1.《ネタバレ》 ユアインという役者を知っているか、が映画の評価に影響しそうです。
酪農業の息子&作家希望のフリーター、家族なく彼女なくバイトだけの若造を見事に表現したユアインはマルチな才能の韓国トップスターです。
原作とは別物でした。
原作の主人公は家族もお金もある中年ですが、映画では対極の何もない若者。原作は恋人失踪の捜索をあきらめるが、映画ではそうはいかない。
「毎朝焼けたビニールハウスがないか確認している」とジョンスがベンに話してしまう。そんなこと言っちゃいけないよう!と胸が張り裂ける思いでした。ベンの前であまりに無防備です。傷つくジョンスの隣で薄笑いを浮かべて楽しんでるかのようなベン。そりゃ殺されても仕方ないよ、殺人は許されないけどジョンスは必死だよ!切実だよ!と思いました。役立たずで目障りなものを消す。存在していなかったように消す。ジョンスにとってベンはまさに消したいものだった!
焼くものが納屋かビニールハウスか、はこの映画の場合、ビニールハウスも高級車も骨は残る。同じだと思いました。しかもベンは実際なにも焼いてないのだから。
予告に「待ち受ける衝撃のラストは想像を絶するーー」とあります。血のりの付いた上着を脱ぐとこまでは想像できる。そのあとどこまで脱ぐかは想像を絶するという意味でしょう!雪のちらつく冬の畑を立ち去るユアインの後ろ姿にむせび泣きました。あっぱれ!