3.《ネタバレ》 真面目だが地味。真剣に見ればじわじわと来る映画。
映画の要所で描写される某独裁者(以下「こいつ」・・・名前を書くのも嫌なのでこの表現でご勘弁)が企てる総統美術館の構想には呆れ返った。
多少の脚色は有るかも知れないが、「こいつ」は連合国側に奪還されそうな場合は焼却せよとまで指示していたらしい。
焼却されてしまうシーンは作品だけでなく作者の悲鳴まで聞こえてくる様だった。
実際に焼却されてしまい、二度と日の目を見る事が無かった芸術作品は数多く有る筈で、「こいつ」の狂気と犯した罪の大きさ・重さには言葉も出ない。
イタリア以外に有る唯一のミケランジェロ作の彫像が物語に何ともいえない光を与えており、
これに絡む「ノッティング・ヒルの恋人」でいい味を出していたヒュー・ボネヴィルも渋い演技を見せている。
いい映画ですよ。