2.《ネタバレ》 この監督の「ガタカ」と同じく無機質ですね。マジで怖いことですが、これってブラックジョークなんだろうかと迷うようなところが満載といいますか、全てがそうだとも思える。それなのに訴えたいことは明確だし、上手い描き方だと感心。
必ずしも兵士の苦悩だけを言いたかったわけではないと私は思います、戦争犯罪だとはっきりわかる描き方ですし。
砂漠の中のただのコンテナと見える中で行われている事、ベガスの目抜き通りが通勤経路とか、新兵はゲームセンターからリクルート などなど。使ってるのはPS、Xboxなんですよね?冗談かと思えるようなことが乾燥した雰囲気の中で重苦しく描かれています。
安全な場所だからこその葛藤とか罪悪感ですかね、実際の戦場なら大義名分の下で敵もはっきり確認できるから感じることはないんでしょうね。
確実に犯罪者とわかるレイプ犯の存在とその顛末、ずっと虚無感無表情なトミーが初めて見せた人間味のある安堵の表情が印象的でした。最初はハズレだったかなとラストまで観る自信がなかったんですが、なぜか惹き込まれてしまいました。
静かで地味と言えるけど、スタンス、スタイルにブレがなく独特でオリジナリティがあり、演じるイーサン・ホークが素晴らしいと思う。
酒を捨て、スアレスの誘いに流されず、リノへ車を走らせるトミーにほっとして観終わったのでした。
でも奥さん役の女優がぱっとしないのよ、スアレスはインパクトありました。レニー・クラヴィッツの娘なんですね、納得です。ラングレーはピーター・コヨーテだったのか・・・