1.《ネタバレ》 ああ、また役職オープンにしちゃったか。
しかも人狼、恋人、キューピッド、重要な役職があっという間に判明。
消去法で佳奈が霊媒師、管すばるが予言者ということもわかってしまいます。
よって『プリズン・ブレイク』のときのような、推理ゲーム的面白さは弱い。
そのぶん処刑シーンや襲撃シーンを復活。過激な描写とスプラッタな映像に振り切っている感じ。
あとは人狼ゲームを楽しむというより、役職がわかっているうえでの、登場人物の駆け引きや人間ドラマをお楽しみくださいってことなんでしょう。
面白かったのは、恋人の二人が人狼側と村人側に分かれちゃっているところ。
人狼の2人は、本来協力関係であるはずなのに、この恋人システムのせいで仲間の人狼を信頼しきれない構図ができています。そのため、人狼が人狼を襲うというのもアリ、という解釈ができてしまうのです。これにより、今までにはない人間ドラマや緊張感を作ることに成功しています。
でも良かったのはそこぐらいかな。
後味の悪さは気になります。
今までで最悪の主人公と言っていいでしょう。良心のカケラもありません。
今作の主人公はシリーズ中はじめて、『自分の命が助かるため』でもなければ『大事な誰かを助けるため』でもなく、『お金のため』に動きます。
最悪だったのは、最後の投票。恋人陣営3人で勝ち残れるのに、賞金の分け前が減るという理由だけで、味方のキューピッドを吊ります。しかもこの吊られた八木ひなたは、もっとも主人公に協力的で、好意的で、そして余命いくばくもない薄幸の美少女。そんな少女を主人公に処刑させるっていう趣味の悪さ。
更には一緒に勝ち残ったもう一人の恋人は、ゲームと関係ないところで殺害。
すべては1億円を独り占めするため。
2人が不憫すぎて、この決着のさせかたはとても不愉快です。
あ、でもサスペンス映画としては、もちろん面白かったですよ。