさ加減に「なんだろうこれは、、、」と
心配しながら観てたのですが、ゾンビのお姉ちゃんが
男どもにレイプされるという展開から俄然目が離せなくなり
幸せそうな一家に恐ろしい出来事が起こってくるわけです。
それにともない、お母さんがまるでノイローゼ、
いやなんというか、彼女自身がまるでゾンビのように
なってしまうわけで、最初の頃の幸せそうなときとは
顔が全く変わってくる。逆にゾンビ姉ちゃんは、少しずつ
人間っぽくなっていきます。
二人が入れ替わっていくわけですね。男の子も
ゾンビ姉ちゃんになつくわけですし。
そしてあのラストですよ。いや~、なんという切なさ。
それまで白黒だったのが、最後にカラーになって、
悲惨な光景が色鮮やかに見せられる展開も巧かったですね。