2.《ネタバレ》 史実に忠実に基づくかどうかはわからないが、クリストファー・プラマーが出ているだけで、かなりの重厚感。
彼のメリハリの効いた演技はやはり観ていて満足度が高い。いい映画観たなって気になってしまうから不思議。
ドイツ軍のブラント大尉と英国のスパイであるミーカの儚いロマンスを主軸として映画は展開されていくのだが、祖国を裏切るとか裏切らないとか、過去のトラウマとかをさほど描かず、純粋にロマンスに振った演出が成功していると思う。
若い二人を応援するかつての皇帝。
無事に逃亡したことを告げる、ゲーテの一冊。
そしてミーカのお腹に宿る新たな命。
ブラント大尉の周囲で聞こえる空襲の音が不吉だけど、ほっとするラスト。
歴史にも触れて、なんだかいい映画を観た気分にしてくれる、満足度の高い一本。
そしてリリー・ジェームスは、やはり現代劇よりこういう作品の方が映える。そこにも加点。